前ページに戻る
G1-宝塚記念の反省


時間の都合上簡単にさせていただきます。
牝馬でダービーを制したウォッカがどんな競馬を見せてくれるかが、今回の最大の見所だったわけであるが、結果は8着と惨敗に終わってしまった。私も凱旋門賞のためにも何とか勝ってほしいと思っていたが、やはり現実は甘くはなかった。ただ、今回はこの馬は実力を出し切っていないと思う。前半からかなり掛かっていたし、速い流れをけっこう前の位置取りだったことからも、あれで勝っていたら本当に化け物である。まだキャリアの浅い3歳牝馬があんな競馬をしたのでは、惨敗して当然といえる。今回のこの結果をどうとらえるかであるが、良い方に考えれば、凱旋門賞の前に良い経験をしたといえる。四位騎手もこの馬の脆さを知ったわけであるし、次からは今回の課題を意識した騎乗ができるはずである。つまり、凱旋門賞で巻き返しは十分に可能ということである。ただ悪い方に考えれば、絶対的に強いわけではないことを露呈したことになる。凱旋門賞ではアウェイとなるわけだし、さらに厳しい状況が予想されるだけに、日本の古馬相手でこれだけパニックになるようでは、凱旋門賞で実力を出し切れるわけがないということである。でもまあ、これで凱旋門賞に気楽に挑戦できるようになったのは確かだとは思う。私としても、もちろん勝ってくれることを期待しているが、仮に負けたとしてもそれほどショックではないと思う。凱旋門賞は3歳馬が有利ということを考えても、時期尚早なんて考えをする必要はないし、ダメもとで勝負してくるで私はいいと思う。
勝ったのはアドマイヤムーンだったが、国際舞台で活躍していることを考えれば、今回のパフォーマンスは当然のことと言っていいと思う。競り合いに強いメイショウサムソンを力でねじ伏せるのだから本当に強い内容だったと思う。今後は海外なのか国内なのか分からないが、いずれにしてもかなりの活躍を期待していいと思う。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G1-宝塚記念の予想
結論

◎ウォッカ
○アドマイヤムーン
▲ダイワメジャー
×ポップロック

買い目(馬連)合計1,200円
  BOX−2,5,6,11(各200円)

にへいの見解
 今回は時間がないので簡単にさせていただきます。
 本命◎はウォッカである
 3歳牝馬では厳しいという意見もあるとは思うが、牡馬相手のダービーを圧勝したほどの馬である。少なくても牝馬であることは忘れていいはずである。では3歳馬がこの時期に古馬に太刀打ちできるかということであるが、以前ダービーを勝ったネオユニヴァースが3歳で挑戦して負けていることを考えれば、やはり楽ではないのは確かである。でも、歴史を作った牝馬なのだから、古馬の壁も破ってほしいというのが私の正直な気持ちである。このあと凱旋門賞に挑戦するということは、日本には敵はいないという状況で挑戦しないと意味がない。であれば、ここも落とすわけにはいかない。3歳牝馬が1人気になるというのは、ある意味では異常な状況であると言えるとは思うが、私もこの馬の可能性に賭けてみたいという気持ちが強い。そういうことで危険な1人気と理解したうえで、この馬から勝負する。
 対抗○はアドマイヤムーンである
 古馬の順位付けはけっこう難しい。昨年の天皇賞秋で3着、香港カップ2着、ドバイで国際G1勝ちという実績を考えれば、この馬が最上位ということになるのではないか。皐月賞とダービーでメイショウサムソンに敗れ、天皇賞秋ではダイワメジャーに負けていることを考えれば、絶対的な強さがあるとまでは言えないし、2200mの距離も微妙に長い感じもする。でも、ドバイでダイワメジャーで勝っていることなど、海外での活躍を考えれば、やっぱりこの馬が最も強いと私は判断した。
 単穴▲はダイワメジャーである
 天皇賞秋、マイルCSそして安田記念を勝っている実績を考えれば、マイルでは無敵の強さと言えるし、有馬記念でも3着していることを考えれば2200mで長いということもないはずだ。アドマイヤムーンとメイショウサムソンに先着している実績を考えれば、今回も好走する可能性はかなり高いと私は思う。ただ、瞬発力がないタイプなので2200mだと微妙に長いかなという感じはしないでもない。ドバイではアドマイヤムーンに負けているわけだし、私はアドマイヤムーンを上にとった。
