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G1-桜花賞の反省

時間の都合上簡単にさせていただきます。
全体の感想(レース・馬券など)
やってしまった。私の予想の中で「ウォッカが2着に負けるのが最もきつい」と書いたが、まさかそれが本当になるとは。こういうことがあるから今まで馬連にこだわってきたのに、こういう肝心なところで馬単にするから、こんな結果になるのである。以前から自分の勝負弱さにはあきれていたが、また勝負弱いところを見せてしまった。こんな予想をしているうちは年間プラス回収は夢のまた夢でしょう。もっと慎重に予想をしていかないといけないなと強く感じた。
ダイワスカーレット
さすがに安藤勝である。チューリップ賞でウォッカに完敗していたが、それを踏まえて綿密な作戦をたてて、それがうまくはまったということだと思う。上がりタイムが33.6だったわけだから、いくらウォッカでもこれを差し切るのは至難の業である。そういう意味では展開がスローだったのもこの馬には幸いしたとは思う。作戦勝ちみたいな書き方になったが、この馬にも半端でない実力があってこそのものではある。今回の走りであれば、オークスでも強い競馬をしてくれると思う。
ウォッカ
まさかこの馬が負けるとは思っていなかったが、結果論で言わせてもらえば、ちょっと大事に乗りすぎたかなとは思う。直線で1度はダイワスカーレットに並びかけたが、そこから逆に離されたということは、脚の使いどころを間違えたということになると思う。スローの展開だったことを考えれば、前の馬だってそうは止まらないに決まっているのだから、もっと早めにダイワスカーレットとの差を詰めていれば、なんとかなったのではないかと思う。でもまあ、圧倒的1人気を背負っていると、どうしても安全策をとりたくなる気持ちも分からなくもない。そういう心理的な部分も少し影響があったかもしれない。でもまあ、3着以下は完封したという内容だっただけに、ポテンシャルの高さは十分に見せてくれたと言っていいと思う。オークスでの巻き返しに期待したい。
カタマチボタン
3強以外はどんぐりの背比べ状態だと思っていたので、この馬が3着でもそれほどは驚きはしなかった。500万特別でも強い競馬をしていたわけだし、このくらい走っても不思議はないとは思っていた。でもまあ、これまでの実績はそれほど凄いというほどのことでもなかっただけに、この3着はこの馬にとっては大きな結果になったと思う。今後の活躍に注目したい。
ローブデコルテ
前走の走りからすると、さすがに今回は苦しい戦いになると思っていたが、G1で4着なのだから立派なものである。阪神JFでも4着だったことも考えると、けっこう大舞台に強いタイプといえるかもしれない。まあ、逆に言えば、G2G3で常に結果を出すタイプでもないということになるから、次のレースでも取捨は難しいと思う。
イクスキューズ
ぎりぎり掲示板というのが、いかにもこの馬らしい。能力が高いからG1で掲示板に載れるわけであるが、馬券に絡めないのはやはり勝負弱いというか、決め手がいまいちだからだろう。レベルの低い重賞であれば、クイーンCのように勝ちきることもできるとは思うが、G1などレベルの高いレースでは今回のような結果が続くような気がする。
アストンマーチャン
前半でかかり掛かっていたというのがすべてだろう。武豊がなだめるのにかなり苦労していたようにも見えたし、あれだけ折り合いに欠けるとさすがに最後まで保つわけがない。ぎりぎりまで頑張ってはいたが、最後の最後で失速して後続にあっという間に交わされてしまった。気性的なことを考えても、現時点ではやはり1400mがベストということなのだろう。今後はスプリンター路線に絞って戦った方が良いと思う。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G1-桜花賞の予想
結論

◎ウォッカ
 ○アストンマーチャン
 ▲ダイワスカーレット

買い目(馬単)
  14−15(1000円)
  14−18(1000円)

にへいの見解
 今回は時間がないので簡単にさせていただきます。
 本命◎はウォッカである
