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G1-スプリンターズSの反省


時間の都合上簡単にさせていただきます。
アストンマーチャンが見事な逃げ切りで勝つという結果となった。まずは、レース回顧であるが、不良馬場になったことで、切れ味勝負の馬にはかなり厳しい状況だったといえる。だから中館騎手はためらいもなく思い切った逃げを打てたのだと思う。そうでなければ、あそこまで無謀に近いペースでは逃げられないだろう。他馬もさすがに速すぎると判断して追いかけなかったのだと思う。そして、道悪の適性が高かったことと、阪神JFで2着に粘れるほどのスタミナがあったことで、ゴールまでしっかりと走りきったということだろう。数年前のカルストンライトオも同じように逃げ切っているが、道悪だから逃げ馬が有利という単純なことではないと思う。道悪の適性が高かったということは大前提だろうが、半端ではないスピードを持っていなければ、あそこまでの芸当はできないものである。スピード能力が半端でなかったからこその勝利だったと評価すべきだろう。ただ、道悪が大きな味方となったのも事実だとは思う。良馬場であれば、他馬のもっと追いかけただろうから、もっと厳しい競馬になったはずである。来年のスプリント戦線がアストンマーチャン中心になるかどうかは今回のレースだけでは分からないと思う。

参考
G1-スプリンターズSの予想
結論

 ◎ペールギュント
  ○エムオーウイナー
  ▲アイルラヴァゲイン
  ×プリサイスマシーン
  ☆アグネスラズベリ
   △サンアディユ
   △アストンマーチャン
   △クーヴェルチュール
   △スズカフェニックス
   △キングストレイル

買い目(馬連)合計1,500円
  BOX−1,2,3,8,11(各100円)
  軸11−6,7,14,15,16(各100円)

にへいの見解
春の高松宮記念も混戦であったが、今回もかなりの混戦模様である。実績馬はけっこうぶっつけ本番という状況でもう一つ信用できないし、夏のスプリント重賞を勝って勢いにのる上がり馬ももう一つ大物感がないという感じである。でも、16頭のうち1頭は必ず勝つのだから、その馬をなんとか探すしかないのだが、どうせどの馬も絶対的な信用をおけないのであれば、人気のない馬から勝負して高配当を狙う方が得策だと思う。人気になっている馬から勝負してハズレるよりも、人気のない馬から勝負してハズレる方がまだましだし、どちらで勝負してもそれほど確率が変わらないのであれば、たまたま的中となった時に高配当の方がおいしいということになる。
こういう時は基本はボックスで勝負するしかない。人気になっているのが先行タイプが多いことを考えれば、高配当を託すのは中団から差せる馬ということになる。そういう脚質を考慮して5頭を選択した。まずは本命◎であるが、やはりG1実績がある方が信用しやすいということもあり、ペールギュントかプリサイスマシーンにしようと思い、8歳馬のプリサイスマシーンは年齢的にどうかと思ったので、5歳馬のペールギュントにした。他の3頭は、いずれも今年重賞を勝っている面々である。オーシャンSを勝ったアイルラヴァゲイン、函館SSを勝ったアグネスラズベリ、シルクロードSを勝ったエムオーウイナーである。今年の重賞を勝っているのだから、あとは体調とか、力を出し切れる状態にあるかというところだと思う。私はこの3頭であれば、けっこうチャンスはあるのではないかと思っている。あとは、念のため人気になっている面々を押さえることにはした。

全出走馬の好材料と不安材料
馬名等 良馬or悪馬 好材料と不安材料
サンアディユ
(牝5・川田55)
当日
0:29現在
1人気

悪馬
買い 前哨戦のセントウルSを勝ったのは大きい。3走前にはアイビスSDを勝っているが、これで芝は3戦2勝でその2勝がいずれも重賞ということになる。芝に替わって大化けした典型的な例であるが、こういうことはあまりないだけに、かなりのレアケースとはいえる。とにかく前哨戦を勝ったことで、今回の最有力候補になったといえる。勢いは非常に感じるし、芝ではまだまだ底を見せていないだけに、一気にG1制覇と言うことも十分にあり得る。
消し この馬の問題点はもまれ弱いことのように感じる。直線競馬だともまれづらいし、前走も気持ちよく走れたことで好走に繋がったということではないか。G1だとどうしても流れというか、道中の駆け引きが厳しいものになるだけに、この馬が最後まで集中して走れるかどうかという不安はある。前々走の北九州記念で7着に負けているということもあるし、絶対的に強いというレベルでもないと思う。夏場を使ってきたので、そろそろ疲れが出そうという不安もある。
スズカフェニックス
(牡5・武豊57)
2人気

