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G1-皐月賞の反省

時間の都合上簡単にさせていただきます。
全体の感想(レース・馬券など)
まさかの結果にあぜんとするしかない。でも、若葉Sを勝っている馬と京成杯を勝っている馬の組み合わせなのだから、特に不思議というほどの組み合わせではないといえる。それよりも前2頭で決まったという展開の利が大きかったように感じる。1000m通過が59.4だから速いというほどではなかったと思う。トータルタイムが1.59.9だから平均ペースだったということになる。それほど速いペースでもなかったにもかかわらず、ヴィクトリーとサンツェッペリンを楽に先行させてしまったのだから粘りきって当然といえる。いろんな要素が絡みあってこんな展開になったのだろうが、後続があまりに消極的すぎたように感じる。G1レースなのだから、もっと鬼気迫るようなレースをしてほしかったという印象を持った。
ヴィクトリー
2コーナー過ぎから抑えることができずに出てしまった。そしてそのまま押し切ったのだから、あそこで抑えなかったのが正解だったということになる。そういう意味では田中勝騎手の好判断だったとは思う。でも、それほど速いペースでもなのに、どの馬も追いかけてこなかったというのが、最大の勝因だと私は思う。そういう意味ではかなりラッキーだったようにも感じる。でも、あんなちぐはぐな競馬で勝ってしまうのだから、ポテンシャルはかなり高いと考えていいだろう。皐月賞はフロックだと甘く見ているとダービーでもこの馬にやられてしまうということもあるかもしれない。
サンツェッペリン
今回のレースの鍵となった馬だと思う。スタート直後に果敢に先行してハイペースになると思わせておいて、途中でペースを落とすという作戦をとったことで、後続の馬がハイペースでもないのに動けなくなってしまった。ヴィクトリーが前に出たことで、さらにこの馬の有利な流れになったように感じる。これで、ワンペースで走ることで持ち味を発揮するタイプのこの馬には絶好の流れとなったわけだし、それを自ら作ったことを評価したい。気性的に折り合いのつく馬だからできる芸当といえる。1度はヴィクトリーを交わしていただけに、かなり悔しい2着だったに違いない。ゴールの瞬間に松岡騎手はフサイチホウオーを見ていたが、まさかヴィクトリーが差し返してくるとは思っていなかったのだろう。外よりも内を気にしていたら、もしかしたら勝っていたのではないか、と思ってしまうのだが、考えすぎだろうか。
フサイチホウオー
ゲートを出てからダッシュがつかなかったのか、めずらしく後方の位置取りとなってしまった。さらに前が止まらない展開になってしまっただけに、さすがのこの馬でも難しい競馬になってしまった。にもかかわらず、ハナハナの3着というのは、ある意味ではかなり凄いことである。結果論であるが、TRを使わずに共同通信杯から直行したことが、この微妙な差を生んだということかもしれない。でも、レース展開を考えれば、この馬が最も強い競馬をしたのは間違いない。ダービーでは圧倒的人気を背負ってのレースになることは間違いないだろう。
アドマイヤオーラ
4コーナー手前ではけっこう反応が鈍いように見えたので、4着まで伸びてきたことにけっこう驚いている。でも、スタートが悪くポジションが後ろになってしまったし、道中もスムーズな競馬ができなかったことを考えれば、この馬らしらはまったく見られなかったと言っていいと思う。距離も2000mまでという感じもするので、ダービーではどうだろうか。弥生賞で強い競馬をしているので巻き返してくることも十分に考えられるが、今回の内容からすれば、あまり強気にはなれないと思う。
メイショウレガーロ
ペースを考えれば、ちょうど良いポジションだったと思う。でも、それで前の馬を捕まえられず、後方から差されているのだから、これがこの馬の限界ということなのだろう。ダービーでも苦戦を強いられると考えていいのではないか。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G1-皐月賞の予想
結論

◎アドマイヤオーラ
 ○サンライズマックス
 ▲ドリームジャーニー
 ×メイショウレガーロ
 ☆フェラーリピサ
 △ココナッツパンチ
 △フサイチホウオー
 △フライングアップル
 △ヴィクトリー
 △ナムラマース
 △アサクサキングス

買い目(馬連)合計1,100円
  軸15−−5,6,7,8,10,12,16,17,18(各100円)
  1−15(200円)

にへいの見解
 今回は時間がないので簡単にさせていただきます。