 4番手×はポップロックである
 有馬記念で2着しているということは、ダイワメジャーとメイショウサムソンに先着したということである。それを考えれば、今回だってチャンスは大きいということになる。距離2200mが短すぎるという感じは確かにするが、有馬記念で2着できる実力があれば2200mで距離が短いということはないと私は思う。少し決め手に欠けるところがあるのが気になるが、そこは武豊がうまく乗ってくれるだろう。私はけっこう期待している。
 ウォッカから勝負するのであれば何頭かに絞って流すというのが本筋だとは思うが、連敗中の私としてはウォッカを応援したい、けど馬券も外したくないという複雑な気持ちでもある。ウォッカが本当に勝ってくれれば良いだけの話ではあるが、正直リスクも大きいとは思っているので、ウォッカからの流し馬券もけっこう怖いと思っている。なので弱気にボックスにしてしまった(^_^;)
 メイショウサムソンを外してしまったが、ボックスであればこれ以上は手を広げられないためにやむ得ず消したということである。有馬記念でポップロックとダイワメジャーに敗れていることを私は重視した。その後の対戦がないので現時点での力関係は分からないとは言えるが、大阪杯と天皇賞春を勝てたのは相手が弱かっただけということもあると思う。海外でも好走している相手ではやはり厳しいのではないか、というのが私の判断である。

G1−宝塚記念
(簡単バージョン)
メイショウサムソン
(牡4・石橋守58)
H19天皇賞春1着、H18日本ダービー1着、H18皐月賞1着、H19大阪杯1着など。
昨年の2冠馬であるが、昨秋はいまいち結果を出せなかった。そのため単なる早熟馬という疑念があったが、今春は大阪杯で幸先良いスタートを切り、続く天皇賞春でしぶとく勝ちきり見事に復活を果たした。G1を3勝という実績はここでは当然に格上の存在ということになるし、前走もG1を勝っているのだから体調もかなり良いと考えていいだろう。そういう意味ではこの馬が凡走に終わるということは、あまり考えられないということになる。ただ、昨秋の負け方からすると、この馬は競り合いには強いが、瞬発力勝負になると弱いところがあるようにも感じる。後ろの馬が切れる脚を使えない展開であれば、絶対的な強さを発揮する反面、直線だけのヨーイドンの競馬になると、瞬発力のある馬に太刀打ちできないという感じである。そういう意味では、意外に展開に左右されるタイプといえると思う。あまり過大に評価するのも危険かもしれない。
コスモバルク
(牡6・五十嵐冬58)
H18シンガポール国際1着、H16ジャパンC2着、H16セントライト記念1着、H16皐月賞2着など。
昨年のシンガポール遠征で国際G1を制覇していること、3年前のジャパンCで2着していることを考えれば、ポテンシャルは間違いなくG1級である。そういう意味では今回のレースを勝ちきったとしても何の不思議もないということになる。この馬の問題点は安定度がないことである。好走する時は強い競馬を見せるのに、負けるときはあっさりと大きく負けることも多々ある。前走はシンガポール国際で2着だったが、これもシャドウゲイトには完敗という内容だったので評価が微妙である。以前は勝っても負けてもインパクトがあったが、今は年齢のせいか負けるにしても中途半端だし、好走するにしても中途半端という感じで、なんとなく魅力が小さくなってきているようにも感じる。ただ、こういう馬は忘れた頃に大爆発しそうな気もするので、そういう怖さはもちろんある。地方所属馬としてクラシック戦線を賑わせた頃の勢いはさすがに感じられないが、もう一花どこかで咲かせてくれるのではないだろうか。
アドマイヤムーン
(牡4・岩田58)
H19ドバイマイル1着、H19京都記念1着など。
