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G3-中山牝馬Sの反省

時間の都合上簡単にさせていただきます。
全体の感想(レース・馬券など)
今回はけっこう自信があっただけに、けっこうショックを受けている。サンレイジャスパーにとっては、かなりの条件が揃っていただけに、ここで勝たないでどこで勝つんだろう、という感じである。でもまあ、牝馬のハンデ戦ということを考えれば、こういう結果もやむ得ないものである。道悪の時は軽量馬を狙うのが得策だと考えただけに、56kgのマイネサマンサを有力視するのは難しいことだし、悔いの残る負け方というよりは、完敗といえる負け方だっただけに、今回は素直に諦めるしかない。
マイネサマンサ
結果論として言えるのは、この馬は道悪をかなり得意としているということである。ハンデ56kgを背負って、1コーナーで大きな不利を受けたにもかかわらず、勝ちきってしまうのだから、道悪では部類の強さと評価すべきである。前走一叩きされて調子が上がっていたことも確かだろうが、それだけでここまでの競馬をできるものではない。このことにレース前に気づくことができれば良かったのだが、なかなか難しいことである。
ウイングレット
この馬が道悪を苦手にしていないことは知っていたし、先行脚質だからこういう馬場なら展開としてもプラスになるとは思っていた。そういう意味では、この馬から勝負するのが今回の正解だったということかもしれない。でも、アサヒライジングも同じような脚質だから展開的に難しいかなと考えてしまったのが間違いだった。こういうレースでは素直に評価しても良かったかもしれない。
ヤマニンメルベイユ
どの馬が逃げるのかさっぱり分からなかったが、こういうレースでは今回のこの馬のように思い切っていったものが有利ということかもしれない。特に、それが人気薄の馬だと相手も楽に逃がしてしまうものだし、そういう展開の利をうまく生かした好走だったといえる。ただ、ハンデ戦で展開に恵まれて3着ということからすると、次のレースもうまくいくとは限らない。次が人気になるようだと、かえって危険かもしれない。
ピアチェヴォーレ
私はけっこう良い競馬をすると思っていたが、そのとおりの競馬をしてくれた。ただ、多くの条件がこの馬にはプラスだっただけに、それで4着ということは底を見せてしまったと言っていいかもしれない。今後も重賞ではあまり期待できないだろう。
キストゥヘブン
道悪だったことを考えれば、よく追い込んできていると思う。瞬発力勝負の馬であるし、こういう馬場が合うとは思えない。それを考えれば頑張っている方だろう。G1を勝っている馬だけに、巻き返しの余地は十分にあると思う。
サンレイジャスパー
あくまで結果論であるが、体調があまり良くなかったということだと思う。夏から使われていた疲れが出てきているのではないか。追い切りの迫力もいまいちだったようだし、私は本調子ではなかったのだと判断したい。でも、調教が良くなくても走る馬はいるものだし、私は調教はあまり重視しないことにしているので、調教の動きだけでこの馬の評価を下げることはできなかった。それと今回のレースについては、流れが向かなかったというか、この馬に不運な流れになったように見えた。1コーナーで後手を踏んでしまい位置取りが悪くなったし、4コーナーでは大外を回ったことで、かなりのコースロスがあった。マイネサマンサのようにうまくインを突いていれば、結果は違ったような気もする。でもまあ、本当に強い馬は大外を回しても勝ってしまうものである。その程度のレベルの馬だったと考えるべきだろう。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G3-中山牝馬Sの予想
結論

◎サンレイジャスパー
 ○ピアチェヴォーレ
 ▲ロフティーエイム
 △その他全馬

買い目(馬連)合計2,000円
  6−7(300円)
  軸6−5,9,11(各200円)
  軸6−1,2,3,4,8,10,12,13,14,15,16(各100円)

にへいの見解
 今回は時間がないので簡単にさせていただきます。
 本命◎はサンレイジャスパーである