 本命◎はアドマイヤオーラである
 無難に考えてしまったと言えばそのとおりではあるが、やはり弥生賞を勝っていることを評価した。最後はココナッツパンチに詰め寄られたが、並ばれてからまた伸びるという内容からもオーラの方が実力が上だったと評価していいと思う。2分0秒台という時計も優秀なものだし、そこそこ前にいた割には上がりタイムもきっちりとまとめている。好位で競馬ができるタイプでもあるし、どんな展開にも対応できるというのが心強い。中京2歳Sとシンザン記念では上がり33秒台の脚を使っており、切れ味というか瞬発力のあるタイプでもある。鞍上が武豊というのも心強いし、ここはきっちりと勝ちきってほしいところである。ただ、大物感という点ではいまいちというのも否めない。G1でこういうタイプが1人気になると、得てして3着4着に負けるということも少なくはないだけに、大一番で勝ちきれるだけの器があるかどうかを今回試されると言えると思う。
 対抗○はサンライズマックスである
 馬券作戦として1人気から広く流すという方針を今回はとることにした。そうであれば、印としては人気薄を上位に持ってきて、オッズの低いところは押さえまでという評価にしないと理屈が合わなくなる。そういう意味において、この馬を相手の1番手とした。若葉Sで2着に負けているとはいえ、未勝利を勝ったばかりというキャリアを考えれば、良い走りだったと思う。タイムや内容も優秀だったと思うし、成長力も加味すればチャンスは十分と判断した。こういうタイプは厳しい流れになった方がより持ち味を発揮できるようにも感じたし、私はけっこうチャンスは大きいのではないかと思っている。
 単穴▲はドリームジャーニーである
 人気どころではあるが、個人的に好きということもあってこの評価にした。朝日杯を勝っているのだから格としては十分にチャンスはあるし、決め手が鋭いという武器も持っている。ここで勝ちきるだけのポテンシャルはあるはずである。ただ、気性的に難しい馬なので、2000mで折り合えるかという不安はあるし、今回は追い込みに徹するようなので展開に左右されやすいという脆さもでてくる。ステイゴールドとメジロマックイーンという私好みのステイヤー血統ということもあって、かなり気になる馬なのであるが、弥生賞の内容からすると評価はここまでという感じである。
 4番手×はメイショウレガーロである
 弥生賞のレベルが高かったとすれば、この馬だってそこそこ強いということになる。そう考えれば馬券的にはおいしいかなと思ったので、敢えてこの評価にした。鞍上が幸四郎だったら不安もあったが、福永なので、そういう意味でも、もしかしたらあるかなと思ってしまった。
 5番手☆はフェラーリピサである
 前走惨敗したことで芝適性は低いと判断すべきなのだろうが、白井厩舎というのが気になった。この厩舎はG1の前哨戦で大きく負けたところから巻き返すのが得意な厩舎である。つまりは、前哨戦は前哨戦であり、本番への調教でしかないという考え方なのだろう。本番ではきっちりと仕上げてくる厩舎だけに侮ってはいけないと思う。それにダートでしか結果を残していなかったアグネスデジタルをいきなりマイルCSで勝たせているように、芝適性を見抜く眼力もあると思う。白井調教師が芝適性も高いと判断しているのだから、芝でも大丈夫なのだと思う。
 6番手△はココナッツパンチである
 弥生賞でアドマイヤオーラと僅差の勝負をしたのだから当然に高い評価が必要である。なぜここまで評価を下げたのかといえば単純にオッズが低いからである。なので気持ちとしては対抗○くらいの気持ちではいる。でも、それなら1点とか2点勝負くらいで馬券を買わないと意味がない。広く流すのであれば、やはり評価は落とすしかない。この馬の不安はやはりキャリアが浅いことである。これまではうまくいったが、G1の厳しい流れに戸惑って力を出し切れないということもあると思う。
 7番手△はフサイチホウオーである
 ここまで無傷の4連勝中で重賞を3勝している実績を考えれば、ここで1人気になっても不思議ないというか、なるべき存在といえる。そういう意味では2人気なら馬券的にはかなりおいしいということになると思う。でも、共同通信杯からのローテーションはやはり気になる。父ジャングルポケットが同じローテーションで負けているということもあるが、当初からダービーを勝つことしか考えていない印象を受けるのが最も気になる。ダービーを勝つための叩き台としか考えていない馬がG1を勝つことができるのかかなり疑問である。なので私は押さえまでの評価とした。
 8番手△はフライングアップルである