 阪神JFでアストンマーチャンを楽々と交わして、チューリップ賞ではダイワスカーレットを子供扱いした内容はあまりに凄いものである。着差はたいしたことはなかったが、交わしたあと無理をしていないだけで、着差以上の強さを感じた。好位で折り合い、有力馬を射程圏に入れながらレースを運べるレースセンスはかなりのものである。相手に合わせて競馬ができるというのは大きな強みであり、こういうタイプは展開は不問であるし、安定度もかなり期待できる。あのシンボリルドルフを彷彿させる強さだと私は思う。3歳牝馬だから気性的なリスクは少しはあるとは思うが、これだけの強さを見せられては、この馬から勝負するしかない。オッズも考えて、今回は敢えて馬単で勝負することにした。
 対抗○はアストンマーチャンである
 ダイワスカーレットとどちらを上にとるか悩んだが、阪神JFの内容からこちらを上にとった。ダイワスカーレットは早々と捕まえられたが、アストンはもっと際どい競馬だったから、アストンの方が上ではないか、ということである。フィリーズレビューでは気性的な成長も感じられたということもあった。さすがにウォッカを逆転するのは難しいかもしれないが、ダイワスカーレットに先着することは十分にできると判断した。
 単穴▲はダイワスカーレットである
 チューリップ賞ではウォッカには敗れたが、それでも3着には6馬身差という圧倒的な差をつけているだけに、この馬のポテンシャルもかなりのものである。後に弥生賞を勝ったアドマイヤオーラに先着した実績もあるし、かなりの実力馬であることは変わりはない。この馬のかなりの確率で上位に進出してくるとは思う。とりあえずアストンマーチャンを上には評価したが、この馬が2着でもまったく不思議はないし、その可能性も十分だとは思っている。
 今回は3強対決といわれているように、私もこの3強が抜けていると思っている。打倒ウォッカをかかげるアストンとダイワが奇襲戦法をとって玉砕するという展開もあるかもしれないが、そうだとするとどの馬が台頭してくるかがまったく予想できなくなる。であれば、あまりひねくれずに素直に3強で勝負することにした。私にとってはウォッカが2着に負けるという展開が最もきついものであるが、ウォッカは歴史的名牝になると信じて、ここは思いきって頭で勝負することにした。

G1-桜花賞

ウォッカ
(牝3・四位55)
買い H18阪神JF1着、H19チューリップ賞1着など。 昨年の2歳牝馬チャンピオンであるり、その時の内容も、完全に抜け出したアストンマーチャンを軽く交わすという強いものだった。前哨戦のチューリップ賞も今回の有力候補のダイワスカーレットを相手に、4コーナー過ぎで楽々と射程圏に入れて、結局ムチを使わずに悠々と先着した。このとき3着馬には6馬身差をつけていることからも、この馬の半端でないポテンシャルに驚くばかりである。昨年までは阪神マイルはトリッキーなコースだったが、今年は外回りコースが新設されたことで、実力どおりの結果になりやすくなったのも、この馬には大きい。阪神JFから2戦使われているので、2走ボケということもないだろうし、臨戦過程としては万全といえる。ここまで死角の少ない馬は、近年でも稀だと思う。
消し 強い内容のレースばかりなので、マイナスポイントをあげるのはけっこう難しいが、阪神JFもチューリップ賞も2着に大きな差をつけているわけではない。ディープインパクトみたいに3馬身とか4馬身とか離しているわけではないのだから、絶対的というほどの強さではないというか、隙はいくらかはあると考えていいのではないか。まして3歳牝馬というのは、気性的にも気まぐれなものだし、「敗因がわからない」みたいな負け方だって十分に考えられる。500万クラスで1度負けているし、このとき1馬身以上の差をつけられていることを考えても、少なくてもディープインパクトほどの信用度はないと考えた方がいい。
ダイワスカーレット
(牝3・安藤勝55)
買い H18中京2歳S1着、H19シンザン記念2着、H19チューリップ賞2着。
この馬の凄いところは、後に弥生賞を勝ったアドマイヤオーラを相手に中京2歳Sで先着していることである。シンザン記念では逆に負けているが、それでも朝日杯2着のローレルゲレイロには先着している。牡馬の1線級と互角にわたりあっていることからしても、牝馬では抜けた存在と評価すべきである。前走のチューリップ賞ではウォッカに先着を許したが、着差を考えれば、巻き返せないものではない。安藤勝騎手も作戦をいろいろ考えているだろうし、ウォッカ対策は何かあるはずである。それに、ウォッカに負けたとしても、それ以外には負けられないという気持ちだろうから、馬券圏内であればかなりの期待をしていいはずである。