 今回はG1で常に上位争いを演じているアサヒライジングが出走してくることで、この馬の取捨が大きな課題となる。私もハンデ56.5kgは厳しいとは思いながらも、このメンバー程度ならなんとかしてしまうのではないか、と思っていた。しかし、雨が降ったことで考えを改めた。道悪でハンデ56.5kgというのはあまりに厳しすぎる。オッズを考えれば、アサヒライジングから勝負するのはリスクが大きいと判断した。となれば、やはりハンデが軽くて道悪実績のある馬が断然有利になってくる。そういう観点で考えると、ハンデ54kgのこの馬が最も魅力的である。何せ重賞で何度も好走しているわけだし、エリザベス女王杯だって7着という馬である。それだけの馬がハンデ54kgというのは、かなり恵まれた数字である。しかも道悪を苦にしないというのだから、ここは「負けられない」1戦と言っていい。当然に人気はそこそこ高いが、これだけの条件が揃えば2着をはずすことはないだろうという判断で、この馬から総流しをかけることにした。なぜ総流しかというと、相手を絞ることができなかったからである。3頭くらいはたぶんないだろう、とは思ったが、どうせ多頭数に流すのであれば、めんどうだから全部に流してしまえ、というだけのことである。
 対抗○はピアチェヴォーレである
 この馬に期待した理由は、もちろんハンデが軽いことと、道悪を苦手にしていないことである。前走の京都牝馬Sでウイングレットと差のない競馬をしていることを考えれば、ここで好走するチャンスは十分だと私は判断した。
 単穴▲はロフティーエイムである
 福島牝馬Sを勝っているという重賞実績を持っている。それでハンデ53kgというのはけっこう恵まれた方だとは思う。それに道悪を苦手にしていないように感じたので、条件としてはかなり揃ったと私は判断した。休み明けというのはかなり気になったが、この人気であれば狙って面白いと思った。
 あとは前述したとおり、念のため全馬に流す。とにかくサンレイジャスパーに頑張ってもらうしかない。

G3-中山牝馬S

アサヒライジング
(牝4・柴田善56.5)
阪神JF5着、桜花賞4着、オークス3着、アメリカンオークス2着、秋華賞2着、エリザベス女王杯4着と、海外G1を含めて6度のG1を走って、1度も掲示板を外していないというのがあまりに凄い。以前はハナを切って押し切るという逃げ馬という印象だったが、オークスで好位からの競馬をして結果を出して以降は、好位からの競馬をするようになり、さらに安定度が高まったという印象を受ける。G1ではなかなか勝ちきれなかったとはいえ、今回のメンバーはG1で先着を許した馬と比べるとレベルが一気に落ちるだけに、この馬としては「負けられない」1戦ということになる。マイルから2400mまでこなし、2000mの秋華賞がこの馬のベストレースということを考えれば、中山1800mはこの馬にとってはベストに近い条件と言っていい。とはいえ、牝馬は強い馬でも不可解な凡走をすることがある。特に休み明けの時は調子が把握しづらいので、絶対的な信用を置きづらい。まして今回はハンデ戦である。牝馬限定のハンデ戦は「荒れる」ことが多いだけに、なおさらこの馬から買っていいものか、悩んでしまう。これだけの実績を持っていれば、なんとかしてしまいそうな気もするが、牝馬だとどうしても不安を拭えないものである。
キストゥヘブン
(牝4・横山典56)
なんといっても昨年の桜花賞馬である。牝馬では最も名誉あると言われているレースを勝っているのだからポテンシャルが高いのは間違いない。その後は目立った活躍はしていないが、牡馬混合戦かG1だっただけに、負けても仕方なかったとは言えると思う。中山1800mはフラワーCを勝っている実績があるわけだし、ここまでメンバーが落ちれば何とかなるのではないか。前走東京新聞杯を走っているというのもプラス材料であり、7着に負けたものの休み明けで牡馬相手だったことを考えれば、上々の結果といえる。34.4という上がりで走っているし、一叩きされた上積みも考えれば、牝馬限定戦ならば当然に上位争いということになるだろう。ただ、桜花賞は勝ったもののその後の結果がもう一つというのは微妙なところである。秋華賞とエリザベス女王杯は負けすぎという感じもしたので、この馬は成長力がいまいちのような感じもする。前走も牡馬相手とはいえ掲示板にも載れなかったわけだし、どうも勢いを感じないというか、底を見せつつあるような感じがある。生粋のマイラーという感じもあるので、1800mに距離が延びるのもどうだろうか。まして今回はハンデ戦である。牝馬は斤量に敏感な馬が多いのか、ハンデが重いと実績馬でも走らないことがけっこう多いだけに、この馬も分からない。
ウイングレット
(牝6・田中勝55)