 朝日杯と共同通信杯でだいたい底を見せた印象を受ける。前走のスプリングSで勝てたのは相手が弱かっただけということではないか。G1級というほどの大物感も感じないだけに、ここで連対は難しいと私は思っている。でも、前走の勝ちが成長によるものであれば、ここでは勝負になるという考え方はできる。G1で人気薄を2着に持ってくるのがうまい横山典ということもあるし、消すことはできなかった。
 9番手△はヴィクトリーである
 まだキャリア3戦なので分からないことが多い馬であるが、前走きっちり勝っていること、フサイチホウオーと好勝負を演じたことがあること、血統も良血であることなどを考えれば、ここでもチャンスはあるとは思う。ただ、ここまでの感じだと、大物感という点ではもう一つというのも否めない。鞍上がカッチーというのもG1ではちょっと不安である。今回はさすがに厳しい戦いになるのではないかと思っている。
 10番手△はナムラマースである
 これまでの戦績はなかなかのものである。決め手もかなりあるタイプであるし、そういう意味ではチャンスはそれなりにあると思う。でも、なんというか私には大物感みたいなものがもう一つ伝わってこない。いつも伸びてはくるが、結局は届かないというような競馬が多い気もするし、ワンパンチ足りない印象がある。不器用な感じもあり、中山2000mでの適性も疑問である。前走も相手が弱かっただけという感じもするし、私はけっこう厳しい戦いになると思っている。
 11番手△はアサクサキングスである
 きさらぎ賞を勝ちきったのだから当然にチャンスはあると言っていいと思う。5着に敗れたラジオNIKKEI杯はこの馬の良さを生かせてなかったわけだし、そこで負けたことで評価を落とすのは危険だとは思う。でも、きさらぎ賞からのローテーションはちょっと開きすぎという感じはするし、きさらぎ賞は展開にかなり恵まれたという印象が強い。今回は単騎の逃げはないだろうし、そうなると直線での決め手勝負になる可能性が高いだけに、この馬の決め手では上位に食い込むのは厳しいように感じたのでこの評価にした。
 たぶん馬券的にはここまでで大丈夫だと思っているが、どうであろうか。

G1-皐月賞

アサクサキングス
(牡3・武幸57)
買い H19きさらぎ賞1着。
前走きさらぎ賞を勝っているというのは大きな実績である。近年はこのレースを勝ってクラシックで活躍するケースが目立つ(昨年はドリームパスポートとメイショウサムソンが1着2着だった)だけに、この馬の期待も当然に高くなる。ラジオたんぱ杯では5着に負けたが、それでも勝馬とは0.4秒差だから巻き返せる範囲内といえる。このときは初めて抑える競馬を試みて、瞬発力に欠けることを学んで、きさらぎ賞では逃げる作戦をとって結果を出しており、今回もこの馬の良さが生きるような積極的な競馬ができれば、チャンスは大きくなるはずだ。4戦3勝という勝率も立派なものだし、百日草特別では後に京成杯を勝ったサンツェッペリンを完封している。G1を勝ちきっても不思議ないだけの実績は残しているといえる。
消し 前走のきさらぎ賞を勝っているというのは当然に凄いことではあるが、重賞ウイナーは他にもいるだけに、重賞を勝っているだけでは、絶対的存在にはなり得ない。特にラジオたんぱ杯では5着に負けており、フサイチホウオーやヴィクトリーには力の違いを見せつけられたという評価もでき、逆転は難しいという考え方もできる。きさらぎ賞は新馬を勝ったばかりのオーシャンエイプスが1人気になるくらいのメンバー構成だっただけに、レースレベルもそれほど高くなかったといえるかもしれない。先行して押し切るレースで持ち味を発揮するタイプなので、どうしても決め手に欠ける印象がある。G1という大舞台でも大きくは崩れないとは思うが、馬券圏内に食い込むためにはもう少し決め手がないと苦しいような気もする。
アドマイヤオーラ
(牡3・武豊57)
買い H19弥生賞1着、H19シンザン記念1着。
前走の弥生賞で勝ちきっているのは当然に高い評価が必要である。TRを勝ったのだから当然に今回の主役級ということになる。レース内容も、早めに仕掛けて後続の追撃を悠々と退けたのだから、かなり強かったと言っていいと思う。中京2歳Sとシンザン記念では上がり33秒台で走っているように、決め手もしっかりしているタイプであるし、気性的に折り合いも問題ないようである。前走で距離2000mが問題ないことも証明したわけだし、中山コースを経験できたことも大きい。鞍上も武豊であるし、マイナスらしいマイナスがないというのがこの馬の今回の魅力といえる。