消し 前走のチューリップ賞でウォッカに完敗したというのは、やはり印象としては良くない。着差以上の強さを見せつけられたという感じだっただけに、逆転はかなり難しい感じがする。ウォッカには勝てないにしても、それ以外には負けないという考え方もできるかもしれないが、1度負けていると、負け癖がつくというか、絶対的な強さではないことが証明されてしまうだけに、信用度はどうしても低くなる。気性的に難しいとことがあるみたいだし、多頭数の激しい競馬で走る気をなくすとか、テンションが上がりすぎて自滅するということもあるかもしれない。
アストンマーチャン
(牝3・武豊55)
買い H19フィリーズレビュー1着、H18阪神JF2着、H18ファンタジーS1着など。
ファンタジーSで5馬身差という圧勝を演じて、阪神JFでは圧倒的な1人気となった馬である。ここでウォッカに敗れて主役の座を奪われたわけであるが、それでも3着には3馬身以上の差をつけたわけだし、ウォッカとの差もそれほどあったわけではない。つまりは巻き返せないほどの差ではないということである。前走のフィリーズレビューでは力の違いを見せつける強い勝ち方をして、打倒ウォッカに向けて順調な仕上がりをみせた。2歳時よりも折り合いがつくようにもなったようだし、うまく脚を貯めることができれば、阪神JFよりも良い競馬ができるのではないか。鞍上の武豊もウォッカ対策をいろいろと考えているだろうし、また大仕事をしてくれるかもしれない。
消し どちらかというとスピードが勝ったタイプだけに、やはりマイルという距離が不安となる。阪神JFで2着だから適性がないということではないが、ベストはやっぱり1400mだと思うだけに、距離延長はマイナスと考えた方がいいと思う。阪神JFでウォッカには着差以上の強さを見せつけられたという感じだっただけに、少なくてもウォッカにマイルで勝つというのは難しいのではないか。ウォッカ対策ということで思いきった競馬をするかもしれないが、それが裏目に出て惨敗に終わるということも考えられるわけだし、そういう意味では馬券圏内なら安泰とも考えない方がいいかもしれない。阪神JFよりも他のメンバーも強くなっているということもあるし、とにかくマイルでの信用度はそれほど高くないと考えた方がいいと思う。
イクスキューズ
(牝3・北村宏55)
買い H19クイーンC1着、H18ファンタジーS2着。
前走のクイーンCで重賞を勝っているのは大きな実績である。マイル重賞で実績を残したのだから条件としては申し分ないこととなる。他にも阪神JF5着、ファンタジーS2着、札幌2歳S3着など重賞でそれなりの結果を残しており、常にレベルの高い走りをしているのはけっこう凄いことである。デビューしてから1度も掲示板を外していないし、阪神JF以外は馬券圏内も外していないというのはかなりの安定度である。名門藤沢和厩舎所属だから一戦ごとに力をつけていることも期待できるし、もしかしたら3強と戦えるくらいに成長しているということだって考えられる。
消し 大きく崩れないのは悪いことではないが、それでもなかなか勝ちきれないというのはどうなのだろか。どうしても勝負弱い印象を持ってしまう。前走のクイーンCは勝っているが、単にメンバーが弱かっただけということも十分に考えられる。阪神JFではウォッカとアストンマーチャンに完敗という内容だっただけに、この2頭を逆転するのはかなり難しいかもしれない。先行して押し切るレースを得意としているが、決め手がいまいちというのも否めないので、今回も好走はしても4着5着までという感じがしてしまう。ちょっと間隔が開いたというのも気になるところである。
アマノチェリーラン
(牝3・池添55)
買い H19フィリーズレビュー2着。
前走のフィリーズレビューで2着して権利を見事に獲得した。前々走はダートで500万を勝ち上がったわけであるが、1400mの重賞で2着したのだから、この馬のスピードはかなりのものだと考えていいだろう。アストンマーチャンには完敗という内容だったが、3着には1馬身以上の差をつけたのだから力は証明したと言っていい。今回はマイル戦だから距離延長されれば、アストンマーチャンを逆転できるという考え方もできるし、実はフィリーズレビューのレベルが最も高かったということもあるわけだから、だとすれば、アストンマーチャンには勝てないにしても、馬券圏内に入ってくるということは十分に考えられる。