悪馬
買い なんといっても今年のスプリンターズSを制した馬である。G1級の能力は間違いない。その高松宮記念では2着に2馬身差という決定的な差をつけているだけに、今のスプリント戦線では1枚力が抜けているのかもしれない。そういう意味では休み明けでもなんとかしてしまうということも十分に考えられる。後方から差す競馬を得意としており決め手もしっかりしている。鞍上が武豊だけに、高松宮記念の時のように絶妙な仕掛けでスプリントG1を連勝するということも十分にあり得る。
消し 休み明けというのが最大の問題である。もともとは毎日王冠を狙っていたようだし、インフルエンザの影響で入厩が遅れたということもある。仕上がりとしては万全ではないと考えた方がいいのではないか。それにこの馬は東京コースや中京コースといった左回りを得意としている印象がある。中山コースでどうかという不安も大きい。高松宮記念はうまく勝てたとはいえ、もともとはマイル前後で活躍した馬である。スプリントの適性はやっぱりいまいちということも考えられる。
アストンマーチャン
(牝3・中館53)
3人気 買い 昨年のファンタジーSで圧勝を演じて阪神JFで1人気に推された馬である。その阪神JFでもウォッカの2着という走りをしているし、桜花賞TRのフィリーズレビューでは再び力の違いを見せつけた。桜花賞では7着に敗れたように、マイルでは少し距離が長いと思われるだけに、この馬の本質はスプリンターと考えていいだろう。まだまだ成長途上の3歳馬という若さは魅力であるし、まだまだ底を見せたとは言えない。今年の3歳牝馬はレベルが高いだけに、古馬相手のG1で通用しても不思議ないはずだ。
消し 前走の北九州記念で6着に負けているというのはかなり気になる。やはり古馬相手ではまだまだ実力不足ということではないか。今回はG1でさらにレベルが上がることも考えれば、北九州記念6着からの巻き返しはかなり厳しいということになる。1400mで強い競馬をする印象があるので、1200mだと少し距離が短いということもあるかもしれない。
キングストレイル
(牡5・田中勝57)
4人気 買い 前走の京王杯AHをハンデ57kgで快勝した。2着に1馬身差つけたし、タイムも32秒台だったのだからかなり高い評価をしなければならない。休養を挟んで2連勝ということになるし、セントライト記念勝ちも含めて中山コースで結果を出しているということもある。マイル戦でも先行できるスピードと器用さを持っているので、1200mの方がかえって競馬がしやすいということもあるかもしれない。絶対的なスペシャリストがいない今のメンバー構成であれば、十分にチャンスがあると考えていいだろう。
消し 最大の問題は初めての1200m戦ということだろう。マイルとは流れが大きく変わるだけに、初めての流れに馬が順応できないということも十分に考えられる。そもそも2200mのセントライト記念を勝つくらいだから、1200mという短距離戦は根本的に適性がないということもあり得る。重賞勝ちもしょせんハンデG3であるし、G1級のポテンシャルを持っているという裏付けには厳しい感じもする。
アイルラヴァゲイン
(牡5・松岡57)
5人気 買い H19オーシャンS1着。今年1200mの重賞を勝っているというのは大きな実績である。しかも中山コースでのものだけにその価値は高い。中山コースであれば巻き返してくるという考え方は十分にできる。もともとNHKマイルCで3着という実績も持っているので、G1でも通用するところは見せているわけだし、マイルで好走できるくらいだからスプリントG1で必要とされるスタミナもあると考えていいだろう。
消し ここ2戦は、アイビスSDで4着、セントウルSで5着と大きくは負けてはいないものの、それでも馬券圏内にすら入れていないというのはどうなのだろうか。オーシャンSを勝てたのは相手が弱かっただけという考え方もできるし、少なくても重賞で常に勝ち負けとなるほどの絶対的な強さまではないといえる。G1で好走するためには、もう少し大物感があってもいいような気もするし、G1級の器はないということもある。
クーヴェルチュール
(牝3・後藤53)
6人気 買い 夏の福島でバーデンバーデンCを勝ち、直線の重賞アイビスSDでも3着、そして前走のキーンランドCで重賞制覇と着実に力をつけているのを感じる。3歳という若さを考えても、さらなる成長を期待していいことになるし、G1でも通用するだけの実力をつけていることも十分に考えられる。もちろん、まだまだ底を見せたとは言えない未知の魅力がたっぷりであり、ここでその実力を見せつけて、これからのスプリント界を引っ張っていく存在になる可能性もある。
消し ここ3戦の走りは確かに立派だとは思うが、すべてローカル競馬場での結果だけに、G1の裏付けとしてはもう一つ物足りないというか、格上的な存在という感じはしてこない。まだ3歳牝馬ということもあるし、古馬G1の厳しい流れに対応するには、もう少しキャリアを踏む必要があるのではないか。精神的に脆い牝馬ということもあるし、絶対的な信用を置きづらいものである。中山1200mのフェアリーSで1人気で10着に負けているというのもちょっと気になる。
ペールギュント
(牡5・上村57)
7人気

