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G3-中山金杯の反省

時間の都合上簡単にさせていただきます。
全体の感想(レース・馬券など)
道悪になったことでシャドウゲイトに本命◎を変更したが、結果的にはその判断が功を奏した。良馬場ならアサカディフィートから勝負しようと思っていたので、結果的には同じだったかもしれないが、良馬場だったらシャドウゲイトを消していたかもしれないので、道悪になったのが私には幸いしたといえるかもしれない。それにしてもアサカディフィートの10人気には驚きを隠せない。トップハンデということもあったし、いくらなんでも人気がなさすぎである。こういう馬券で万馬券というのは私にとってはかなりラッキーだった。今までもそうであったが、私の場合は無理して高配当を狙いにいくというよりも、強いと思って買ったら高配当になってしまったというパターンの方がいいのかもしれない。結局は自分の予想に徹するというのがいいということなのだろう。今年はあまり狙いすぎず、自分らしい予想をしていきたいと思う。
シャドウゲイト
道悪になったことでかなり有利になったとは思うが、それでも予想された単騎逃げではなく2番手からの競馬になったことを考えれば、それほど楽な競馬ではなかったと思う。それでも終わってみれば7馬身差というのだから、とにかく強かったと評価していいと思う。良馬場だったらここまで強い競馬ができたかどうかは分からないが、重賞で7馬身差というのは実力の証明かもしれない。次のレースで結果を出せれば本物といえるだろうから、次が本当の意味での試金石といえるだろう。
アサカディフィート
この馬には本当に驚かされる。出遅れ癖があるので、どうしても最後方からの競馬になってしまうのであるが、今回も直線だけの競馬で2着に来てしまうのだから本当に強い馬である。ハンデ57.5kgで道悪だったことも考えれば、最も強い競馬をしたのはこの馬だったと言っていいのではないか。まだまだ年齢的な衰えも見えないし、G3レベルならもう一花くらい咲かせそうな勢いを感じる。
ブラックタイド
3コーナーあたりから強引に仕掛けていったが、勝ちにいくならあそこで思い切って行くしかなかったとは思う。結果として直線で失速してアサカディフィートに差されてしまったが、2着狙いの競馬をしても意味がなかっただろうから、この3着は仕方ないものである。ただ、この馬も道悪がプラスに出た方だと思うので、良馬場でも今回と同じ競馬ができるかどうかは分からないと思う。
ロジック
G1馬がようやく復活してきたと言いたいところであるが、たぶん道悪がプラスに出たということだと私は思う。次はいよいよ復活だと思ってこの馬から勝負すると裏切られる可能性もあると思う。もちろん本当に復活するかもしれないが。
フォルテベリーニ
もともと分からない馬なので、この着順で評価すべきかどうか判断できない。とりあえず頑張っているとは思うが、道悪がプラスに出ただけということかもしれない。良馬場の方が良いタイプという話もあったので、良馬場だともっと良い競馬をするのかもしれないが、ちょっと何とも言えない。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G3-中山金杯の予想
結論

◎シャドウゲイト
○ブラックタイド
▲マヤノライジン
×イースター
☆ダンツジャッジ
 △その他全馬

買い目(馬連)合計2,100円
  BOX--2,4,9,12,14(各100円)小計1,000円
  軸9--1,3,5,6,7,8,10,11,13,15,16(各100円)小計1,100円

にへいの見解
 今回は時間がないので簡単にさせていただきます。
 本命◎はシャドウゲイトである