消し 前走のフィリーズレビューで2着したのは評価できるが、アストンマーチャンには決定的な負け方をしているだけに、さすがに巻き返しは厳しい感じがする。まして、別路線組も合流することで、さらにメンバーが強くなるわけだから、前走以上に厳しい競馬になることは間違いない。3走前にマイルで6着に負けていることからすれば、この馬にマイルは距離が長いと考えるべきではないか。先行タイプなので決め手もそれほどでない感じがするし、展開による一発もどうだろうか。
アポロティアラ
(牝3・勝浦55)
買い H18フェアリーS1着。
重賞を勝っている実績を持っているのだからここで通用しても不思議はないということになる。中団からの競馬でメンバー最速の上がりで2着以下を完封したというレース内容はかなり強いものだった。前走のクイーンCは15着に負けているが、フェアリーSを勝った時も前走は休み明けで12着に負けていた。それを考えれば、この馬は休み明けはまったく走らないというだけで、一叩きされるとガラッと変わるタイプといえる。決め手のあるタイプだから直線が長いコースは合っていると思うし、一発あっても不思議ない存在だとは思う。
消し フェアリーSの内容は確かに強かったとは思うが、しょせん1200m戦だっただけに、マイルG1の裏付けにはちょっと厳しいものがある。1400mのサフラン賞と1600mのクイーンCで惨敗していることも考えると、この馬は1200mが合っているということではないか。だとすれば、マイル戦での巻き返しはかなり厳しいということになる。前走クイーンCで15着というのもさすがに負けすぎだと思うし、そこからまた約2ヶ月開いているのもどうなのだろうか。関東馬なので長距離輸送もマイナスだろうし、G1でもなんとかなりそうな器の大きさもそれほど感じられない。
エミーズスマイル
(牝3・内田博55)
買い H19アネモネS1着。
前走のアネモネSを勝っていることはもちろん凄いことであるが、それよりも前々走の寒竹賞を勝っていることが凄いと私は思う。500万のレースではあったが、牡馬を相手に2000mで勝つというのは牝馬ではけっこう厳しいものである。それを2着に1馬身以上離すというのはかなりのポテンシャルを持っているからできることである。その前の赤松賞では先行馬が粘るところを直線だけの競馬で際どく迫って能力の片鱗を見せていたし、それを考えれば、アネモネSは当然の結果ともいえる。今回のレースのためにも、この程度のメンバーには負けるわけにはいかなかっただろうが、内容でも他を圧倒してその強さをきっちりと見せてくれた。今回はさすがに相手が強くなるが、この馬だって着実に力をつけているだけに、まったく通用しないレベルではないはずであるし、対戦がないのだからもしかしたら3強よりも実力は上ということだってあり得ることになる。地方所属馬ではあるが、間違いなく有力候補の1頭として数えていいし、ここを勝ちきってもそれほど驚くほどのことではない。
消し 前走アネモネSを勝っているとはいえ、オープン実績はこれだけなので、本当にG1で通用するかどうかは分からない。重賞実績がないということを考えれば、やはりG1ではさすがに荷が重いという評価が妥当なのではないか。前々走牡馬相手に勝っているといってもしょせん500万での話だし、同じ500万の赤松賞では牝馬限定で3着に負けているということもある。ずば抜けて強いというほどの評価はなかなか難しいと思う。まして今回は3強が抜けた実績を残しているだけに、この3頭を力でねじ伏せるというのは並大抵のことではない。どちらかというとオーソドックスな競馬をするタイプだし、展開による一発を期待するのも難しいだろう。
カタマチボタン
(牝3・藤田55)
買い H19クイーンC2着。
前走のクイーンCでは2着に負けているが、それでも重賞で2着しているのだから実績としては悪くはない。それに、このとき1人気だったようにかなり高い期待を背負っていた馬である。何せ前々走のひいらぎ賞では牡馬混合戦だったにもかかわらず2着に1馬身以上の差をつけて力の違いを見せたほどである。牝馬限定の重賞であれば、いつ勝っても不思議ないだけの力はあると判断していいはずだ。そういう意味では、今回もこの馬の力を出し切ることさえできれば、上位争いをしても不思議はない。