良馬
買い 今年の高松宮記念で2着した実績を持つ。このときが初めての1200m戦で、スプリント能力が高かったことを証明した。その後もスプリント路線で安定した走りを見せており、完全にスプリンターとして素質開花と言っていい。それまではマイルを中心に使われていたように、スタミナも豊富であり、G1のような厳しい流れの方がかえって能力を発揮できるという考え方もできる。そういう意味では今回はけっこうチャンスだと思う。
消し やはり休み明けがどうかである。体調が戻っているかどうか分からないのだから走らせてみないと分からない。ふつうに考えれば割引が必要だし、休み明けでG1を好走するのはけっこう厳しいものである。それに、高松宮記念で2着したものの、その後も重賞を勝っているわけではない。オープン特別を1勝しただけというのはちょっと物足りないものを感じる。高松宮記念はたまたま2着できただけで、常にG1で好走できるほどの実力はないかもしれない。
プリサイスマシーン
(牡8・安藤勝57)
8人気 買い 今年は阪急杯を勝って高松宮記念では2人気に推された。その高松宮記念でも3着に入り馬券圏内はきっちりと確保している。昨年もスワンSを勝っているし、阪神Cでも2着しているだけにG1級の能力は間違いない。混戦で絶対的な存在がいないこのメンバー構成ならチャンスは十分だろう。
消し まずは休み明けが大きな不安である。ふつうに考えれば割引が必要ということになる。すでに8歳という年齢も微妙であり、さすがにそろそろピークは過ぎたのではないかと思えてしまう。高松宮記念で3着だったというのも、なんかG1では底を見せた印象があっただけに、あれがこの馬の限界という感じもした。今回も好走はありそうだが、勝ち負けまではどうかという感じがしてしまう。
コイウタ
(牝4・吉田隼55)
9人気 買い 今年のヴィクトリアマイルでG1を勝っているというのが最大の魅力である。牝馬限定戦とはいえG1を勝ったのだから今回だって通用しても不思議はない。1200mだってかえって適性が高いということもあるかもしれないし、侮れない存在といえる。
消し G1を勝っているといっても牝馬限定戦だけに牡馬混合G1の裏付けにはちょっと厳しい感じもする。しかも距離が今回は1200mと大幅に短縮されるだけに、この馬の適性とは少し離れているのではないか。アメリカ帰りの休み明けということもあり、体調が戻っているかどうかという不安もある。
メイショウボーラー
(牡6・福永57)
10人気 買い 昨年のこのレースの2着馬である。昨年勝ったのが外国馬だったということは、この馬が日本では最先着だったということになる。だとすれば、中山1200mの条件であれば、今回もこの馬が好走するという可能性はけっこう高いかもしれない。特にG1で強いという印象があり、厳しいレースの方が真価を発揮するタイプといえるかもしれない。
消し 9ヶ月ぶりの休み明けというのはさすがに厳しいのではないか。春に走っていて3ヶ月の休み明けというのとは大きく違うと思うし、体調が本調子に戻っているかどうかも分からない。けっこうムラがあるというか、アテにできないところがある馬でもあるし、この状況で昨年と同じ結果を求めるのはけっこう酷ではないか。
アグネスラズベリ
(牝6・角田55)
11人気 買い H19函館SS1着、H19キーンランドC2着、H19阪神牝馬S2着。
昨年のヴィクトリアマイルで5着して重賞級の力があることを証明し、今年に入ってからは阪神牝馬S2着、函館SS1着など安定して結果を残せるようになってきた。これだけの実績があればポテンシャルとしては十分に通用するはずだし、勢いとしても悪くはない。前走は9着に敗れたが、今回のレースを見越して仕上げを甘くしたということだってあり得るだけに、今回は巻き返してくるかもしれない。
消し 前走のセントウルSで9着に負けたというのはあまりに痛い。それまで良い走りを続けていただけに、不可解な負け方に感じられる。最も納得のいく答えは「疲れ」あるいは「調子落ち」ということになる。だとすれば、巻き返しはかなり厳しいということになる。G2、G3だと好走できるが、G1だと実力不足ということも考えられる。
オレハマッテルゼ
(牡7・蛯名57)
12人気 買い 昨年の高松宮記念を勝った馬である。1200mのG1を勝っているという実績は当然に高い評価をしないといけない。G1級のポテンシャルは間違いないといえ、あとは実力を出し切れるかどうかだけである。実力を出し切ることができれば、結果は当然についてくることになるだろう。
消し 昨年の春はかなり強い競馬をしていたのは確かであるが、その後はこれといった結果を残していない。今年の高松宮記念でも5着はしていたが、それでも昨年の勢いを考えれば物足りない走りであった。年齢的なことも考えれば、昨年がピークであり、徐々に力が衰えてきているということかもしれない。しかも、前走のセントウルSでは11着に終わっている。一叩きされた上積みを考慮したとしてもG1で馬券圏内までを期待するのはどうだろうか。左回りを得意としているというのも気になるところである。
ローエングリン
(牡8・四位57)
13人気 買い ジャックルマロワ賞で2着、香港マイルで3着、2年前の安田記念で3着、さらに3年前の宝塚記念でも3着とG1での好走があるのだからG1級の能力は間違いない。今年も中山記念を勝つなどまだまだ力が衰えていないことは証明している。スピードがあるので距離短縮は問題ないし、逃げることも差すこともできるタイプなので、1200mであれば好位差しというオーソドックスな競馬でかえって強い競馬を見せてくれるかもしれない。
消し これまで多くの重賞で好走している馬ではあるが、年々力が落ちている感じは否めない。好走はしても以前ほどの迫力みたいなものを感じなくなっているし、ピークは過ぎたと考えていいのではないか。1200mもCBC賞を走った時に惨敗しているので距離適性はあまりないと判断すべきではないか。今回は休み明けということもあるし、厳しい条件が多すぎるように感じる。
アンバージャック
(牡4・柴田善57)
14人気 買い 昨年の京阪杯を勝った馬であるが、500万から4連勝で一気に重賞制覇までいった馬であり、こういう芸当は能力が抜けていないとできないものである。そういう意味ではG1でも通用するだけの能力を持っている可能性は十分といえる。まだ4歳という若さからも底を見せたとは言い難い。レース間隔が開いたことで、きっちりと立て直しているという期待もできるし、一発あっても不思議ない存在とはいえる。
消し 京阪杯を勝ったまでは良かったが、それ以降は目立った活躍はしていない。福島民報杯勝ちもしょせんオープン特別だからG1の裏付けには厳しい感じがする。前走の函館SSでは16着と惨敗しているし、昨年のような勢いは感じられない。高松宮記念で13着に負けていることも考えれば、G1で通用するだけの実力はないという考え方もできる。
エムオーウイナー
(牡6・池添57)
15人気