近走では前走の京都牝馬Sで2着、前々走のターコイズSで2着と調子の良いところを見せている。もともと2年前のこのレースを勝っている馬でもあるし、秋華賞では3着した実績も持っている馬であり、以前からポテンシャルの高い走りを見せていた馬である。特に中山1800mを得意としており、この条件はこの馬にとってはベストといえる。どちらかといえば先行タイプで底力があるので、小回りで坂のあるコースが合っているということかもしれない。とにかく、勢い、条件、実績とプラス要素が多いだけに、引退の花道をきっちりと飾りたいところだろう。ただ、ここ2戦好走はしているが2着に負けているというのは微妙である。勝ちきれていないことで絶対的な強さみたいなものは感じられず、何というか器の大きさをもう一つ感じられないのである。昨年の中山牝馬Sでは10着に負けているということもあるし、今はマイルくらいの距離の方が合っている感じもする。先行脚質なので決め手もそれほどある方ではないし、同型のアサヒライジングが出走してくるというのもこの馬には展開的につらくなるのではないか。
サンレイジャスパー
(牝5・中館54)
マーメイドS2着、小倉記念4着、新潟記念2着、府中牝馬S2着と昨年の夏から重賞で結果を出すようになってきた馬である。特に小倉記念や新潟記念で牡馬相手に好走しているというのが凄いことであり、牝馬限定重賞であればいつ勝っても不思議ないだけの実力は持っていると言っていいだろう。前走の京都牝馬Sも得意とは思えないマイル戦で4着なら上々の内容といえるし、距離が延びるのは大きなプラスといえるし、ハンデも54kgというのは恵まれた印象が強い。決め手もしっかりしているタイプだけに、今回は大きなチャンスといえる。ただ、重賞で好走はしているけど、まだ勝っていないというのは微妙である。なんというか勝ちきれないタイプというか、勝ち味が遅いというか、なんか大物感がもうひとつなのである。府中牝馬Sまでは良かったが、その後の走りがもう一つということからすると、昨年夏ごろの勢いは今はないというか、調子が下がってきている、もしくは上がってきていないということかもしれない。絶対的な強さまでは感じないだけに、うまくいけば上位に入れるだけの力はあるとは思うが、うまく流れに乗れないなど何かあれば馬券圏内に届かないということも十分にありそうだ。
ニシノフジムスメ
(牝4・後藤53)
忘れな草賞でオープン特別を勝っている実績は持っている。そしてオークスで5着したというのがこの馬の最高実績ということになる。このオークスではゲートで出負けするなど、少しちぐはぐな競馬だったことを考えれば、5着という結果は立派なものである。そういう意味ではハンデG3なら十分に通用すると思われる。とはいえ、オークス以降はこれといった結果を残せていないというのはかなり気になる。特に前走の愛知杯は今回と同じハンデG3だったにもかかわらず8着というのはいただけない。レース間隔が開いたことで、どこまで立て直しているかにもよるかもしれないが、古馬重賞で結果を残していないことからすると、あまり強気にはなれないだろう。ハンデ53kgも愛知杯と同じだから特に恵まれたとも言えない。牝馬は突如として好走したりするから、一発ということはあるかもしれないが、安定度とか絶対的な強さみたいなものは感じない。
マイネサマンサ
(牝7・蛯名56)
H17マーメイドS2着、H17府中牝馬S2着、H17阪神牝馬S2着、H18京都牝馬S1着と、過去に重賞で何度も好走している馬である。逃げにこだわるタイプではないが、気持ちよく逃げた時により力を発揮する馬であり、この馬を楽に逃がすと直線ではかなりしぶとい走りをする。昨年11月のオーロCでは牡馬相手に3着という走りはしているし、まだまだ能力は落ちていないと思われる。ただ、前走の京都牝馬Sで14着に負けているというのは気になるところではある。休み明けで逃げていたことを考えれば、大敗もやむ得ないという考え方もできるだろうが、やはり勢いという点ではマイナスに考えたくなる。それに一昨年と昨年の実績を比べると、徐々に結果が悪くなってきているのも感じるだけに、年齢的な衰えもあるのかなあと思えてならない。逃げることができる馬なので、展開を味方につけての一発ということも考えられるだけに、ばっさりと消すのも危険のような気もするが、ハンデ56kgということも考えるとここでの復活は厳しい感じはする。
マドモアゼルドパリ
(牝6・安藤光53)