昨年の皐月賞で1人気に推されながら4着に敗れ、ダービーでも不発に終わったため底を見せたと思われたが、秋になると天皇賞秋で3歳馬ながら3着、香港カップで2着、そしてドバイマイルで国際G1制覇と一気に国際G1級に上り詰めた。これだけの実績があるのだから、この馬の実力どおりの走りさえできれば、当然に勝ち負けということになる。問題は「実力を出せるのか?」ということだろう。春の香港ではけっこう疲れていたようにも見えただけに、そこから体調が回復できているのかというのが大きな不安となる。海外遠征を2戦消化したあとだけに、目に見えない疲れが残っているということも十分にあり得る。さらに日本ではまだG1を勝っていないということもある。海外では好走したが、日本の馬場が合わないとか、日本の競馬場での適性がいまいちであれば、日本のG1は勝てないということも考えられる。1770mのドバイを勝っているので、距離も2000m以下の方が合っているかもしれない。アドマイヤオーラ同様に武豊から岩田に乗替となったのも判断が難しい。
アサクサキングス
(牡3・松岡53)
H19日本ダービー2着。
前走ダービーで2着という結果を残しG1でも通用するところを見せた。マイペースの逃げで粘りきったことからも自分のペースで走れれば強い競馬ができるということだと思う。どちらかというと不器用な感じでゆったりと走るのが合っている感じもするので、少し距離が長くて広いコースが合っているということかもしれない。とはいえ、前走はやはり展開に恵まれたというか、どの馬も競りかけてこなかったのがこの馬には良かったのだと思う。皐月賞やNHKマイルCでは惨敗しているように、馬群の中での競馬だと持ち味が出ないというか力を発揮できない印象もあり、古馬G1の2200m戦ではさすがに前走のような競馬はさせてもらえないのではないか。3歳馬なので斤量が軽いという恩恵もあり、今年の3歳馬は強いということもあるかもしれないので、走らせてみないと分からないというのも確かではあるが、古馬の1級線が相手だとさすがに厳しいという感じはする。
アドマイヤメイン
(牡4・川田58)
H18ダービー2着、H18青葉賞1着など。 昨年のダービーで2着した実績を持つ。このときはハナを切って自分のペースに持ち込み、最後はメイショウサムソンに交わされたもののクビ差という接戦を演じた。菊花賞でも速い流れの逃げを自ら作り出して3着という結果を残しているし、G1でも通用するだけの走りは見せている。前走の金鯱賞では10着に敗れたものの、休み明けということを考えればやむ得ない。もともと小回りコースは苦手としているところもあるし、ハナを切れないと弱いところがある馬だけに、前走の結果はあまり気にしなくていいかもしれない。単騎の逃げで自分のペースで走れればかなりしぶといところがある馬だし、一叩きされた上積みも見込めるのだから、今回は一変があっても不思議はない。とはいえ、有馬記念では9着に敗れていることもあるし、安定度が低いことは否めない。展開に左右されるというか、自分のリズムで走れないともろい馬だけに、再び惨敗ということも十分にあり得る。古馬と対戦するようになってからはまだ好走がないというのも気になるところで、古馬G1では通用しないレベルということも考えられる。
インティライミ
(牡5・佐藤哲58)
一昨年のダービーで2着している馬である。このときはディープインパクトに完敗したものの、早め早めの積極的な競馬で3着以下には決定的な差をつけていただけに、この馬のポテンシャルはG1級であると考えていいはずだ。ところが、ダービー以後はこの馬らしい走りが見られなくなった。ときどき好走はしているが、相手を考えれば勝ちきらないといけないケースも多く、かなりの長い期間スランプに陥っていたと言っていい。今年もちぐはぐな競馬が多く結果を出せていなかったが、前走の金鯱賞では最後まで諦めない走りで3着と復活の兆しを見せた。休み明けだったから今回は一叩きの上積みも見込めるし、いよいよ復活を期待してもいいかもしれない。とはいえ、前走もG2で3着に負けているわけだから、G1ではさすがに厳しいという感じは否めない。古馬G1の実績はないわけだし、走りが良くなっているといっても、G1で上位に食い込めるほどの期待は酷ではないか。気性的にムラがあるところもあるので安定度は期待できないし、また自分の走りをすることができず惨敗に終わるということも十分に考えられる。
ウォッカ
(牝3・四位51)