消し マイナスらしいマイナスがないというのは確かではあるが、大物感という点ではもう一つという感じもする。桜花賞馬ダイワスカーレットを相手に好勝負していたといっても、しょせん相手は牝馬であるし、弥生賞もそれほど強いメンバーが揃ったという感じでもなかった。つまりは、たまたま相手が弱かったり、体調不十分だったから勝つことができたが、今回のような大きな舞台だと相手も強くなるし、体調も整えてくるだろうから、この馬が100%の走りをしたとしても勝てないということもあるかもしれない。中山2000mはけっこうトリッキーなコースなので、枠順や展開によって大きく変わるということもある。
ヴィクトリー
(牡3・田中勝57)
買い H19若葉S1着、H18ラジオNIKKEI杯2着
昨年のラジオNIKKEI杯で2着しているが、デビュー2戦目でフサイチホウオーとクビ差の競馬をしたのだからかなり高い評価が必要である。その後はしばらく休んで前走の若葉Sで復帰したわけであるが、そこできっちりと勝ちきり権利を取っている。1人気で結果を出していることからも、器の違いを見せつけたと評価していいだろう。これで3戦2勝で負けたのも重賞2着だから、まだまだ底を見せていないといえるだけに、本番でもかなりのパフォーマンスを期待できる。先行脚質なので好位で競馬ができるというのも強みであり、安定度の高い走りができるはずだ。リンカーンの半弟という良血馬でもあるし、大物感もかなり感じられる。
消し キャリア3戦なので分からないことの方が多いが、重賞2着1回とオープン特別1勝という実績は、悪くはないが、G1の裏付けとしてはもう一つパンチが足りないというか、他の重賞ウイナーと比べるとどうしても見劣りしてしまう。ラジオNIKKEI賞は展開に恵まれた感じもあったし、フサイチホウオーには着差以上の力の差を見せつけられた感じもあった。若葉Sはメンバー的にレベルが低かったようにも感じられた。このように、強さがもう一つアピールされていないということもある。先行脚質なので決め手に欠ける印象もあり、こういう大きなレースでは4着5着に負けるタイプのようにも感じる。鞍上がカッチーというのも微妙である。
エーシンピーシー
(牡3・柴田善57)
買い 前走のスプリングS3着で今回の権利をとった。勝馬から0.3秒差の勝負だっただけに逆転も可能な範囲内と言っていいだろう。前々走のセントポーリア賞も例年強い馬が揃うレースであり、それをきっちりと勝ちきったのだから、それなりに強いと判断していいはずだ。ダイワメジャーもスプリングS3着から皐月賞を制覇しているし、それ以前はこれといった実績を残していたわけではなかった。そういう意味では、この馬だってこの大一番で大仕事をやりとげても不思議はないということになる。
消し 前走のスプリングSで3着しているのはそれなりに評価する必要があるが、勝ったフライングアップルがそれまで重賞では勝ちきれないレースが続いていただけに、レースレベルが低かったという評価も十分にできる。そうであれば、そのレベルの低いレースで3着に負けているようでは、本番でさらに上を目指すというのはかなり厳しいということになる。重賞オープンは他に経験がないので、何とも言えない部分も残るが、G1でも通用しそうだという走りを実際に見せていないのだから、厳しい戦いになると考えるのが一般的だろう。好位から競馬をするタイプで3着に負けているということは、決め手もそれほどでもないということになるし、大物感もあまり感じられない。
ココナッツパンチ
(牡3・吉田豊57)
買い H19弥生賞2着
前走の弥生賞で2着したわけであるが、前々走が新馬戦つまりデビュー戦を勝ったばかりで、いきなりの重賞挑戦だったにもかかわらず2着したというのはかなり凄いことである。3着が朝日杯FSを勝ったドリームジャーニーだったことを考えても、価値ある2着だったといえる。キャリア2戦でこれだけの走りができたのだから、3戦目となる今回はさらに大きな成長を遂げている可能性がある。つまり、今回はアドマイヤオーラの上にいくということも十分に考えられるということである。新馬戦でも上がり33秒台で走っていたし、弥生賞でも後方からかなりの切れ味を見せていたので、決め手もしっかりしていると言える。勢いもかなりあるし、大物感もそれなりに感じる。
消し 前走の弥生賞で2着だったのをどう考えるかであるが、アドマイヤオーラに完敗という内容だっただけに底を見せてしまったという考え方もできる。相手は自分で競馬を作っていたということを考えれば、展開としてはこの馬の方が競馬はしやすかったはずであり、それで負けたということは、実力負けということになるのではないか。まだキャリア2戦だけというのも不安としては小さくはない。今回はフルゲートの多頭数の競馬となるだけに、ポジション争いなど激しい攻防になるだろうから、キャリアの浅さが命取りになる可能性もある。さらに相手が強化されるわけだし、前走と同じような競馬では太刀打ちできないのではないか。
