前ページに戻る
G1-高松宮記念の反省

時間の都合上簡単にさせていただきます。
全体の感想(レース・馬券など)
まずはペールギュントの2着好走にかなり驚いた。今回勝ったスズカフェニックスもそうであるが、近年はこのレースで初めての1200mなのに結果を出すというパターンが多くて本当に困る。混戦模様だったからこのような結果もありだとは思うが、今振り返ってもペールギュントの好走を予想するのはあまりに難しい。こういうこともめずらしくないのが競馬であるのはよく理解しているつもりではあるが、ペールギュントがいなければいちおう的中していただけに、けっこう悔しい気持ちが残ってしまう。まあ、こういう時は事故だと思って諦めるしかない。レースについて感じたのは、道悪の影響だとは思うが、外の馬の方が伸びていたということである。直線の内側を走った馬は最後の最後で失速していただけに、コース取りも影響したと思う。道悪の巧拙もあるが、騎手のコース取りが勝敗を大きく分けたようにも感じた。
スズカフェニックス
2着に2馬身以上の差をつけたのだから完勝と言っていいだろう。この馬がここまで強いとは正直なところかなり驚いている。いつもは後方から競馬をする馬が中団のポジションだったことに、まずは驚いた。この時点で「この馬にやられたかも」とは思っていた。ここらへんは武豊の巧さとしか言いようがない。たぶん、今までは気性的に後方で折り合いに専念したのだろうが、1200mであれば無理に抑えなくても最後まで走りきれると踏んだのだろう。だから、いつもよりも積極的な競馬ができたのだと思う。そういう適性も踏まえたうえで武豊は短距離路線を進言したのかもしれない。あとは直線でのコース取りである。インは「伸びない」と踏んだのだろう。早めに先行集団を捕まえにいった割には、けっこう外のコースを選んで走らせていた。こういうところも武豊の緻密なところだと思う。今回で言えば、多くの騎手が「インでも伸びる」と思っていたと思う。でも、武豊は「外の方が伸びる」と判断したのだと思う。このあたりが武豊の勝負に対する厳しさというか貪欲さというか、そういうものを感じた。
ペールギュント
これまでの戦績を考えれば、G1で2着というのには驚きを隠せない。いくら距離短縮がプラスに出たといっても、G1で好走できるくらいであれば、長い距離でももう少し結果が伴っても良いような気もする。となれば、距離短縮はもちろん大きなプラスだったとは思うが、スタミナが必要な道悪になったということもこの馬には大きかったと思う。それと、馬場の良いところをうまく通れたのも大きかったのではないか。次を見てみないと分からないが、今回はいろんな意味でたままた好走してしまっただけのように感じる。いわゆるフロックということであり、次回以降は危険な人気馬になるのではないか。まあ、私の考えだから的はずれだと思うけど。
プリサイスマシーン
安藤勝騎手もコメントしているが、4コーナーでもたついたのが痛かった。あれを見た時に惨敗を覚悟したのに、直線では盛り返してきただけに、あのもたつきが本当にもったいなかった。あそこがスムーズであれば2着はあったはずである。私の本命馬◎だっただけに、あまりに悔しい3着である。でもまあ、G1ではいつも好走止まりというのは、この馬のパターンだから、この馬らしいと言えばこの馬らしいと言えるかもしれない。
ビーナスライン
最後方待機のこの馬が大外を通って伸びてきたわけだが、このことからも内と外では馬場状態が大きく違っていたということがよく分かる。よく頑張っているとは思うが、開き直りの戦法がたまたまうまくいっただけという感じがするので、次回以降も過度には期待しない方がいいのではないか。でもまあ、G3くらいならいつ好走しても不思議ないだけの実力はあるとは思う。
オレハマッテルゼ
条件としては悪くはなかったはずである。昨年よりも条件は良かったと思うだけに、この5着はやはり調子の問題なのだろう。あるいは昨年がピークであり、力が衰えてきているということかもしれない。そういう意味では今後もどこまで期待していいか疑問である。でも、直線で外を走らせていれば、もっと違ったかもしれないし、ちょっと早く仕掛けすぎたような感じもするので、後藤騎手がこの馬の良さを引き出せなかったということかもしれない。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G1-高松宮記念の予想