H19ダービー1着、H18阪神JF1着、H19桜花賞2着など
前走のダービーを牝馬で勝つというとんでもない偉業を達成した馬である。しかも2着に3馬身差で、上がりタイムも33.0というのだからとんでもない強さである。牡馬相手でも強い競馬ができることはすでに証明しているだけに、ここでも見劣りすることはない。3歳限定では牡馬相手に勝てても、古馬相手ではそうはうまくはいかないかもしれないという考え方はもちろんできる。そういう意味では負けることも十分にあり得るとは思う。しかし、斤量51kgということを考えれば、古馬相手でも十分に勝負になるという考え方は十分にできる。このあと凱旋門賞を目指すことを考えれば、いくら古馬相手でも負けるわけにはいかないということもあると思う。しょせん3歳牝馬と考えるのか、歴史を作った馬に常識は通じないと考えるのか、とにかくこういう挑戦は見てる方は楽しみである。
カワカミプリンセス
(牝4・武幸56)
H18オークス1着、H18秋華賞1着など。
昨年はG1で2勝しているが、エリザベス女王杯は1着入線からの降着なので、実質的にはG1を3勝ということになる。中団からきっちりと抜け出すオーソドックスな競馬でG1を勝っているだけに、この馬のポテンシャルはかなりのものと言っていい。これだけの競馬をするのだから、牡馬相手でも十分に通用すると当然に考えるべきである。ただ、牡馬の1級線とは初対戦となるだけに、走らせてみないと分からないという部分は残る。それに、前走のヴィクトリアマイルで惨敗に終わっているのが微妙なところである。休み明けで、出遅れて、そのうえに先行馬有利の上がりだけの競馬になったのでは、仕方のない惨敗という考え方もでき、一叩きされた上積みと距離延長を考えれば、今度はきっちりと実力を出し切るということは十分に考えられる。しかし、牝馬は気持ちが乗らないと走らないところもあるので、前走の負けで馬が走ることに後ろ向きになっていれば、力を出し切れず再び惨敗に終わるということも考えられる。前走惨敗に終わっているというのは判断が難しいということである。
シャドウゲイト
(牡5・田中勝58)
H19シンガポール国際1着、H19中山金杯1着。
今年の最大の上がり馬と言っていいと思う。新春の中山金杯でいきなり7馬身差という圧勝で幸先の良いスタートを切ると、中山記念で4着、大阪杯で2着と別定G2でも通用するところを見せて、そして海外のシンガポールの国際G1に挑戦したところ見事に勝ちきってしまった。昨年の12月には1000万を走っていた馬なのだから、たった5ヶ月で一気にG1馬まで上り詰めたことになる。この馬の魅力はなんといってもその先行力である。なんでかんでハナに行かなければいけないというわけではないが、早め早めの積極的なレース運びからゴールまでしぶとく粘るというのがこの馬のスタイルである。そういう意味では自分で競馬を作ることもできるので、安定度はかなり高いといえる。とにかく、今年に入ってからの充実度はかなりのものなので、勢いはかなり感じる。ただ、G1を勝ったといってもシンガポールというのが微妙ではある。よくは分かっていないが、どうもレベルの高さがいまいち感じられない。日本のG1の方がレベルが高いのではないか、ということである。となれば、G2で勝ち切れていないことからすれば、日本のG1では通用しないということになるのではないか。瞬発力はないタイプなので、上がりが速い展開だと苦しくなるし、相手もこの馬に楽な競馬をさせてくれるとは思えない。1800mくらいが合っている感じもするので、2200mは微妙に長いということもあるかもしれない。なんだかんだで日本のG1は初挑戦なので、走らせてみないと分からない部分も多いと思う。
スウィフトカレント
(牡6・横山典58)
H18天皇賞秋2着、H18小倉記念1着など。