消し しょせん重賞で2着までの馬である。このとき勝ったイクスキューズが他のレースで勝ちきれなかったことからしても、レースレベルがそれほど高くなかった感じもするので、そこで負けたということは底を見せたと考えていいかもしれない。赤松賞で2着に負けていることからも、勝負強さみたいなものももう一つだし、どうしてもワンパンチ足りない印象を持ってしまう。牡馬に勝っているといっても500万での話なので、G1の裏付けには厳しいと思う。
カノヤザクラ
(牝3・上村55)
買い H19ファルコンS2着。
前走のファルコンSで2着して重賞でも通用するところを証明した。牡馬混合の重賞だったことを考えれば、価値の高い結果だったと言っていいと思う。もともと500万のかえで賞でレコード勝ちしたこともある馬だけに能力は高かったということかもしれない。前走は休み明けで結果を出したわけであるが、一叩きされたことでさらに体調がアップすることも期待できる。牡馬相手にこれだけの競馬ができたのだから、牝馬限定であればG1でもチャンスはあるという考え方はできる。距離延長がプラスに出るということもあるかもしれないし、休んだことで大きく成長している感じもするだけに、2歳時に負けている相手よりも実力をつけているということもあるかもしれない。
消し 前走2着はそれなりに立派だとは思うが、1200mでのレースだけに、マイルG1の裏付けにはちょっと物足りないものを感じる。牡馬相手だったとはいえ、勝っているわけではないから、大物感ももう一つであるし、中京のローカル重賞だったというのも気になるところである。2歳時はファンタジーS、フェアリーSで負けているわけだから、そこで底を見せてしまっているという感じも否めない。距離延長は経験がないのだから基本的にはマイナスだと考えるべきだと思うし、休み明けで好走したあとだけに、2走ボケというのもあるかもしれない。とにかく3強を相手に戦うことを考えれば、いろんな意味でパンチ不足という感じは否めない。
クーヴェルチュール
(牝3・鮫島良55)
買い H18福島2歳S1着。
福島2歳Sでオープンを勝っているので実績としては悪くはない。能力的には通用するかもしれないという考え方は十分にできる。前走のフィリーズレビューは5着に敗れたが、休み明けだったことを考えれば頑張っている方かもしれない。一叩きされたことで大きく変わるということも考えられるだけに、今回は巻き返してくるかもしれない。福島2歳Sを勝った時も前走のすずらん賞では10着と惨敗していただけに、この馬は前走悪かったとしてもあまり気にしなくていいことになる。フェアリーSでも1人気に推されたほどの馬であるし、大舞台での一発もあるかもしれない。
消し 実績が福島2歳Sだけというのは、G1の裏付けとしてはちょっと物足りない。しょせんローカルのオープン特別だったわけだし、それほどレベルが高かったとは思えない。実際に、その後はフェアリーSで10着、フィリーズレビューで5着と負けているだけにG1で通用するだけの実力があるとは思えない。まして、今回はさらにメンバーが強くなるわけだし、距離もマイルに延長されるなど、条件もさらに厳しくなるわけだから、かなり厳しい戦いになると思われる。
ショウナンタレント
(牝3・柴田善55)
買い H19フラワーC1着。
前走のフラワーCで重賞を勝っているのは大きな実績である。昨年の桜花賞馬キストゥヘヴンもフラワーCを勝った勢いで制しているだけに、この馬もチャンスは十分のはずである。ここ2戦を連勝しているわけであるが、いずれも先手を奪ってそのまま逃げ切っている。この馬にはこのスタイルが合っているということなのだろう。そういう意味では、今回も先手を奪って、自分のペースで逃げることができれば、かなりしぶとい競馬をするはずである。ここにきて大きく成長しているということも十分に考えられるし、今では3強よりも力が上ということだってあるかもしれない。牝馬はこういう勢いのある馬が怖いものである。