結論

◎プリサイスマシーン
 ○シーイズトウショウ
 ▲サチノスイーティー
 ×オレハマッテルゼ
  △アンバージャック
  △マイネルスケルツィ
  △エムオーウイナー
  △スズカフェニックス

買い目(馬連)合計1,000円
  BOX−1−3−11−16(各100円)小計600円
  軸11−2,8,9,12(各100円)小計400円

にへいの見解
 今回は時間がないので簡単にさせていただきます。
 本命◎はプリサイスマシーンである
 今回は絶対的な主役がいないというメンバー構成なので私もけっこう悩んだ。いろいろ考えていくと、この馬が最も条件が揃ったように感じたので選択した。まず前走阪急杯で勝っており、その前の阪神Cでも2着と最近はかなり調子が良いこと、そして昨年このレースで4着しているのだから、スプリントG1でも通用するところを見せていること。1200m戦でもG1となるとそれなりのスタミナも必要になるので、1400〜マイルでも実績があるのは心強いこと、そして最近やたら勝負強い安藤勝騎手が鞍上であること。正直なところは、道悪競馬がどうかというのがあるのだが、もともとダートで走っていた馬だから大丈夫なのではないか、切れ味のある馬の持ち味が殺される分、かえってこの馬にはプラスではないかと考えて、気にしないことにした。すでに8歳という年齢を考えると今さらG1を勝つのは難しいという感じがしないでもないが、この程度のメンバー構成であれば、なんとか勝ちきってくれると信じたい。
 対抗○はシーイズトウショウである
 とにかく中京1200mを得意としている馬である。そういう意味ではこの舞台では外せない存在である。もちろん本命◎にすることも考えたが、気になったのはG1実績がいまいちということである。得意の舞台のはずの高松宮記念でも思うように結果を出せていないし、G1に壁があるような気がしている。でも、ここまでメンバーが落ちれば、さすがに取りこぼすこともないかな、とも思ったので、いちおうこの評価にした。
 単穴▲はサチノスイーティーである
 この馬の選択をしたのは、単純に道悪の鬼だからである。昨年のアイビスSDでは2着に3馬身離したように、この馬の道悪の巧さはかなりのものである。前走のオーシャンSでは良馬場で2着と調子もかなり良い。道悪なら一発あっても不思議ない馬だと判断した。
 4番手×はオレハマッテルゼである
 昨年のこのレースのチャンピオンなのだから条件はベストである。ただ、近走の結果がいまいちだから本当はあまり評価するつもりはなかった。でも道悪となると話は別である。道悪はかなり巧いだけに、道悪ならはずしづらい。G1級の実力は間違いないわけだし、9分くらいのデキまで回復していれば勝負になるのではないか。
 5番手△はエムオーウイナーである
 2連勝した勢いは確かに怖いが、まだ重賞を1度勝っただけなのでG1では何とも言えない。この程度のメンバー構成であれば十分にチャンスだとは思うが、それも走らせてみないと分からない。それに1400mでも距離が長い感じがするくらい生粋のスプリンターという感じだが、G1となるとそれなりのスタミナが必要だと私は思う。1400mでも距離が長いというのがかなり気になった。
 6番手△はアンバージャックである
 昨秋連勝で重賞を制覇した馬である。勝ち方もけっこう強かったので、今年に入ってからの活躍を期待された馬である。ところが、今年は2戦して2戦ともいまいちの結果に終わった。ちょっと理由が分からない。単純に考えれば、G1を狙うような面子と戦えるほどの実力はまだないということかもしれない。でも、ここ2戦の結果がこの馬の実力とも思えないので、巻き返しもあるかもしれないということで押さえることにした。鞍上が横山典というのも気になった。インでじっと我慢して直線で弾けるということもあるかもしれないと思ってしまった。
 7番手△はマイネルスケルツィである
 阪神Cでも先行していたくらいだから、さらに距離が短くなるというのは、確かにこの馬にはプラスかもしれない。マイルCSで4着しているのだからG1実績も十分である。昨年のオレハマッテルゼのような感じがあるだけに、今回はかなり怖い存在であることは確かである。でも、私が最も気になるのは左回りということである。これまで惨敗は2度だけであるが、その2回がいずれも東京コースなのである。左回りを苦手としていると考えていいのではないか、と私は思う。走らせてみないと分からないことではあるが、左回りで実績のない馬をボックスに入れることはできなかった。