サンツェッペリン
(牡3・武幸57)
買い H19京成杯1着。
今回と同じ条件である中山2000mの重賞・京成杯を勝っているというのは大きな実績である。ホープフルSで2着していることからも、コース適性はかなり高いといえる。京成杯では先手を奪ってそのまま逃げ切り、ホープフルSでは中団からの競馬で2着だから、どんな競馬でもできるというのも強みといえる。前走のスプリングSでは8着に敗れたが、急仕上げで陣営も覚悟していたことからすれば、想定の範囲内といえ、一叩きされた上積みは大きく、本番では大きく変わってくるはずである。距離延長も大きなプラスである。切れ味はいまいちという感じはするが、スタミナがあって持続力のある決め手を持っている馬なので、上がりがそこそこかかる展開になれば、この馬の良さが生きると思われる。
消し 京成杯を勝っているのは確かに凄いことではあるが、メンバー的にみてレースレベルが高かったようにも思えなかった。ホープフルSではニュービギニングに完敗という内容だったし、そのニュービギニングはその後はこれといった結果を残していないだけに、ホープフルSもレースレベルが低かったと評価するのが妥当かもしれない。瞬発力に欠けるところがある馬なので、決め手勝負になると脚質的に苦しくなりそうでもある。大物感もそれほど感じないし、前走の8着もどんな理由があるにしろ負けすぎという感じがする。叩かれた上積みは見込んでいいとは思うが、上位に食い込めるところまでは難しいのではないか。
ドリームジャーニー
(牡3・蛯名57)
買い H19朝日杯FS1着。
なんといっても昨年の2歳チャンピオンである。その朝日杯を勝ったときは、先行馬が粘るところを最後方から直線だけの競馬で差し切ったのだから、力が違ったという評価が妥当だと思われる。前走の弥生賞では3着に敗れたが、勝負どころで不利があったし、休み明けだったことを考えれば、3着でも上々の滑り出しと言えるだろう。距離が長いために3着に負けたという考え方もできるが、父ステイゴールド、母父メジロマックイーンという血統を考えれば、マイラーとは到底考えられない。朝日杯も東京スポーツ杯3着からの巻き返しだったのだから、一叩きされば走りが一変するはずである。決め手がしっかりしているというのは大きな武器であるし、G1の厳しい競馬の方がこの馬の良さが生きるという考え方もできる。朝日杯の勝馬はクラシックで勝てないというジンクスをここで打ち破ってほしいものである。
消し 前走の弥生賞で3着に負けているのは判断としては微妙である。2歳時はともかく現時点ではこれがこの馬の実力であり、一叩きされた上積みがあったとしても、逆転までは難しいという考え方も十分にできる。それに、この馬はゲートの出が悪いという問題があるうえに、気性が難しく東京スポーツ杯では前半に少し仕掛けたらガーッといってしまったこともある。前走の弥生賞でも難しいところが見えた感じもあっただけに、気性的にアテにできないところがある。朝日杯の時のように最後方でじっとしていればいいのかもしれないが、2000m戦だと最後方から追い込むというのはかなり厳しいものである。結局のところ、この馬は現時点ではマイル適性の方が高いという考え方もできるのではないか。とにかく、ポテンシャルは高そうな感じはあるが、不安な要素も多いだけに、絶対的な信用はおきづらい馬である。
ナムラマース
(牡3・藤岡佑57)
買い H19毎日杯1着、H19札幌2歳S1着、H19きさらぎ賞2着など。
重賞を2勝している実績はかなり凄いと評価しないといけない。他にもきさらぎ賞で2着、ラジオNIKKEI杯で3着とクラシックの登竜門と言われるレースでそれなりの結果を出しており、ポテンシャルの高さは十分に証明している。しかも、ラジオNIKKEI杯では不利があっての3着であるし、きさらぎ賞は勝馬にうまく逃げられての2着であり、いずれも実力を出し切っての結果とも言えないのだから、能力的にはG1級という評価もできる。それを証明するかのように、毎日杯では貫禄勝ちを演じており、勢いという点でも高く評価できる。直線のゴール前での伸びはかなりのもので、決め手もしっかりしている馬である。この大舞台でも見劣りすることはないと言っていいだろう。