前走準オープンを勝っているので勢いは感じる。休み明けでしかも昇級初戦だったことを考えれば、この馬のポテンシャルはかなりのものである。先行できる脚質なので安定度は期待できるし、ハンデ53kgというのも魅力である。サンデーサイレンス産駒だから遅れてきた大物という感じもするし、初めての重賞でもいきなり通用してしまうかもしれない。牝馬は勢いがつくと、強い相手でも走ってしまうものだし、未知の魅力はかなり感じる。まあ、そうは言っても重賞初挑戦であることに変わりはない。重賞でも通用するかどうかは走らせてみないと分からない。つまり重賞の壁に跳ね返され惨敗を喫するということも十分に考えられるということである。先行脚質なので、決め手はそれほどでもない感じもするし、オープンの決め手のある馬が相手だと、大きく崩れないにしても、馬券圏内には届かないということもありそうだ。
ヤマニンメルベイユ
(牝5・勝浦53)
昨年夏に準オープンを勝ち上がったものの、続く新潟記念で9着、府中牝馬Sで14着と重賞で2戦連続で惨敗した。ふつうに考えれば、重賞級の器ではない、もしくはまだ重賞で通用するだけの実力をつけていないということになる。そういう意味では、今回もかなり苦戦すると考えた方がいいかもしれない。まして休み明けだけに巻き返しはかなり厳しそうだ。でも、牡馬混合の準オープンを勝てるレベルであれば、ハンデ重賞なら通用しても不思議ないともいえ、ハンデ重賞であれば早計に見限らない方がいいかもしれない。先行力のある馬なので、小回りの中山1800mの適性は高いということも考えられるし、休んだことによるリフレッシュ効果で体調が良くなっているということだって考えられる。ハンデ53kgということもあるし、一発あっても驚くほどではないとはいえる。
レクレドール
(牝6・柴山56)
H16ローズSとH17クイーンを勝っており重賞2勝という実績を持っている。特にクイーンSでは後に天皇賞秋を勝ったヘヴンリーロマンスに勝っているように、この馬のポテンシャルはかなり高いと考えた方がいい。昨年の札幌記念では牡馬混合の別定G2で2着しているというのも、この馬の能力の高さの証明といえる。そういう意味では、ここで好走しても何の不思議もないということになるし、ハンデ56kgも実力の証明である。どちらかというと小回りコースを得意としている印象もあるし、中山1800mも条件としては悪くないのではないか。しかし、前走の京都牝馬Sで12着に負けているように、どうもムラがあるというか、安定度に欠けるところがある。瞬発力もいまいちで上がりがかかるような展開でないと好走できないというあたりも、好走条件が限られるというか、地力で勝ちきるというタイプではないといえる。直線で坂があるコースを苦手としている感じもあるし、信用を置きづらいタイプである。
ロフティーエイム
(牝5・吉田隼53)
昨年の福島牝馬Sを勝っているという重賞実績を持っている。そういう意味では同じG3なら能力的には通用するはずである。その後はこれといった実績は残していないが、福島記念で4着していることも考えれば、この馬は小回りの右回りが得意なのかもしれない。であれば、中山1800mの適性はかなり高いかもしれない。先行して押し切るレースを得意としているので、うまく流れに乗れれば、直線が短いことをうまく味方にできるかもしれない。重賞を勝っていることを考えれば、ハンデ53kgというのは恵まれた感じもするし、チャンスはそれなりにあるとは思う。ただ、福島牝馬Sはしょせんローカル重賞だし、上がりがかかるような馬場がこの馬に良かったような感じがする。中央場所のスピード勝負には対応できないのではないか。実際に福島牝馬S以降は、同じ福島コースの福島記念以外は、掲示板にも載れないレースが続いており、もう一つ強さみたいなものが伝わってこない。決め手もそんなにある方ではないと思うので、展開による一発もどうだろうか。休み明けもマイナスと考えるべきだろうし、ここでの好走を期待するにはちょっと条件が乏しいような感じはある。
アクロスザヘイブン
(牝4・吉田豊50)
フローラSで3着、前々走の京都牝馬Sで5着という実績を考えれば、ハンデG3なら通用するだけの実力はあると考えていいだろう。どちらかというと先行タイプのようなので中山1800mも合うのではないか。そして何よりハンデ50kgというのが大きな魅力である。ハンデ戦では軽量馬が理屈抜きで好走することもあるだけに、このハンデはかなり魅力である。それに4歳という若さからまだまだ成長力も期待できるし、まだ底を見せていないともいえるだけに、ここで本格化ということもあるかもしれない。とはいえ、前走の準オープンで13着というのはさすがに負けすぎである。いくら道悪だったといっても、本当に強い馬であれば、掲示板くらいは確保するものではないか。フローラS3着、京都牝馬S5着も中途半端な感じもするので、もう一つ強さは伝わってこない。まだ準オープンの身であるし、いくらハンデ戦でも重賞で戦えるだけの実力はまだ身につけていないと考えた方がいいのではないか。