 8番手△はスズカフェニックスである
 この馬をあまり評価しなかった理由は、追い込み脚質であることと、1200mの経験がないことである。そして道悪になることが特に気になった。何せ最後の追い込みが持ち味の馬である。道悪になるとその持ち味が殺されることになる。初めての1200mの流れにも戸惑うかもしれないし、今回はさすがに苦戦するのではないかという判断をした。
 道悪競馬で混戦ということを考えれば、チャンスのありそうな馬はもっといるとは思ったが、あまり考えすぎると総流しをしないといけなくなるので、開き直って今回は10点までと自ら制限してみた。

G1-高松宮記念

アンバージャック
(牡4・横山典57)
買い H18京阪杯1着。
昨年4連勝で重賞まで勝ちきってしまった馬である。当初はマイル以上の距離を中心に使われていたが、芝の短距離を使うようになってその素質を開花させた。500万から重賞まで勝ち続けるというのは並の馬にはできないことであるだけに、この馬のポテンシャルはかなりのものである。ここ2戦はさすがに結果を残せていないが、まだ4歳という若さを考えれば、重賞で安定して走るレベルまでは達していないということだとは思う。でも逆に考えれば、まだまだ成長する余地を残しているということだし、前走の15着というのは力を出し切っての結果とは考えられない。4歳馬の成長力と一気に重賞まで勝ちきったポテンシャルを考えれば、この大一番での巻き返しも十分に考えられる。
消し 前走のオーシャンSで15着に負けているというのはあまりに痛い。何か理由があるにしても負けすぎという感じは否めない。昨秋は勢いで重賞まで勝ちきったが、一息いれたことで勢いが止まってしまった感じがする。それに、前走は負けすぎにしても、結局はG3を1度勝っただけの馬であることを考えれば、G1でも通用するレベルかどうかはまだ証明していないことになる。ここ2戦の負け方からすると、さすがにG1ではまだ力不足と考えていいかもしれない。なんというか大物感みたいなのがもう一つというのも気になる。
オレハマッテルゼ
(牡7・後藤57)
買い H18高松宮記念1着、H18京王杯SC1着など。 なんといっても昨年のチャンピオンであることを忘れてはいけない。好位から抜け出すという完勝という内容だっただけに、ここで力不足ということはあり得ない。前走のフェブラリーSは16着だったが、ダート戦だったのだから度外視で構わない。それにこの馬の特徴は左回りに強いことである。スプリンターズS、スワンS、阪神Cと負け続けたが、すべて右回りだったと考えれば、芝の左回りならば巻き返してくるという考え方は十分にできる。先行できるスピードと器用さも考えれば、中京1200mはこの馬にはベストの条件かもしれない。G1を勝つような馬は大舞台で強いものだし、この大一番で復活を果たすということは十分に考えられる。
消し 昨年は高松宮記念と京王杯SCを連勝したところまでは良かったが、その後はこの馬らしい走りが見られない。得意条件ではなかったということもあるとは思うが、それにしても負けすぎという感じがしてしまう。急成長でG1を勝ってしまった場合、G1を勝った時点がピークで、その後は成績が落ちてくるというパターンはけっこうあるものなので、この馬も引退までG1で好走することはないのかもしれない。特にこの馬のように極端に結果が悪くなる場合は、G1を勝った時のつらさを覚えていて、精神的に全力で走らなくなるとか、メンタル的なものが影響しているかもしれない。そうだとすれば、症状としては深刻であり、G1の大舞台での復活を期待するのはあまりに厳しいことになる。まあ、そうでないにしても、勢いがないというのは事実であり、歳を1つとったことも加味しても昨年と同様のパフォーマンスを期待するのは難しいのではないか。
エムオーウイナー
(牡6・小牧太57)
買い H19シルクロードS1着。
前走のシルクロードSを勝っており勢いは非常に感じる。準オープン、重賞と連勝したわけだし、今が最も充実している時と言っていいだろう。スプリント戦線はこういう勢いのある馬が、そのまま勢いに乗って勝ってしまうこともあるだけに、こういう上がり馬は非常に魅力的である。しかも、前走は2着に1馬身以上離すという完勝と言っていい内容だった。今の中心馬不在という状況も考えれば、ポテンシャルとしても上位にあると考えていいかもしれない。1400mでも距離が長いという生粋のスプリンターであるし、小回りも苦手としていないタイプなので、条件としても申し分ない。