消し 実績としてはなかなかのものではあるが、ラジオNIKKEI杯ときさらぎ賞で負けていることで、なんとも中途半端というか、強そうなんだけど、大きなところではパンチ不足というイメージを持ってしまう。毎日杯を勝っているといっても、相手が弱かっただけという評価もできるので、G1の裏付けには厳しいとも言える。ちぐはぐな競馬が多いというか、不器用なところがある馬なので、多頭数のレースでうまく立ち回れるか心配であるし、トリッキーな中山2000mのコース適性も疑問である。中2週のローテーションもちょっと厳しい感じがする。大きなマイナスが少ないという感じもするが、かといって大きな魅力もこれといってないという感じがするのが微妙なところである。
ニュービギニング
(牡3・四位57)
買い H18ホープフルS1着。
この馬の魅力はなんといってもあのディープインパクトの半弟ということである。血統的裏付けは文句なしと言えるだけに、秘めている素質はかなりのものかもしれない。これまでのレースではまだその本当の実力を出し切っていないだけということも十分に考えられる。ホープフルSでは最後方からの競馬で直線だけで差し切るという兄のような競馬をして、素質の片鱗を見せているわけだし、本当の実力を出し切ることができれば、兄弟制覇ということもあるかもしれない。前走の毎日杯で調子が戻ってきたようにも感じるし、調子はさらに上がっているという考え方もできる。こういう良血馬は大舞台に強いという感じもするし、一発を期待してもいいと思う。
消し 2戦目でホープフルSを勝ったまでは良かったが、共同通信杯4着、すみれS7着、毎日杯3着とG1の裏付けとしては物足りない結果ばかりである。ホープフルSを最後方から差し切っているといっても、上がり35秒台で差し切れていることからすれば、単に展開に恵まれただけ、もしくは相手が弱すぎただけという考え方が一般的だと思われる。重賞ではだいたい底を見せてしまったという感じもするし、意外に瞬発力がないという感じもする。良血だから走るとは限らないし、これまでの実績でG1で巻き返すというのはかなり難しいと思う。
フェラーリピサ
(牡3・岩田57)
買い H19ヒヤシンスS1着。
ダートだったとはいえ、前々走のヒヤシンスSで2着に4馬身差という圧勝を演じた馬である。競争能力という点で高いポテンシャルを持っているのは間違いない。前走のスプリングSでは9着に負けているが、芝適性がダメという以前にイレ込んでしまい能力を出せなかっただけという評価をすべきなので、前走だけで芝適性を否定するのは危険である。新馬戦では芝で2着しているわけだし、レースに集中することができれば芝でもかなりのパフォーマンスを期待していいと思う。特に白井調教師は狙ったレースにきっちり合わせてくるのが巧い。TRでは惨敗していてもG1ではきっちり巻き返してくる調教師だということは覚えておいた方がいいと思う。
消し 前走のスプリングSで9着というのはさすがに負けすぎだろう。ふつうに考えれば、やはり芝適性がいまいちということだと思われる。気性の問題だとしても、今回は落ち着いて走れるという保証もないわけだから、今回もイレ込んで同じように負ける可能性の方が高いのではないか。とにかく芝の重賞で好走したという実績がないのだから芝のG1で通用するとは考えづらい。
フサイチホウオー
(牡3・安藤勝57)
買い H19共同通信杯1着、H18ラジオNIKKEI杯1着、H18東京スポーツ杯1着。
4戦4勝で重賞を3連勝中という実績は今回のメンバーにおいては当然に最上位の実績である。重賞3勝とも2着とはそれほどの差ではなかったが、いずれもゴール前では他馬と同じ脚色かそれ以上の伸びを見せていたので、着差以上の強さというか、もう少し距離があっても抜かれることはなかっただろうという印象だった。レースセンスもすばらしい馬で、好位からでも競馬ができるタイプであり、どんな展開にも対応できるという器用さも持ち合わせている。ゆったりしたローテーションもレース間隔が詰まっているよりは良いと思う。鞍上が大舞台に強い安藤勝騎手というのも非常に心強い。
消し やはり共同通信杯からのローテーションが一番気になる。ハクタイセイがきさらぎ賞からの臨戦で勝ったのが最長間隔であり、それより長いローテーションというのは不安としては大きいと言わざる得ない。まして、そのハクタイセイだってかなり前の話である。さらに、父ジャングルポケットも共同通信杯からの参戦で3着に敗れたという因縁もあるだけに、この馬なら大丈夫とも言いきれないのである。それに、今まで無敗といっても着差としてはそれほどでもなかった。ディープインパクトのように大きな差をつけて勝っていれば、ちょっとくらいの不利でもなんとかするだろうが、僅差の勝負ばかりだったことを考えれば、ちょっとした不利とか、流れが合わないとかでも、負けることはあり得るものである。絶対的と思われたウォッカが桜花賞で2着に負けたのがいい例である。
フライングアップル
(牡3・横山典57)
買い H19スプリングS1着、H18東京スポーツ杯2着。