 当初は実績のある重賞ウイナーを中心に考えていたが、天候が雨予報ということもあり重馬場適性を重視する予想に変更した。重馬場になればハンデも軽い方が圧倒的に有利となるし、そこらへんも考慮にいれた。そのように考えるとやはりこの馬が最も魅力的である。前走1000万とはいえ逃げて7馬身差圧勝というのはかなり強い競馬である。道悪適性がもう一つ分からないというのは気にはなったが、今回のメンバーでも単騎逃げは間違いないだろうし、馬場が悪化すれば前にいった馬の方が有利になるはずである。ハンデ53kgと軽量ということもあるし、この馬が残る可能性はけっこう高いのではないかと判断したということである。もちろん、前走1000万を勝ったばかりの馬であり、各上挑戦の馬である。重賞実績のある馬に力の違いを見せつけられるということも十分にあり得るわけで、さすがに不安も小さくはない。
 対抗○はブラックタイドである
 昨年2年ぶりに復帰してきたわけであるが、今のところもう一つ結果が出ていない。悪くはないのであるが、オープン特別あたりで躓いているようでは今年もそれほど期待はできないかなとは思っていた。でも道悪になれば話は別である。全兄のディープインパクトが道悪を苦にしていなかったし、稍重のスプリングSを勝っていることからも、この馬は道悪はけっこう得意ではないかと私は踏んでいる。であれば、2着3着という近走の走りからも巻き返しは十分に考えられる。ハンデ55kgも重いということはないし、今回はかなりやりそうな気がしている。
 単穴▲はマヤノライジンである
 函館記念3着、札幌記念4着、中日新聞杯3着と重賞でそこそこの結果は出しているものの、もうワンパンチ足りない印象があり、今回も勝ちきるまではどうかと思っていた。でも稍重の函館記念で3着していることからも道悪は苦手ではないとみた。先行できる脚質でもあるし、道悪ならかなりやれるのではないか。ハンデ56kgが少し重いような気もするが、今までの実績を考えれば何とかなるだろう。人気にはなっているが、ここまでの安定度を考えてもボックスからは外せない存在だと思った。
 4番手×はイースターである
 前走のディセンバーSを快勝して勢いがあるということもあるが、それよりも道悪を得意としているというのがこの馬を選択した最大の理由である。先行できるタイプでもあるし、条件としてはかなり揃ったと思われる。道悪ならば連勝も十分にあり得るだろう。とはいえ、距離2000mはちょっと長いような気はするし、鞍上が長谷川騎手というのも少し気になった。明け4歳ということを考えればハンデ54kgもそんなに恵まれたとは言えないし、マイナス要素も少なくはない。
 5番手☆はダンツジャッジである
 過去に重賞を2勝している実績馬である。最近は年齢のせいか良いところがないが、それほど大きくは負けていないということには注意した方がいいと思う。そして今回は道悪というのがこの馬にとっては大きなプラスである。ハンデ56kgも実績を考えれば恵まれたとも言えるし、うまく先行できればチャンスは大きいと私は思う。ただ、道悪の福島記念で5着に負けていることを考えると、道悪になっても年齢的にダメなものはダメという感じもするので、あんまり大きく期待はしない方がいいのかなとは思っている。でもここまで人気がないのであれば狙う価値はあると思う。
 6番手はアサカディフィートである
 良馬場であれば、この馬から勝負するつもりだった。ここ数戦の決め手もかなりのものであり、負けたとしても上がりのタイムはかなり速いものを叩き出していただけに、得意の中山2000mならばかなりの確率で好走できると思っていた。しかし道悪になると話は別である。上がり33秒台の決め手を信条とするこの馬にとっては道悪はかなり厳しいと思う。これまでの戦績からするとそれほど苦手ではない。むしろ得意としているという感じもしたが、後方からの競馬で差し切るというのはやっぱり厳しいと思う。それにハンデ57.5kgというのも道悪だとかなり不利になると私は判断した。そういうことで評価をここまで落とした。
 7番手はワンモアチャッターである
 実力のある馬なのでそろそろ重賞を勝ってもいい頃かなと思っていたが、やっぱり道悪になったことで敬遠した。前走の福島記念も道悪で3着に負けたという感じだったし、道悪は得意ではないと思う。それでハンデ57kgというのも厳しいと思う。実績的に考えれば好走しても何の不思議もない馬ではあるが、私は敢えて軽視した。