消し 前走で重賞を勝っていることはもちろん立派なことではあるが、まだ1勝だと何とも言えない部分も残る。やはり1回だけだと、まぐれというかたまたま流れが向いただけとか、どうしてもそういう可能性も残ってしまう。それに、同じメンバーで同じコースであれば問題ないかもしれないが、メンバーは一気に強くなるわけだし、コースだって大きく変わるだけに、前回と同じ競馬ができるかどうかは分からない。特に前走はメンバー的にそれほど強くはなかったと思うだけに、G1のメンバーでは苦戦を強いられるかもしれない。あとは、G1となるとけっこうスタミナも要求されるものなので、1400mでも長いという距離適性ではスタミナ切れをおこすかもしれない。
サチノスイーティー
(牝4・吉田隼55)
買い H18アイビスSD1着、H19オーシャンS2着
昨年夏のアイビスSDで2着3馬身差という圧勝を演じている馬である。直線1000mでこれだけの競馬ができるのだから、この馬のスピード能力はかなりのものである。その後もそこそこの走りはしていたが、前走のオーシャンSで2着したことで、改めてこの馬の強さを証明したといえる。以前はスピードの任せて先手を奪うレースが多かったが、ここにきて好位で競馬ができるようになったのも大きい。前哨戦で2着できたわけだし、1着のアイルラヴァゲインが出走してこないことを考えれば、この馬が最先着しても不思議はないということになる。まだ4歳という若さも魅力だし、1戦ごとに強くなっているのも感じる。先行脚質なので小回り平坦コースも合っていると思うし、けっこうチャンスは大きいのではないか。
消し アイビスSDを勝っているが、このときは斤量51kgだったうえに、雨が降って馬場が悪くなったことが勝因だと思われるだけに、G1の裏付けとしてはあまり参考にしない方がいいと思われる。その後は、まあまあと言えばまあまあの結果ではあるが、G1の裏付けとしては寂しいものだし、前走の2着も結局は負けているわけで、G1級の器の大きさまではちょっと感じられない。前走はメンバー的に弱かった感じもあるし、メンバーが強化されることを考えれば、それほど強気にはなれないと思う。4歳牝馬ということもあるし、キャリアのある牡馬相手にG1を戦うのはけっこう厳しいのではないか。
シーイズトウショウ
(牝7・池添55)
買い H18セントウルS1着、H18CBC賞1着、H18キーンランドC2着、H18函館SS2着など。
昨年はCBC賞とセントウルSで重賞を勝っているが、いずれも中京コースだったことを忘れてはいけない。昨年の高松宮記念でも3着していたわけだし、中京コースをかなり得意としていることは明らかである。これまでデュランダルやサニングデールなどの強いスプリンターを相手に好勝負していたわけだし、それを考えれば、今年のメンバーはかなり弱いようにも見えるだけに、今年こそは念願のG1制覇に手が届くかもしれない。先行できる脚質なので安定度も期待できる。とにかく過去の実績を考えれば今回は大きなチャンスである。
消し 今回のこの馬の不安は大きく3点だと思う。1つめは休み明けということである。これまでも休み明けは結果を出せないことも多く、一叩きされてから良くなる傾向なので、休み明けというのはけっこう大きな不安である。2つめは年齢である。今までよく頑張ってきたとは思うが、今年で7歳になるだけにピークはすでに過ぎたと考えるべきではないだろうか。一気に力が落ちるとは思わないが、それでも徐々に力は落ちているとも考えられるだけに、ここで生涯一番の結果を残すのは難しいのではないか。3つめは、これまでもG1では結果を残せていないことである。これまでもG1を勝つチャンスはあったと思うが、けっこう完敗という内容で負けているだけに、結局のところG1級の器ではないと言えるかもしれない。となれば、今回も能力的に上位進出は難しいのかもしれない。
スズカフェニックス
(牡5・武豊57)
買い H19東京新聞杯1着