キープクワイエット
(牝6・武士沢50)
昨年10月に1000万を勝ち上がったが、そこから6戦して1度も掲示板にも載っていないというのは明らかに問題だろう。この中で最も良かったのがハンデ50kgだった中日新聞杯の8着ということだから、ハンデ50kgで牝馬限定戦ならもしかしたら通用するかもしれない、という考え方はできなくはないが、前走準オープンで13着に負けていることも考えると、いくらハンデ戦でも巻き返せるとは思えない。気まぐれな牝馬でハンデ戦だけに、一変ということもあるかもしれないが、その可能性はかなり低いと考えるべきだろう。
ジョースマイル
(牝4・江田照51)
現在2連勝中と勢いがある。前走1000万を勝ったばかりであるが、2着に1馬身以上離したのだからかなり強い内容だった。この内容であれば準オープンでも通用するはずだし、準オープンで通用するのであれば、ハンデ重賞なら通用しても不思議はない。あるいは、そもそも重賞級の実力を持っている馬であり、ここも軽くクリアして一気にG1戦線に殴り込んでくるということだってあるかもしれない。とにかく、まだ底を見せていないというのがこの馬の最大の魅力であり、ハンデが軽いということも踏まえれば、好勝負に持ち込んでくることは十分にあり得る。ただ、連勝した勢いでそのまま挑戦というのではなく、一息入れて4ヶ月ぶりのレースというのはちょっと気になる。休み明けは基本的にはマイナスと考えるべきだし、それで重賞初挑戦というのは条件としてはかなり厳しい。重賞で通用することをすでに証明しているわけでもないので、実力不足で惨敗するということだってあり得る。
ピアチェヴォーレ
(牝6・木幡51)
ターコイズSで4着しているし、前走の京都牝馬Sでも2着馬とは差のない6着と頑張っている。これだけの競馬ができていればハンデ重賞なら十分に通用すると考えていいだろう。ハンデ51kgというのも恵まれた感じがあるし、これだけ軽いと一発あっても不思議はない。もともと1800〜2000mを得意としていた馬なので距離延長もプラスと考えていいだろう。勢いもそれなりには感じるし、チャンスはあるはずだ。とはいえ、前走の重賞で掲示板をはずしているというのも事実ではある。ターコイズSも馬券には絡んでいないわけだし、重賞では実力不足という判断は十分にできる。決め手が鋭いとか、大逃げするというタイプでもないので、一発というのもどうだろうか。重賞で好走するためには、もう一つ何かが足りないという感じもする。
ピサノグラフ
(牝5・塚田52)
フローラSで4着、紫苑Sで4着、ターコイズSで3着というように、重賞やオープンでそこそこの実績は残している。母シンコウラヴリィ父サンデーサイレンスという超良血馬ということもあり、この馬が本来持っているポテンシャルはまだまだ深い可能性は十分である。そういう意味ではハンデ重賞くらいならいきなり勝ってしまっても不思議ではないかもしれない。とはいえ、ここ2戦は準オープンで4着、8着という結果だけに、重賞で巻き返すのは厳しいと考えるのが一般的だろう。1200mくらいで好走することが多いので1800mという距離も長い感じがする。ハンデが軽いという魅力は確かにあるが、これまでの戦績が中途半端なのが多いだけに、もう一つ強さが伝わってこないというか、一発ありそうな雰囲気が感じられない。
ワディラム
(牝6・今野54)
米子Sでオープンを勝っている実績を持っている。そういう意味では牝馬限定のハンデ重賞で能力不足ということはあり得ない。前走の京都牝馬Sも2着とはそれほど差はなかったし、今回は休み明けを一叩きされた上積みが見込まれる。ハンデ戦になるのも当然にプラスであるし、条件はそこそこ揃ったと言っていいのではないか。チャンスはそれなりにあると思う。とはいえ、前走の京都牝馬Sでは先行して粘りきれないという内容だっただけに、もう一つ強さみたいなものが伝わってこなかった。マイル戦で実績があるので距離延長もマイナスのような感じがするし、京成杯AHでは惨敗を喫しているので、坂のあるコースがダメなのかもしれない。米子Sの時のハンデが51kgだから今回の54kgもそれほど恵まれた感じはしないし、ちょっと底を見せつつあるかな、という感じもする。

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