 8番手はグロリアスウィークである
 弥生賞でアドマイヤムーンと0.1秒差の競馬をしていることからも実力はかなりあると思っていいだろう。ただ、前走の鳴尾記念で9着に負けているように、精神的にまだまだ子供という感じがする。実力はあるのだろうが、それを常に出し切るわけではないということである。こういう気性の若い馬は今回のような道悪の厳しい競馬では集中して走れないのではないかと思って私は軽視した。実は道悪が得意で強い競馬を見せるということもあるかもしれないが、私はそういう未知のことを期待はしない。
 9番手はトウショウシロッコである
 京成杯2着、セントライト記念2着と中山コースで結果を出している。切れる脚がもう一つという馬だから道悪になったのもプラスだろうし、前走の中日新聞杯で5着というのも悪くはない結果といえる。であれば、今回はけっこうチャンスかもしれない、と私も思ったが、この馬に関してはもう一つ大物感というか、古馬重賞で上位にくるような器の大きさを感じない。ハンデ53kgということもあるし、やっぱり好走してしまうのかなとも思うのだが、魅力を感じない馬から勝負する気にはなれなかった。
 あとは道悪のハンデ戦だと何が起きるか分からない。重賞ウイナーがまだいるし軽量馬も多い。であれば◎から総流しの馬券は念のため買っておいた方がいいのかなと思ってしまった。

G3-中山金杯

アサカディフィート
(騙9・小牧太57.5)
H18アンドロメダS1着、H17京阪杯2着、H16中山金杯1着、H15大阪城S1着。 H16年にこのレースを2着に3馬身という強い競馬で勝ち、昨年も最後方から追い込むという競馬で2着にきている。このレースとの相性はかなり良く、中山2000mという条件はこの馬にとってはベストと言っていいのではないか。明けて9歳という年齢ではあるが、前々走のアンドロメダSを勝つなどまだまだ元気な走りをみせている。前走の鳴尾記念6着も超スローの展開で先行馬が有利だったことを考えれば、内容は悪くなかったといえる。前走よりはメンバーは楽になるわけだし、距離が1F延びるのも大きなプラスである。最後の決め手は相変わらず切れ味があるし、昨年は出遅ればかりだったが、ここにきてゲートも出るようになってきている。これは昨年よりもチャンスが大きいと言っていいのではないか。とはいえ、明けて9歳という年齢を考えると、昨年以上のデキを期待するのもどうかという感じはする。ハンデが今年は57.5kgということもあるし、前走だってなんだかんだで6着に負けているわけで調子が落ちてきているということも考えられる。今回はまた出遅れるのではないかというゲートの不安も小さくはないし、追い込み一辺倒ということで展開に左右されやすい馬だから、安定度はあまり期待できない。昨秋の好走はすべてオープン特別というのも気になるところで、重賞ではもう通用しないレベルということも考えられる。
イースター
(牡4・長谷川54)
H18ディセンバーS1着。
前走のディセンバーSを勝っているので勢いは凄く感じる。2着に1馬身以上離したのだから完勝と言っていい内容だった。もともと2歳秋から3歳春にかけて重賞戦線で好走していてロジックあたりとも好勝負していた馬だから素質の高さは感じられた馬ではあった。昨秋に復帰してからもオープン特別で好走はしていたが、前走でついにオープン勝ちを果たした。明け4歳という若さが大きな魅力であり、1戦ごとに強くなっているのを感じる。そういう意味では前回よりもさらに強くなっているということも十分に考えられる。中団から前で競馬ができるので大きく崩れない安定度も魅力である。前走中山1800mで結果を出したのだから中山2000mにも対応できるだろうし、ハンデ54kgも前走オープンを勝っていることを考えれば、かなり恵まれたといえる。今の勢いであれば連勝してしまうことも十分に考えられる。とはいえ、前走勝っているといってもしょせんオープン特別である。