前々走の東京新聞杯で上がり33.3というかなりの決め手をみせて初重賞制覇を成し遂げた。昨秋に準オープンを勝ち上がったばかりということを考えれば、かなりの成長力と言っていいと思う。前走の阪急杯でも上がり33.9という決め手を見せており、3着に敗れたものの勝馬とハナ差という際どいものだっただけに、改めてこの馬の力を証明したと言っていいと思う。今回は1200m戦となるが、G1となるとそれなりのスタミナが必要なものである。マイラーが好走するケースも多く、スタミナがあるというのはかえって大きなプラスと考えるべきである。瞬発力はかなりのものを持っているだけに、激しい先行争いで前の馬が直線で失速するようであれば、この馬の末脚が爆発するということは十分にあり得ることである。
消し やはり1200mの距離がどうかだろう。これまでマイル前後の距離で結果を出してきた馬だけに、やはり短すぎるとどうしても考えてしまう。それにスプリント戦となると距離が短いだけに先行馬もそうはばてないものである。追い込み脚質のこの馬にとっては、前の馬を捕まえきれないのではないか、という不安はどうしても感じてしまう。まして中京の小回りで直線が短いコースだけに、追い込み馬にはあまりに厳しい条件である。直線に坂がないことを考えても、先行馬を捕まえるのはかなり大変だと思う。それにG1初挑戦だから、G1級の器があるのかどうかも走らせてみないと分からない。前走も結局は3着に負けているということを考えても、G1級の器はなく、厳しい流れに対応できず惨敗に終わるということもあるかもしれない。
スピニングノアール
(牡6・福永57)
買い H19尾張S1着。
暮れの尾張Sでオープン特別を勝っている。準オープンから連勝したということは、本格化したと考えていいだろう。前走のオーシャンSも4着にはきているし、重賞でも戦えることは証明している。ここで戦えなくはない実績は残しているとはいえる。尾張Sは中京1200mと今回と同じ条件だっただけに、中京1200mを得意としているということかもしれない。コース実績があるというのは魅力の1つとはいえる。昨年暮れから成長してきているのを感じるので、勢いもそれなりには感じる。後方からの追い込みを得意としている馬で決め手はしっかりしている。厳しい流れになって先行陣が崩れるようであればチャンスは広がる。
消し 実績がオープン特別を1勝しただけというのは、G1で好走するための裏付けとしては寂しいものがある。シルクロードSは11着に負けているわけだし、前走のオーシャンSも4着に負けている。さらにメンバーが強化されることも考えれば、まだまだG1で勝負できるだけの実力はないと考えていいのではないか。追い込み脚質なのでどうしても展開に左右されるので安定度も期待できない。G1となると先行馬もそうはばてないし、この馬よりも決め手のある追い込み馬もいそうなので、展開に恵まれたとしてもどうだろうか。
スリーアベニュー
(牡5・田中勝57)
買い H19ガーネットS1着。 ダートとはいえ前走ガーネットSで重賞を勝った。間隔は開いたが、ここにきて実力をつけてきたということだと思うので、成長という意味で勢いは感じる。道悪のダートで後方から豪快な追い込みを決めていることからすれば、芝適性も十分にあると思われるというか、かえって芝の方がこの馬の決め手が生きるかもしれない。そういう未知の魅力はある。
消し やはり芝が初めてというのは大きな不安である。ダートで結果を出してきたことを踏まえれば、ダート適性の方が高いと考えるのが一般的だと思うし、芝未経験の馬がこういう大きなレースで結果を出したというのは私の記憶にはない。それに、たとえ適性が高いにしても、初めてというのは馬もそれなりに戸惑うだろうから、実力を出し切るというのは難しいのではないか。レース間隔が開いているというのも不安であるし、フェブラリーSを目指していたのを軌道修正していることからも、調整にも疑問を感じる。
タマモホットプレイ
(牡6・渡辺57)
買い H19シルクロードS2着、H18シルクロードS1着、H16スワンS1着、H19淀短距離S1着など。
3走前に淀短距離Sを勝ち、前々走はシルクロードSで2着しているように、まだまだ力が衰えていないことを証明している。3年前のスワンSで別定G2を勝ったという実績を持っているわけだし、G1でも通用するだけの能力はあると考えていいだろう。前走のオーシャンSは5着に負けているが、追い込み脚質ということもあり、もともと安定して結果を出すタイプではない。G1の厳しい流れであれば、先行陣が総崩れということも考えられ、後方で脚を貯めていたこの馬が直線で一気に伸びてきて一発かますということは十分にあり得る。勢いはそれなりに感じられるし、混戦の今回のメンバー構成であれば、チャンスは十分といえる。