前走のスプリングSを勝っているが、TRを勝ったのだから当然に高い評価が必要だ。これまで重賞で2着4着3着と惜しいレースが続いたが、やっとその実力を証明することができた。しかも、最後方からの競馬となってしまい苦しい展開だったところを直線だけで差し切ったのだから、実力が違ったと評価していいと思う。これまでもフサイチホウオーと僅差の勝負をするなど、強いレースはしていただけに、本番となる今回もチャンスは大きいはずだ。もともと先行して良い走りをしていた馬なので、追い込みしかできないわけではない。かえってレースの幅が広がったという意味で、どんなレースにも対応できる柔軟さが武器となりそうだ。1戦ごとに成長していて本格化したという印象もあるだけに、本番もこの勢いで連勝してしまうということも十分にありそうだ。
消し 前走のスプリングSを勝っているが、メンバー構成からすると、レースレベルはそれほど高くはなかった感じもする。タイムもそれほど凄いというわけでもなかったし、最後方から追い込んでいる割には上がりのタイムもそれほど速いものではなかった。考えようによっては、最後方からの競馬もかえって展開的に恵まれたという考え方もできる。東京スポーツ杯、朝日杯、共同通信杯と大きくは負けてはいないものの、勝馬とは着差以上の強さを見せられているという感じが強いだけに、スプリングSのメンバー相手には勝ちきれても、本番ではその着差以上の強さを見せられた相手と再び戦わなければいけないのだから、当然に厳しい戦いになる。前走で追い込んでいるので決め手があるようなイメージがあるかもしれないが、もともとは先行して伸びない馬だったし、前走も上がりのタイムはそれほどでもなかったのだから、どちらかといえば決め手に欠けるタイプと評価した方がいいと思う。
マイネルシーガル
(牡3・後藤57)
買い スプリングS2着、ジュニアC1着など。
オープン特別2勝で、重賞で1連対という実績はまあまあと評価できる。とりあえずTRで2着したのだから本番で通用しても不思議ないだけの実績は残したと言っていいだろう。朝日杯FSも勝馬から0.4秒差の6着とそれなりに頑張っているし、まったくのノーチャンスという馬ではないと思う。ジュニアCから2ヶ月開けてスプリングSを走らせており、今回に合わせて調整されてきているというローテーションも好感が持てる。一叩きの上積みは大きいだろうし、当然に前走以上の競馬を期待していいはずだ。先行してしぶとく粘る競馬を得意としており、安定度もそこそこ期待できる。
消し 実績だけみれば通用しても不思議はないという感じはするが、オープンを勝っている時も僅差の勝負ばかりで、強さがもう一つ伝わってこなかったし、重賞で負けている時は決め手の違いを見せつけられたという感じで、着差は僅かでも完敗という内容という感じだっただけに、なんというか大物感という感じがせず、G1で好走できるほどの器ではない感じを受ける。決め手に欠ける脚質も魅力が小さい要因である。1800mまでしか経験がないし、マイラーという印象もあるだけに、距離2000mもどうだろうか。
メイショウレガーロ
(牡3・福永57)
買い H19京成杯2着。
500万特別のベゴニア賞を勝った時の内容が強かったことで、京成杯では初めての重賞挑戦だったにもかかわらず1人気に推された馬である。結局キャリア不足がたたって2着に甘んじたが、それでも重賞できっちり2着は確保したのだからポテンシャルの高さは証明したといえる。そこからゆったりとしたローテーションで弥生賞に向かい4着という走りをみせた。朝日杯FSの勝馬ドリームジャーニーと僅差の勝負だったことを考えれば、内容としては悪くはなかったといえるし、勝ったアドマイヤオーラから0.4秒差なら巻き返せる範囲内とはいえるはずだ。使われるたびに良くなってきていることも感じるし、弥生賞のレベルが高かったとすれば、この馬にもチャンスは大きいといえる。
消し 前走の弥生賞であるが、4着に負けたというのはけっこう痛いと思う。1着、2着馬には決定的な差をつけられたという評価もできるし、不利のあったドリームジャーニーに先着できなかったということは、ドリームジャーニーにも力の違いを見せつけられたという評価になると思う。京成杯もメンバー的にはけっこうレベルが低かったと思われるだけに、そこで勝てなかったというのはどうかと思うし、結局のところG1で通用するだけの器ではないということになりそうだ。決め手もある方だとは思うが、G1を勝ちきるにはちょっとパンチ不足という印象があるだけに、展開の助けがあってにしても馬券圏内まではどうかという感じもする。
モチ
(牡3・川田57)
買い H19若駒S1着。