消し 連勝しているのは確かに凄いことではあるが、メンバーを見る限りではそれほどレベルが高いレースではなかったかもしれない。言ってしまえば、相手が弱かったから連勝できたという評価も十分にできると思う。ここ2戦は逃げて勝ってきているが、このレベルになるとスピードのある馬が他にもいるだけに、今までのような気楽な逃げは難しくなる。ハナは奪えるかもしれないが、後続のプレッシャーはかなり厳しくなるだろうから、直線まで力を貯めることができるかどうか難しくなる。しかも阪神マイルは直線が長いだけに、逃げ切るというのはけっこう至難の業だと思う。
ニシノチャーミー
(牝3・藤岡佑55)
買い H18函館2歳S1着。
夏の新馬戦を勝ち、続く2歳限定の初めての重賞である函館2歳Sも制した馬である。このとき2着だったのが後に朝日杯FSで2着するローレルゲレイロだったのだからこの馬のポテンシャルはかなりのものである。このレースのあとに左目を失明する というとんでもないアクシデントがあってレース復帰が遅れたが、なんとか今回に間に合った。2戦2勝とまだ無敗なのだから、まだ底を見せていないというのが、この馬の最大の魅力ということになる。いろんなハンデがあるが、それを上回るだけのとんでもないポテンシャルを持っていれば、なんとかしてしまう可能性も否定はできない。
消し まだ底を見せていないというのは確かに恐いことではあるが、それでも8ヶ月ぶりのレースでいきなりG1で好走するということは、きわめて稀というか、確率的にはかなり低いものである。つまりは、常識的に考えれば、どんなに強い馬でもいきなりG1で結果を出すのはかなり厳しいということである。ましてこの馬は左目を失明したという大きなハンデを背負うわけだし、距離経験も1200mまでで、マイル適性は未知数である。2歳の夏の重賞を勝っているということは早熟である可能性も十分だし、ここで好走を期待するのはあまりに酷である。
ハギノルチェーレ
(牝3・岩田55)
買い 前走のフィリーズレビューで3着して権利を手中にした。この馬の魅力は後方から追い込んでくる鋭い末脚である。ファンタジーSでは上がり33.5というかなりの決め手を見せていただけに、一発の魅力を秘める。前々走のエルフィンSでも3着しているということもあるし、先行陣が崩れる展開になればけっこう面白い存在だと思う。距離が延びるのも良いと思うし、直線が長くなるのもプラスと考えていいだろう。
消し 着順だけを見るとファンタジーS4着、阪神JF9着、エルフィンS3着、フィリーズレビュー3着ということだから、勝ちきれないというか、勝負弱いというか、大物感がないというか、強さがいまいち感じられない。それなりに決め手はあるとは思うが、それで勝ちきれていないのだから、本当の意味での決め手はないと言っていいと思う。前走のフィリーズレビューで3着も2着に1馬身以上離されているというのは、ちょっと負けすぎだと思うし、この差を逆転するのはかなり厳しいと思う。阪神JFで9着に負けているくらいだから、大舞台に強いタイプでもないと思う。
ピンクカメオ
(牝3・蛯名55)
買い H19菜の花賞1着。
前走の菜の花賞を勝っているのはけっこう大きな実績である。何せこのとき2着だったショウナンタレントは後にフラワーCを勝っているし、3着だったイクスキューズはフラワーCを勝っているのだから、この馬も重賞を楽に勝てるだけの実力を持っているということになる。兄にブラックホークがいるという血統でもあるし、かなりの大物に育ちそうな予感ももてる。2ヶ月以上休んだことで大きく成長しているという可能性もあるわけだし、とんでもない大物に変貌しているということもあるかもしれない。マイルで実績を残したことも大きなことだし、好位で競馬できるので安定度も期待できる。もしかしたら3強相手でも好勝負に持ち込むかもしれない。
消し 菜の花賞を勝っているのは確かに評価していいと思う。しかし今回の相手はやはりウォッカ、ダイワ、アストンの3強だと思われるだけに、ショウナンタレントやイクスキューズに勝っているというだけでは、3強よりも上という根拠にはちょっと厳しいものを感じてしまう。特に阪神JFで8着に負けているのが痛いところで、G1級の器ではない印象を受ける。重賞を勝っているわけではないということもあるし、G1で戦えるだけの実力はまだないのではないか。それに、この大一番を休み明けで挑むというのもけっこう無謀のように感じる。
フローラルカーヴ
(牝3・柴山55)