消し 前述したとおりムラのあるタイプでアテにできないところがある。どちらかというと追い込み一辺倒のところがあり、どうしても展開に左右されるということもあるが、気分屋で走る気がないと押しても前に行かないところがあり、そういう気性的な難しさを持っている馬である。こういうタイプはいつ走る気を出すか分からないだけに、安定度はとても期待できない。それに今までもG1では掲示板にも載ったことがないことからすれば、G1では単純に実力不足と考えていいのではないか。前走のオーシャンSで8着というのも負けすぎという感じがするし、勢いもそれほど感じない。年齢的にもピークは過ぎているようにも感じるし、ここで生涯一の結果を期待するのは酷ではないか。
ビーナスライン
(牝6・秋山55)
買い H18函館SS1着。
昨年の函館SSで13頭立ての13人気でありながら、2着のシーイズトウショウに2馬身以上離す強い競馬で勝ってしまった。これだけの競馬ができるのだからポテンシャルはかなりのものを持っていると言っていいだろう。この馬の魅力はなんと言っても後方から豪快に追い込んでくる末脚である。直線の短い函館コースでシーイズトウショウを楽々と交わしてしまうのだから、この馬の決め手はかなり凄い。その後は良くて3着という感じではあるが、こういう決め手のあるタイプは一発ありそうで怖いものである。特にG1となると流れが厳しく先行陣が崩れやすいだけに、この馬のような直線勝負の馬には願ってもない展開になりやすいものである。さらに、この馬が惨敗を喫しているのは、東京、中山、阪神であり、好走しているのは函館、札幌、京都である。このことから考えられることは、この馬は直線に坂があるコースを苦手としているのではないか、ということである。今回は直線が平坦な中京コースなので、好走を期待していいかもしれない。
消し まずは前走のオーシャンSで7着に負けていることである。G1の前哨戦ということを考えると、掲示板にも載れなかったというのはちょっと問題だと思われる。休み明けというわけでもないのだから、叩かれて一変ということも考えづらいし、少なくても勢いはあまり感じない。実績としても、函館SSで重賞を1勝しているだけだし、それ以外ではシルクロードS3着、キーンランドC3着までで、G1で好走するためにはちょっと中途半端な実績という感じがする。追い込み一辺倒という脚質だからどうしても展開に左右されるし、メンバーもここ2戦と比較すると、一気に強くなっているだけに、ここで生涯一の結果を残すことを期待するというのは、けっこう酷ではないか。
プリサイスマシーン
(牡8・安藤勝57)
買い H19阪急杯1着、H18スワンS1着、H18阪神C2着など。
前走の阪急杯を勝っているのはもちろん大きな材料である。前哨戦を勝っているのだから本番でも当然にチャンスということになる。それに近走は阪神C2着、スワンS1着とかなり調子が良いのを感じる。G1のマイルCSでも6着で走っているし、かなり充実しているのを感じる。今回は距離が1200mとなるが、昨年のこのレースで4着という実績もあるので問題はないはずだ。1400mで強い競馬を見せていることを考えれば、かえって短距離の方が合っているのかもしれない。鞍上も勝負強い安藤勝騎手だから心強い。これといった主役がいないこのメンバー構成であれば、この馬が実績上位といえるし、当然にチャンスは大きいということになる。
消し 前走勝っているし、近走の結果もまあまあなので、目立ったマイナスはないとはいえる。でも、これまでG1では好走はするが馬券には絡んでいないというレースが多いだけに、なんというか大物感がいまいちというか、単なる善戦マンというか、つまりはG1を勝ちきれるほどの器ではないのかもしれない。1400mで結果を出すことが多いので、本質的には1200mは距離が短いようにも感じる。すでに8歳という年齢も気になるところで、さすがにピークは過ぎたと考えた方がいいのではないか。成長力のある若い馬に勢いの違いを見せつけられるということもありそうだ。少なくても抜けて強いというレベルではないだろうから、ちょっとした不利や、位置取りの違いで着順を落とすことは十分に考えられる。
ペールギュント
(牡5・上村57)
買い H17シンザン記念1着、H16デイリー杯2歳S1着。