重賞はまたレベルが高くなるだけに、オープンを勝っているだけでは裏付けとしてはもう一つという感じがしてしまう。それにこの馬の場合は、距離延長が大きな不安となる。1800mで結果を出したとはいえ、マイル前後の方が良いというコメントが多いし、母もマイル以下で活躍したということらしい。1800mと2000mは近いようで、スタミナの必要度がまったく違うものだし、2000mはやっぱり長すぎたということも十分に考えられる。ここ3戦は福永、横山典と乗ってきたが、今回は長谷川に戻るというのもどうだろうか。ちょっとした判断の間違いで順位が大きく変わるのが重賞の厳しさであるし、気性の難しいこの馬をうまくコントロールできるかどうか。
ヴィータローザ
(牡7・柴山57.5)
H18中山金杯1着、H18小倉記念2着、H17金鯱賞2着、H15セントライト記念1着など。
重賞を2勝しているし、昨年の覇者であるのだから、当然に能力は通用するといえる。それに、この馬のベストレースは金鯱賞で2着したときだと思うが、このときはタップダンスシチーには完敗したものの、シルクフェイマス、アドマイヤグルーヴといったG1級の馬を相手に先着したのだから、この馬のポテンシャルはG1でも通用するだけのものを持っているといえる。近走の結果はいまいちであるが、もともとムラのある馬で忘れた頃に好走するところもあるだけに、巻き返しがあっても不思議はない。重賞2勝はいずれも中山コースであることも忘れてはいけない。中山コースなら一変するということも十分に考えられる。とはいえ、前走の鳴尾記念で14着、前々走の福島記念で11着というのはさすがに負けすぎという感じがしてしまう。夏場に小倉記念、新潟記念と好走したが、そこから徐々に成績が落ちていることを考えれば、調子が下降していると考えていいのではないか。昨年勝っているとはいえ、歳を1つとっているわけだし、ハンデは当然に0.5kg増ということを考えると、さすがに2年連続というのは厳しいのかなと思えてしまう。ムラがあるということは、今回だって走る気になるかどうかは分からないわけだし、オールカマーで7着に負けていることを考えれば中山コースだから好走するとも限らない。
キープクワイエット
(牝6・吉田準50)
昨年の10月に休み明けで1000万を勝ったところまでは良かったが、続く準オープンで8着、格上挑戦で中日新聞杯8着、愛知杯9着とさすがに重賞で巻き返すのは厳しそうな実績である。ハンデ戦だけにハンデ50kgなら一発あっても不思議ないということにはなるが、前走もハンデ51kgだったし、前々走もハンデ50kgだっただけに、今回特にハンデに恵まれたわけでもない。まあ、そうは言ってもハンデ戦は何が起きるか分からない。特に軽量の牝馬は理屈抜きで爆走する時があるから、そういう意味ではこの馬も一発の魅力も秘める。でもまあ、ここんところ使い詰めという感じで勢いは感じないし、一変する要素も見あたらない。常識的にはかなり厳しいということにはなるのだとは思う。
グロリアスウィーク
(牡4・北村宏55)
H18弥生賞2着、H18シンザン記念2着。
なんといっても弥生賞で2着しているという実績を高く評価しないといけない。アドマイヤムーンを相手に0.1秒差の勝負だったし、3着馬には3馬身つけたのだからこの馬のポテンシャルも半端ではないということの証明といえる。他にもきさらぎ賞ではG1で活躍したメイショウサムソン、ドリームパスポート、マイネルスケルツィと好勝負したし、シンザン記念では後にNHKマイルCを勝ったロジックに先着している。前走の鳴尾記念では9着に負けているが、長期休養明けだったことを考えれば仕方なかった。一叩きされた上積みは大きいだろうし、弥生賞と同じ中山2000mという条件に替わるのもプラスだろう。実績はある馬だけにハンデG3レベルなら楽勝もあるかもしれない。とはいえ、前走の鳴尾記念で9着というのはさすがに負けすぎという感じもする。長期休養明けだと1度叩かれただけでは大きくは変わらない馬もいるし、いきなり重賞で勝てるレベルまで上がってくるかどうかは分からない。重賞で2度2着しているとはいえ、しょせん3歳限定のものだし、3歳春からそれほど成長していないということもあるかもしれない。とにかく古馬戦で結果を残していないというのは大きな不安である。気性的に難しいところもあるみたいだし、たとえ能力が高いにしても力を出し切れずに惨敗に終わるということも十分に考えられる。