良馬
買い 今年のシルクロードSを勝っている馬である。このときは2着に1馬身以上離すという強い競馬を見せた。そのため高松宮記念では3人気に推されたくらいである。そういう意味ではG1でも通用するポテンシャルを持っている可能性は十分であり、勝ち負けしても不思議ない存在ではある。
消し 前走のセントウルSで14着というのはあまりに痛い。休み明けならまだしも叩かれ2戦目でこの負け方だと本番での巻き返しを期待するのはかなり厳しいということになる。勢いのあった時に挑んだ高松宮記念で7着に負けているくらいだから、そもそもG1級のポテンシャルはないという考え方もできる。
タマモホットプレイ
(牡6・石橋脩57)
16人気 買い 重賞2勝、オープン特別2勝という実績を持つ。3年前のスワンSで別定G2を勝っている実績もあるし、今年のシルクロードSで2着だから能力が衰えたわけでもない。G1では結果を出していないが、この馬の魅力は何と言っても豪快な追い込みである。ハイペースで前崩れの展開になるようであれば、この馬の末脚が爆発するということもあるかもしれない。とにかく一発の魅力は十分である。
消し 重賞2勝はどちらも京都コースだったので、この馬は京都コースを得意としている印象が非常に強い。逆に言えば京都コース以外では走らないということである。G1で好走したこともないので、G1では底を見せてしまっている印象が強い。追い込み脚質なのでどうしても展開に左右されるし、G1となると先行馬もそうは崩れないだけに、この馬くらいの末脚ではG1では通用しない感じもする。

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