昨年の天皇賞秋で2着しているし、このときダイワメジャーに1/2馬身まで追い詰めたのだから、G1級のポテンシャルは間違いない。そういう意味では今回も能力的には通用すると言っていいはずだ。問題はG2G3でもなかなか勝ちきれないように、走りにムラがあるというか、好走する時とそうでない時とのギャップが大きいことである。前走の金鯱賞では休み明けで2着だから上々の内容といえ、一叩きの上積みを考えれば今回は力を出し切れるということかもしれないが、この馬のことだからあまりアテにしない方がいいということも言える。2000mで実績のある馬なので2200mは微妙に長いという感じもする。あとは鞍上が横山典騎手で、G1で2着に持ってくるという印象が強いだけに、今回もこの馬を2着に持ってくるかもしれないというのはある。昨年は夏の小倉記念を勝って勢いに乗っているので、暑い時期に強いということもあるかもしれない。ただ、G1で常に好走てきるというほどの器はもう一つ感じられないので、好走できたとしても、いろんな要素がこの馬に有利に働いた時だとは思う。つまりは、自力でG1を勝ちきるまでの力はないような感じがする。
ダイワメジャー
(牡6・安藤勝58)
H19安田記念1着、H18天皇賞秋1着、H18マイルCS1着、H16皐月賞1着など。
昨年の秋に毎日王冠、天皇賞秋、マイルCSと3連勝して、日本のマイル界の王者の地位を確固たるものとした。これだけの馬が前走の安田記念できっちりと勝ちきって貫禄を見せたのだから今回も当然に勝ち負けを期待していいことになる。2000m以下では絶対的な強さを持っているので、2200mという距離がどうかということになるとは思うが、2500mの有馬記念で3着という実績も持っているのだから、2200mで距離が長いということはあり得ないだろう。先行して押し切るというレーススタイルなので安定度も高いし、安藤勝騎手が乗るようになってからブレークしているように、相性も抜群である。昨年のダービー馬メイショウサムソンと、今年のダービー馬ウォッカを迎え撃つという立場になるが、まだまだ王者の座を譲るわけにはいかないという気持ちは強いはずである。ただ、この馬は瞬発力がいまいちなので、上がりが極端に速い競馬になると弱さを露呈するかもしれない。そういう意味では展開次第で凡走に終わるということもあるかもしれない。
トウカイトリック
(牡5・幸58)
H19ダイヤモンドS1着、H18阪神大賞典2着。
この馬の持ち味は距離が長ければ長いほど威力を発揮するそのスタミナの豊富さである。3000m以上のレースで部類の強さを発揮する馬であり、典型的なステイヤーといえる。そういう意味では2200mという距離はさすがにこの馬には短いと言わざる得ない。前走の2500mの目黒記念でも10着に負けているくらいだから、やはり3000m以上の距離がないと好走できないということかもしれない。でも、今年のダイヤモンドS、阪神大賞典、天皇賞春では上がり34秒台前半で走っているように、ずいぶんとスピードもついてきていることは感じる。2200mだからダメとも一概には言えないという感じがしないでもない。スタミナが必要となる展開になればチャンスが出てくるという考え方もできるし、こういう特徴的な馬は展開一つで大駆けする可能性がある。
アドマイヤフジ
(牡5・福永58)
H18日経新春杯1着、H17若葉S1着。
昨年の皐月賞で5着、ダービーで4着とクラシック戦線でそれなりの結果を残している馬である。3歳時は結局重賞を勝てずに終わってしまったが、年明けの日経新春杯では見事に重賞制覇を果たした。中団よりやや後方の位置取りからどんな時でもゴール前では伸びてきており、堅実な末脚が魅力の馬である。日経新春杯を勝ってこれからという時に骨折してしまい、約1年の休養を余儀なくされたのはこの馬にとっては運がなかった。昨年暮れの有馬記念でなんとか復帰を果たして3戦したが結果を出せず、立て直して臨んだ前走の目黒記念で3着してようやく復活の兆しをみせた。一叩きされた上積みは見込めるだけに、ここで本当の意味での復活を遂げることは十分に考えられる。ただ、G1では1度も馬券圏内に絡んだことがないことからすれば、G1級の実力まではないという考え方もできるというか、そう考えるのが現時点では自然かもしれない。ポテンシャルは高く、本当の実力をまだ見せきっていないという感じは確かにするが、本当にそうなのかは分からない。本当に強い馬であれば、どこかでその強さを見せているはずだから、これまでの実績からすれば、このレベルでは通用しないという可能性の方が高いのではないか。