朝日杯FSで3着、NHKマイルCで4着というG1実績を持っている馬である。NHKマイルCでは1人気だったわけだし、ポテンシャルとしてはG1級の可能性を秘める。古馬になってからはこれといった結果を残せていないが、惨敗することが多かっただけに、能力を出し切れていないと考えるべきだろう。今回は思い切って距離を短縮して挑戦してきたわけだし、この判断が功を奏して、この馬の本当の実力を引き出すことができるかもしれない。そういう未知の魅力はある。
消し 古馬戦線では実績を残していないというのが現状である。オープン特別はそこそこの結果は残しているが、重賞となると2桁着順も多いだけに、古馬重賞級の実力はないと判断するのが妥当ではないか。1200mというのも実績がないわけだし、そんなにうまくいくものでもないだろう。G1好走も2歳限定と3歳限定だけであるし、結局は勝っているわけではないのだから、古馬G1の裏付けには厳しいものがある。ふつうに考えれば、だいたい底を見せてしまったと言っていいのではないか。
マイネルスケツルィ
(牡4・柴田善57)
買い H19京都金杯1着、H18NZT1着
今年は京都金杯で見事に逃げ切り勝ちをおさめて幸先の良いスタートを切った。昨年のマイルCSで4着というG1実績もあるし、G2の阪神Cでも3着と好走しており、トップクラスの実力は間違いない。1400mの阪神Cでも先行していたくらいだから、この馬のスピード能力はかなりのものであり、1200mに距離が短縮されるのは、折り合いを気にしなくて良い分だけかえってプラスかもしれない。近年はマイル実績のある馬が好走する傾向にあり、1200mとはいえG1となるとそれなりのスタミナは必要になるということだと思われ、そういうデータもこの馬には心強いものである。まだ4歳という若さだからさらに成長している可能性も十分であり、世代交代を高らかに宣言したいところだろう。
消し まずは休み明けということである。年内に1回走っているとはいえ、約3ヶ月ぶりのレースだからレース勘が戻っていないかもしれないという不安は小さくはない。これがG1を勝っている馬であれば、能力の違いで何とかするということも考えられるが、3歳限定重賞とハンデ重賞を勝っているだけという実績では、不安は拭えない。次に距離である。1400mの阪神カップで3着しているとはいえ、1200mは未経験だけに未知数としか言いようがない。阪神カップで3着ならさらに距離が短い今回はそれ以上の結果を期待するのは難しいという考え方もできる。また、G1はマイルCSで4着しているとはいえ、馬券圏内には届かなかっただけに、G1級の器ではないという考え方もできる。さらに、NHKマイルC10着、富士S13着と惨敗を喫した2つのレースの共通点は東京コースということである。単純に考えれば、左回りが苦手ということかもしれない。だとすれば、同じ左回りの中京コースでは再び惨敗ということも十分に考えられることになる。
モンローブロンド
(牝5・岡部誠57)
買い 2歳時にファンタジーSで2着という重賞実績は持っている。昨年の夏には1000万と準オープンを連勝している実績もあり、条件戦では力の違いをみせているだけに、G1でも何とか通用するだけの力を持っている可能性はある。前走は13着に敗れたが、休み明けだったしダート戦だったことを考えれば、やむ得なかったといえる。一叩きされた上積みは当然にあるだろうし、芝に戻るのだから走りはガラッと変わるはずである。今回は絶対的な存在がいない混戦模様なだけに、うまく流れに乗ることができれば、一発あっても不思議はないといえる。
消し 準オープンを勝ち上がるまでは良かったが、その後は福島民友C、京阪杯ともに惨敗を喫した。ふつうに考えれば、オープンで戦えるだけの実力はなかったということだと思う。前走もダートとはいえ13着に終わっているし、大きく成長したようにも感じない。G1の裏付けとなるような実績はないに等しいだけに、ここでの好走を期待するのはあまりに酷だと思われる。逃げるとか追い込むとか極端な競馬をするタイプでもないので、展開による一発も期待しづらい。
コスモフォーチュン
(牝5・川島55)
買い H18北九州記念1着。
重賞を1勝しているのだからまったく通用しないというレベルではないはずだ。その北九州記念では2着に1馬身以上離したのだから内容としても強かった。逃げようと思えば逃げることもできるスピードを持っている馬であるし、うまく気分良く走らせることができればG1でもそれなりにやれるのではないか。