シェイクマイハート
(牡7・木幡53)
昨年は新潟大賞典で4着、函館記念で5着と重賞でもそこそこの走りは見せている。前走のディセンバーSでも7着とはいえ0.5秒差なら巻き返せる守備範囲といえる。それ以外のレースでも大きくは負けていないし、ハンデ53kgということも考えれば、流れ一つで上位に入ってきても不思議はないと言っていいと思う。とはいえ、前走のオープン特別で7着に負けていることをはじめ、近走は掲示板にも載れないレースが続いていることを考えれば、さすがに重賞で巻き返すのは厳しい感じはする。ローカルのハンデ重賞でやっと上位に入れる程度の実績からすれば、中央場所の重賞で好走を期待するのは酷といえる。逃げるとか追い込むとか一発を期待できる脚質でもないし、中途半端に落ち着いてしまっているという感じもある。ローカルの平坦コースの方が合っているという考え方もできるし、とにかく魅力的な要素が少なすぎる。
シャーディーナイス
(牡8・石神48)
1000万、1600万を連勝してオープン入りしたときは、グラスポジションやロードフラッグといった後に重賞で好走する馬を相手に勝っているのだから、この馬の能力も重賞級であると考えられる。そして、今回の最大の魅力は裸同然のハンデ48kgである。ハンデ戦では今まで苦戦してきた軽量馬が何の前触れもなく激走することがあるだけに、ハンデ48kgで一変するのではないかとどうしても思えてしまう。休み明けであるが、一息入れたことがかえってプラスということも考えられるし、一発あっても不思議ない存在とはいえそうだ。まあ、そうはいってもハンデ48kgというのは実力がないとハンディキャッパーが宣告したようなものだけに、いくら軽量でも巻き返すのは厳しいと考えるのが一般的だろう。休み明けというのも基本的にはマイナスだし、年齢を考えてもここで生涯一の走りができるとは思えない。決め手があるタイプでもないし、距離も少し短い感じがする。これまでの実績をみる限りではここで好走を期待するのはさすがに厳しいと言わざる得ない。
シャドウゲイト
(牡5・田中勝53)
前走1000万特別だったとはいえ勝っているというのは良いことだ。勢いは感じるし、いきなりの重賞挑戦でもハンデ戦ならば通用しても不思議ないといえると思う。しかも前走の内容が圧巻だった。単騎で逃げて2着に7馬身差というのだからかなり強い内容だった。これなら今回も逃げた方が良いだろうし、他にハナにこだわる馬はいないだけに、前走のような一人旅が可能だと思われる。そうなれば、前走のように気持ちよく走ってそのまま粘りきるということも十分に考えられる。もちろんハンデ53kgというのも魅力である。ハンデ戦では軽ハンデの馬が理屈抜きで好走することもあるだけに、このハンデならチャンスは十分といえる。とはいえ、前走1000万を走っていた馬がいくらハンデ戦でも重賞で好走できるかどうかはかなり疑問ではある。レベルはまったく違うだけに、前走のような楽な競馬はさせてもらえないだろうし、そもそも実力差がありすぎて相手にしてもらえないということだって十分にあり得る。休み明けで勝っているので2走ボケというのこともあるかもしれない。とにかく1000万までしか実績がないというのは重賞を戦ううえではあまり物足りない実績といえる。
ダンツジャッジ
(牡8・バルジュ56)
H16AJC杯1着、H15ダービー卿CT1着など。