2000mのオープン特別を勝っているのだから条件としては合っていると思われる。その若駒Sを勝った時は逃げ切っているわけだが、弥生賞では抑える競馬で惨敗していることを考えれば、ハナを切ってこそ味の出るタイプで、単騎で逃げることができれば最後まで粘りきるということも十分に考えられる。そういう意味では展開による一発を期待してもいいかもしれない。
消し 若駒Sを勝っているが、メンバーを考えるとそれほどレベルが高くはなかったように思う。タイムも良くなかったし、2着との着差もハナ差と際どいものだっただけに、重賞級の器はないと言っていいのではないか。それを証明するように前走の弥生賞では10着に負けている。いくらなんでも負けすぎといえるだけに、さらにレベルが高くなるG1で巻き返しを期待するというのはあまりに酷だと思う。決め手があるタイプでもないというのもきつい。
ローレルゲレイロ
(牡3・藤田57)
買い H18朝日杯FS2着、H19アーリントンC2着、H18デイリー杯2歳S2着など。
重賞勝ちはないものの重賞で4回も2着しているというのはけっこう凄いことである。特にG1の朝日杯FSで連対しているのだからG1で格不足ということはあり得ない。好位からしぶとく伸びるのがこの馬の持ち味であるが、2000mくらい距離があった方がこの馬のようなタイプはかえって良いのではないか。今まで勝ちきれなかったのが嘘のような走りを見せてくれるかもしれない。それに大舞台で強い馬はいるもので、G1になると強い走りをするタイプかもしれない。安定度は期待できそうなので、勝てないまでも馬券圏内ならばという考え方もできる。
消し G1で2着しているといっても2歳時のものだけに3歳春の裏付けとしてはもう一つという感じがする。3歳になってからはシンザン記念で3着、アーリントンCで2着とG3で勝ちきれないレースが続いたわけであるが、朝日杯組以外に完敗という内容だっただけに、朝日杯のレベルがそれほど高くなかったということかもしれない。あるいは、この馬の成長力がいまいちということかもしれない。とにかく3歳重賞のレース内容からはそれほど強さは感じられなかった。それに距離経験がマイルまでというのもかなり気になる。初めての2000mというのはやはり大きなマイナスと考えた方がいいだろう。重賞で4度2着というのも、それだけ勝負弱いという印象が強く、こういうタイプは3歳以降のG1で上位にくるのは難しいのではないか。
ブラックシャンツェ
(牡3・上村57)
買い 前走500万特別とはいえ勝っているので勢いは感じる。この時期の3歳馬は急成長を遂げることもあるだけに、ここにきて極端に強くなっているということもあるかもしれない。2400mで勝っているのでスタミナはかなりありそうだ。G1だと厳しい流れになることもあるだけに、スタミナが必要なタフな展開になればチャンスは出てくるかもしれない。前走の上がりタイムは34.2だったのだから決め手もそれなりである。
消し 前走500万を勝ったばかりというのは実績としてはさすがに寂しいものである。これが無敗というのであれば、まち違うのであるが、500万で5着4着5着と勝馬から離されて負けているレースを続けた馬だけに、重賞級の実力があるようには感じられないし、ましてG1で通用するレベルとは考えづらい。前走は2400m戦だったのでスタミナはあるのだろうが、2000mだとスピード能力も重要な要素となる。とにかく一般的に考えて、G1で好走できそうな要素があまりに乏しいと言わざる得ない。
サンライズマックス
(牡3・池添57)
買い 前走の若葉Sで2着して今回の出走権をゲットした。未勝利を勝ったばかりだったことを考えれば、よく2着まで頑張ったと思う。1戦ごとに内容が良くなっているだけに、この馬の成長力はなかりのものだと評価していいだろう。前走もヴィクトリーをクビ差で捕まえられなかったが、3着には3馬身も離しているのだから強い競馬だったと思う。タイムもけっこう優秀な方だと思うし、けっこう強い馬なのではないか。こういうタイプはG1のような厳しい流れの方が持ち味を発揮できる感じもする。
消し 前走の若葉Sで2着だったのをどう評価するかであるが、同じTRでもやはり重賞の弥生賞とスプリングSの方に強いメンバーが揃うだけに、どうしても若葉Sのレベルは少し低くなるものである。そこで2着に負けたところからG1で巻き返すというのはけっこう厳しいのではないか。未勝利を勝ち上がるまでに4戦を要しているので、大物感も感じられない。重賞が初めてというのも気になるところである。

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