消し 今年に入って3戦しているが、すべて2桁着順というのはさすがに問題だろう。勢いは感じないし、巻き返しはかなり厳しいのではないか。重賞勝ちの北九州記念はローカル重賞であるし、ハンデ戦だったことを考えれば、G1の裏付けにはちょっと寂しい。近走は持ち味の先行力も見られないし、ちょっと頭打ちという感じがする。当然にメンバーはさらに強くなるわけだし、かなり厳しい戦いになると考えるのが一般的だろう。
ディバインシルバー
(牡9・穂苅57)
買い ダートではけっこう実績のある馬であるが、前走のシルクロードSでハナを切ったように、芝でもそのスピード能力の高さは見せてくれた。今回は2度目となるわけだし、前走からの上積みを期待してもいいかもしれない。相手は強くなるが、自分のペースで逃げることができれば、あるいは、他の馬を先に行かせて2番手からの競馬ができれば、前走とは違う粘りを見せてくれるかもしれない。そういう意味では、展開に恵まれれば一発かますということもあるかもしれない。
消し ダートでそこそこ頑張った馬ではあるが、9歳になった今ではダートでもちょっと頭打ち状態が続いている。だから芝に挑戦してきたのだろうが、それで好走できるほど甘いものではない。前走のシルクロードSも逃げて7着に負けているし、芝適性はそれなりだったとはいえるが、かといってG1で好走できるレベルには見えなかった。そろそろ年齢的に引退を考えないといけないから、記念にG1を走ってみるという感じもするし、本気で勝とうと思っているとは思えない。ここではさすがに苦戦を強いられると考えるのが一般的だと思う。
リキアイタイカン
(牡9・中館57)
買い H17青函S1着、H13CBC賞1着、H14スワンS2着など。 数年前となるが高松宮記念で3着している実績を忘れてはいけない。マイルCSでも3着という実績を持っているし、別定G2のCBC賞を勝ち、スワンSで2着という実績もある。とにかく輝かしい実績を持っており、G1級のポテンシャルは持っていると考えていい。近走は1年以上休んだあとだったこともあって、結果がもう一つであるが、前走のオーシャンSで久々に5着して復活の兆しを見せてくれた。中京コースはCBC賞を勝った思い出のコースでもあるし、高松宮記念でも3着したことがあることも考えれば、条件としてはかなり得意としていると考えていい。直線だけで追い込んでくる鋭い末脚を武器にしている馬だけに、先行陣が総崩れとなるような展開になれば、この馬の末脚が爆発するということもあるかもしれない。
消し 以前は確かに強い競馬をしていた馬であるが、4年前の高松宮記念で好走して以降は、重賞ではこれといった結果は残していないだけに、年齢的なことを考えても、ピークはとっくに過ぎたと考えていいのではないか。前走5着というのは悪くはないとは思うが、かといってG1でも好走できるという裏付けにはかなり厳しいものがある。勢いもそれほど感じることはできないし、以前のような迫力もなくなっているように感じる。このG1の大舞台で復活を期待するのはさすがに酷だと思う。
キーンランドスワン
(牡8・吉田稔57)
買い H17高松宮記念2着、H16シルクロードS1着、H15淀短距離S1着など。
一昨年の高松宮記念で2着しているのだからG1級の実力はすでに証明している。その前の年の高松宮記念でも3着していることからすれば、中京コースをかなり得意にしていると考えていいだろう。G2G3の結果が悪くてもG1できっちり走ってくるところもあり、G1のような厳しい流れの方が良さが出るタイプかもしれない。後方からしぶとく差してくるのがこの馬の持ち味であるし、流れが向けばチャンスはあるかもしれない。近走は障害を走っていたようであるが、これが良い気分転換になったかもしれないので、久々の平地で以前のような強い走りを見せてくれるかもしれない。
消し 2年前くらいから極端に戦績が落ちているのはかなり問題である。ほとんどが2桁着順であり、ふつうに考えればピークが過ぎたということだと思われる。最近は障害を走っている始末だし、とてもG1で巻き返せるとは思えない。もともとG1では勝ちきれないというか、勝馬には決定的な負け方をしていた馬なので、こういう大舞台で復活するというイメージも沸かない。年齢的にもけっこうきているし、この歳で生涯一の走りを期待するのは酷だろう。

前ページに戻る