3年前になるが別定G2のAJC杯を勝っている実績は高く評価する必要がある。別定G2を勝っているのだからハンデG3であれば当然に格上の存在ということになる。ポテンシャルも当然に通用すると考えなければいけない。でもまあ、重賞で好走していたのは2〜3年前のことだから、現在ではそのときの実力はもうないと考えたくなるのも仕方ないところではある。とはいえ、前走6着、前々走7着、3走前が5着という着順は、それほど大きく負けているわけではないから判断が難しい。徐々に調子を上げてきているという考え方もできなくもないし、実力を出し切っての結果とも考えられる。ハンデ56kgも重賞2勝の実績からすれば恵まれたといえるが、近走の結果からすると厳しい斤量という考え方もできる。過去の実績を信じるのか、現在の走りというか勢いから評価を落とすべきなのか、というところだろうが、まあ一般的にはこの年齢で巻き返しを期待するのは厳しいと判断をしたくなる。でもそうなると人気にならないということであり、これだけの実績馬から狙って高配当をゲットできるのもけっこうおいしいということになるわけだから、やっぱり判断は難しくなる。
トウショウシロッコ
(牡4・吉田豊53)
H18京成杯2着、H18セントライト記念2着。
重賞で2度2着している実績を持っており、ハンデG3で能力不足ということはないと思われる。切れる脚はない馬ではあるが、持続力のあるばてない末脚を武器にしており、どんな時でもじわりじわりと前に詰め寄るしぶとさはかなりのものである。前走の中日新聞杯も前残りの競馬になったことを考えれば、追い込んで5着という内容はそれほど悪くはなかった。古馬相手でも通用したというのは大きく、今回のレースに繋げるという意味では価値はあった。菊花賞では惨敗しているので距離は2000mがベストなのだろう。重賞2度の連対はいずれも中山コースなので中山コースは得意だと思っていいだろう。ハンデ53kgも明け4歳馬とはいえ、どちらかといえば恵まれた方だろう。冬の時期はあまり上がりが速くはなるということもないだろうから、そういう点でも今回はけっこうこの馬には条件が揃ったと言って良さそうだ。ただ、この馬の場合はその決め手に欠ける脚質が一番の問題のように感じる。京成杯の時のように時計のかかる馬場であれば持ち味を発揮できるが、良馬場だとどうしても上位の馬を交わしきれない。ラジオNIKKEI杯4着もそうだったし、前走の中日新聞杯もそうだった。セントライト記念も前にいたトーセンシャナオーとの差を詰められずに終わっている。こういう脚質で古馬の重賞を勝つというのはかなり厳しいように感じる。今回もそれなりの競馬はするとは思うが、馬券圏内に入れるかとなれば、不安はけっこう大きいと言わざる得ない。まあ、そもそも古馬重賞で上位に入れるほどの実力はまだまだ身につけていないということも考えられるわけだから、この相手だと惨敗を喫するということもあるかもしれない。
パッシングマーク
(牡4・勝浦52)
ベンジャミンS1着。
オープン特別を勝っている実績を持っているのだからハンデG3であれば十分に通用するはずである。スローペースを好位で折り合い、直線の叩き合いを制したのだから評価できる内容だった。その後はこれといった結果を残せないでいるが、乗った騎手はみんな「素質の高さは感じた」とコメントしており、これまでの惨敗は底を見せたというよりは、まだ力を出し切れないでいるということだと思われる。まだ明け4歳という若い馬でもあるし、持っている素質を開花させることさえできれば、とんでもない強さを見せてくれるかもしれない。そういう未知の魅力を感じる馬である。とはいえ、その素質の高さを重賞で見せてくれたことはないだけに、本当に素質が高いかどうかは分からない。騎手も乗り味に騙されているだけで、実際にはそれほど強い馬ではないのかもしれない。それに、たとえ素質が高くても、結局最後までその素質を開花させることなく終わっていく馬だっていくらでもいる。この馬だって実力を最後まで出せないで終わるということも十分に考えられる。それに、今後成長して強さを見せてくれるのしても、前走のアンドロメダSで8着に負けていることからすれば、今回いきなり変わるということは考えづらい。ハンデ52kgというのは恵まれた感じもするが、前走も52kgで負けているだけに、それほど大きなアドバンテージにはならないかもしれない。ただ、ハンデ戦は軽量というだけで爆走してしまう時もあるし、2勝している中山コースで一変するということもあるかもしれないので一発かますということもありそうだ。