買い 前走のアネモネSで2着して今回の権利をなんとかゲットした。さざんかSでも3着した実績を持っていた馬だし、前々走の500万でも1人気に推されていたくらいだから、素質の高さは評価されていた馬ではあった。社台RHの馬というのも底の深さを感じる要因である。今回の出走権はぎりぎりで手に入れたわけであるが、これからの成長が楽しみな馬であるし、大舞台に強いタイプということも考えられるだけに、G1の今回でも楽しみあるのではないか。
消し 前走のアネモネSではエミーズスマイルに決定的な差をつけられて負けているだけに、逆転を期待するのはかなり難しいように感じる。まして今回はさらに強力だと思われる馬が3頭もいるのだから、ここで馬券に絡むというのはかなり大変なことである。1戦ごとに成長しているとしても、さすがにG1で上位に入れるところまで急成長するのは難しいだろうし、びっくりするほど鋭い決め手を持っているわけではないから、展開による一発を期待するのも難しいと思う。もっと混戦模様であれば、チャンスはあったかもしれないが、上位陣の強さが際だっているだけに、この馬の実績では太刀打ちできない感じがしてしまう。
ベリーベリナイス
(牝3・秋山55)
買い H19すずらん賞1着。
中央転厩初戦ということになるが、地方所属時代に中央の500万とオープン特別を連勝した実績を持っており、地方転厩馬だからといって侮ってはいけない存在である。中央のスピード馬を相手にハナを奪って、そのまま押し切るレースをしたのだから、この馬の芝適性はかなりのものであるし、スピード能力もかなりのものである。芝に限れば2戦2勝と無敗ということもあるし、そういう未知の魅力はそれなりに感じる。もしかしたら、とんでもない大物だったということもあるかもしれない。
消し 実績がすずらん賞だけというのはG1の裏付けとしてはかなり物足りないものである。芝では負けてはいないといっても、それはあくまでレベルが低いレースしか走っていないだけの話であり、ふつうに考えれば、重賞ではたぶん力不足だろうという判断をするものである。本当にG1でも通用するレベルであれば、ダートでもそれなりに強い競馬をするだろうし、そういう意味でも大物感はそれほど感じられない。まして、5ヶ月以上の休み明けとなれば、力を出し切ることも難しいわけだし、これでG1で好走したら奇跡に近い。
レインダンス
(牝3・武幸55)
買い 前走のチューリップ賞で3着に入り、今回の出走権を手中にした。未勝利を勝ったばかりだったことを考えれば、この馬の成長を大きくアピールする1戦だったといえる。上位2頭にはかなり離されたが、この時期の3歳馬は大きな成長を遂げることもあるだけに、今回は好勝負に持ち込むこともあるかもしれない。それに、前走はスローの展開からの瞬発力勝負になってしまったのもこの馬には厳しかったと思う。G1だと流れもけっこう厳しくなるかもしれないので、そうなればこの馬のスタミナが生きるということも考えられるので、前走とはまったく違う流れになれば、逆転もあるかもしれない。
消し なんとか出走権をゲットするところまでは間に合ったが、ウォッカとダイワには6馬身差という決定的な差をつけられただけに、この差を逆転するというのはかなり困難だと思われる。いくら成長が大きいといっても、さすがにこれだけの差は無理だろう。重賞経験も1度だけということで、キャリア不足は否めないし、レース自体もさらに厳しくなるだけに、本来の実力を出し切れるかどうかもあやしいことになる。
ローブデコルテ
(牝3・福永55)
買い H19紅梅S1着。
オープン特別を勝っている実績を持っているし、G1の阪神JFで4着という実績を持っているのだから、今回通用しても不思議ないだけの実力はあると考えていいだろう。前走のチューリップ賞も5着なら巻き返せる守備範囲という考え方も十分にできる。前走はたまたま力を出し切れなかったということもあるかもしれないし、前走5着だからという理由で見限るには早計かもしれない。
消し 阪神JFで4着というのは立派な実績だとは思うが、それでも馬券圏内に入れなかったのだから、あれがこの馬の実力の限界だと考えていいかもしれない。紅梅Sは相手が弱かったということもあると思うし、前走のチューリップ賞で5着というのも実力の限界という感じの負け方だっただけに、ここでの巻き返しはかなり厳しいと思う。決め手が鋭いとか、一発タイプという感じもしないだけに、大番狂わせはさすがになさそう。

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