フォルテベリーニ
(牡5・中館54)
H18福島記念2着。
前走の福島記念で2着したことで重賞でも通用するところはみせている。このときワンモアチャッター、ロフティーエイム、ダンツジャッジといった重賞ウイナーに先着したのだから、この馬も同等の能力は持っていると考えていいだろう。この馬は1年以上の休養を挟みながらも4連勝で準オープンまで勝ち上がっており、その素質の高さは条件戦の時からみせていた。準オープンでは2戦とも5着に終わったが、ちょっとペースに慣れるまでに時間を要したという程度のことだろう。前走の福島記念では苦手の道悪馬場だったにもかかわらず2着したことで、実力を確実につけていることを証明した。まだまだ成長の余地はあるだろうから、さらに強くなっているということも考えられるし、かなり奥は深そうだからまだ本当のこの馬の実力を出し切っていないということも考えられる。中団から前で競馬ができるので安定度も期待できる。再びハンデ戦ということも考えれば、今回もチャンスは大きいと考えていいだろう。とはいえ、ローカル重賞と中央の重賞ではけっこうレベルが違うものである。福島記念で2着したからといって今回も通用するとは限らない。前走の福島記念もなんとか2着は確保したが、勝馬には決定的な差をつけられていたし、3着以下にはかなり際どいところまで詰められていた。ハンデが今回は1kg重いわけだし、メンバーも前走よりも厳しくなっている。決め手が鋭いという感じもあまりしないことも考えると、やっぱり中央場所の重賞で前走と同じ走りを期待するのはちょっと厳しい感じがしてしまう。ゆくゆくは重賞で活躍できる器だとしても、今回はまだ成長途上の段階で、まだ上位に入れるだけの実力には至っていないのではないか。
ブラックタイド
(牡6・後藤55)
H16スプリングS1着。
3歳時にスプリングSを勝ち皐月賞では2人気に推されたほどの馬である。このスプリングSではダイワメジャーに先着したわけだし、その前のきさらぎ賞ではハーツクライに先着したこともある。そしてあのディープインパクトの全兄という血統がその素質の高さの証明でもある。2年以上の休養を挟んで、昨年の夏に復帰したが、芝のレースでは3着6着2着3着と安定した成績を残している。3歳時の走りからすれば、まだまだ物足りない感じはあるが、それでも2年以上休んでいたことからすれば、そう簡単には調子は上がってこないということなのだろう。徐々に調子を取り戻している感じはするだけに、ここらへんで本来の強い走りを見せてくれることになるかもしれない。とにかく、本来の走りさえ取り戻せれば、このレベルならあっさり勝ってしまっても不思議はないといえる。まあ、そうは言っても3歳時の実績も結局はスプリングSだけである。皐月賞では16着に負けているわけだし、みんなが思っているほど強いとは限らない。強いというイメージが先行しているだけで本当はそれほど強くはないのかもしれない。それに、復帰してからすでに5戦も走っているのだから、体調が徐々にアップしているにしても、それほど急には良くならないのではないか。前走オープン特別で3着だったことからすれば、重賞で馬券圏内というのはもう少し時間がかかるのではないか。
マヤノライジン
(牡6・池添56)
昨年、4連勝で一気にオープン入りを果たし、その勢いで重賞の函館記念で3着という結果を残した。函館記念はハンデ戦だったので、さすがに勢いはここまでかとも思われたが、続く別定G2の札幌記念でも4着と好走し、この馬のポテンシャルの高さを証明する走りを見せた。1戦ごとに強くなってきていることを感じただけに、ハンデG3ならいつ勝ってもおかしくはないというレベルに成長してきていると考えていいだろう。前走の中日新聞杯は3着に負けたが、休み明けだったことを考えればやむ得なかったといえる。むしろ3着に来ていることを評価すべきで、一叩きされた今回はさらに上を目指せるということになるのではないか。ハンデ56kgもそれほど重いというほどではないし、ここは初重賞制覇の最大のチャンスと言っていいかもしれない。とはいえ、最高実績が重賞で3着というのは微妙な感じはある。重賞ウイナーが数頭いることを考えれば、そういう実力馬に勝ちきれるかどうかという不安は小さくはない。重賞で3着4着しているが、単に相手なりに走るだけという感じもあるだけに、今回も4着止まりということもあるかもしれない。休み明け2戦目だと2走ボケというのもこわい。どちらかというと先行脚質で決め手がいまいちという感じもあるので、重賞だと決め手のある馬に歯が立たないということもありそうだ。
ロジック
(牡4・内田博56)
H18NHKマイルC1着。
やはり昨年のNHKマイルCを勝っているというのは大きな実績である。明け4歳世代のマイルチャンピオンということになるし、G1の勲章を持っているのだから、このメンバーであれば格上の存在ということになる。そういう意味ではG3であれば当然に勝ち負けのチャンスは大きいということになる。昨秋は3戦して3戦とも惨敗に終わっているが、毎日王冠は休み明け、カシオペアSは上がり33秒台の瞬発力勝負が合わなかった、そしてマイルCSは相手が強すぎたと考えれば、まあ仕方なかったというか、今回のハンデG3を考えるにあたってはあまり気にしなくていいという考え方はできる。ダービーで5着しているくらいだから2000mで距離が長いということもないだろうし、叩かれながら調子が上がってきていることも期待できる。とにかく、G1を勝っている馬なのだから、このレベルなら巻き返しがあっても不思議はないのである。そうはいっても3戦とも惨敗しているというのは不安としては小さくはない。ここで勝つつもりならG1でも1桁着順ではきてほしい気もするし、オープン特別なら苦手の展開でも掲示板は外してほしくないという気もする。どうも馬に走る気がないというか、走ることに集中していないような感じがする。こんな感じだと立て直しにはもう少し時間がかかると考えたくなる。明け4歳馬でハンデ56kgというのも楽な数字ではないし、マイルのG1を勝っているくらいだから2000mは距離が長いということもあるかもしれない。
ワンモアチャッター
(牡7・横山典57)
H17朝日CC1着、H17小倉記念2着。
一昨年の朝日CCを勝っている実績を持っているのだからハンデG3では十分に通用するというか、実績上位といっていい。ハンデ57kgも実力の証明である。昨年の中山金杯で競走除外となってから9ヶ月の長期休養を余儀なくされ、昨年10月のオパールSで復帰したわけであるが、いきなり2着と好走してそのポテンシャルの高さを見せつけた。続く福島記念では1人気に推されながら3着に敗れたが、重馬場でハンデ57kgというのはあまりに厳しすぎた。3着を確保しているだけでも評価していいという内容だったと思う。このように休養前の実績もしっかりしており、近走もそこそこ走っているとなれば、今回だって当然にチャンスということになる。叩かれてさらに調子は上がっていると期待できるし、鞍上も横山典騎手を確保できたとなれば、久々の重賞制覇もかなり現実的なといえそうだ。とはいえ、重賞を1度勝っているだけだし、福島記念で2年連続で3着に負けているくらいだから、抜けて強いというほどの馬ではない。言ってしまえば、通用しても不思議はないが、通用しなくても不思議はないというレベルである。前走3着、前々走2着ということからすれば、まだ本調子ではないという感じもする。ハンデ57kgというのもけっこう厳しい数字で、軽量馬に脚をすくわれるということもありそうだ。けっこう気性的に難しいところもあるようだし、トリッキーな中山2000mでスムーズな競馬ができるのか、という不安も小さくはない。昨年の鳴尾記念で不可解な8着ということもあったし、安定度もそれほど期待しない方がいいと思う。

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