ファストタテヤマ
(牡8・小牧太58)
H19大阪ハンブルクC1着、H18京都大賞典2着、H18万葉S1着、H14菊花賞2着など
5年前の菊花賞で2着していることを忘れてはいけない。このときはほぼ最後方の位置から直線だけでヒシミラクルに際どいところまで追いつめたのだからかなりの決め手だったといえる。ただ、その後は大きなレースではなかなか結果を出せずにここまできてしまった。それでも、京都大賞典と札幌記念で2着するなど、ときどきは別定G2で好走することもあるから、それなりの能力はあると思っていいはずである。問題はその能力を安定して出せるわけではないというか、条件が合わないと好走に繋がらないということだと思う。そういう意味では、今回も凡走に終わる可能性の方が高いと考えるのが一般的ということになるとは思う。でも、いつ走るか分からないのがこの馬の魅力でもあり、今回がその一発をかます順番ということもあるかもしれない。
ポップロック
(牡6・武豊58)
H19H18目黒記念1着、H19有馬記念2着、H18メルボルンC2着など。
昨年のオーストラリア遠征で伝統のG1メルボルンCで2着し、続く有馬記念でも2着して一躍G1級の仲間入りを果たした。京都記念ではアドマイヤムーンと僅差の2着、ドバイでも0.5秒差の6着、そして前走の目黒記念ではハンデ58.5kgで勝ちきるというように今年に入ってからも常に高いパフォーマンスを見せている。これだけの実績があれば、当然に今回も通用していいはずである。どちらかというとスタミナ色が強い感じがするので距離2200mがどうかという感じはするが、スピード能力も高くなければG1で好走できるはずもないのだから、2200mなら守備範囲と考えるべきだろう。鞍上が武豊ということもあるし、チャンスは十分と言っていいだろう。あとは上位人気との実力関係がどうかということだろう。実績があまり派手でないということもあって、大物感がもう一つという感じもあるので、G1を勝ちきるところまではないという考え方もできるし、あまり切れる脚がないようにも感じるので、瞬発力勝負になった時にどうかだろう。
マイソールサウンド
(牡8・角田58)
H17阪神大賞典1着、H16マイラーズC1着、H16京都金杯1着など。
3000mの阪神大賞典と1600mのマイラーズCを勝っているという異色の馬である。しかも、いずれも別定G2というレベルの高いレースであることが凄い。これだけ違う距離で重賞を勝つということは、根本的なポテンシャルが違うということなのかもしれない。そういう意味ではG1でも通用するだけの実力はあると言っていいのではないか。もともといつ走るか分からない一発タイプの馬でもあるので、この大一番で大爆発ということもあるかもしれない。とはいえ、2年前に阪神大賞典を勝って以降は1度も掲示板に載っていないというのはさすがに問題であろう。すでに8歳という年齢を考えても全盛期の走りを期待するのはあまりに酷だと思われる。G1では惨敗ばかりということもあり、もともとG2までの馬という考え方もできる。
マキハタサイボーグ
(せん5・和田58)
前走準オープンを勝ち上がって、いきなりG1に挑戦してきた。前走勝っていることで勢いは感じるし調子もかなり良いとは思うが、問題は根本的な能力がG1で通用するかどうかである。急成長を遂げる馬もいるから、1度波に乗るとどんどん強くなるという馬もいるし、もともとポテンシャルはG1級だったのに気性的な問題で今までは結果を出せなかったが、やっと集中して走ることができるようになってきたということであれば、いきなりでも通用するということにはなる。しかし、そういうケースはごく希であり、こういう準オープンを勝ち上がったばかりの馬は、G1のレベルに太刀打ちできずに敗れるケースがほとんどである。そういう意味ではさすがにここでの好走は厳しいと判断するのが一般的だと思われる。
ローエングリン
(牡8・後藤58)
H19H15中山記念1着、H17H15マイラーズC1着、H15ジャックルマロワ賞2着など。
ジャックルマロワ賞で2着、香港マイルで3着、安田記念で3着、さらに5年前の宝塚記念でも3着とG1での好走があるのだからG1級の能力は間違いない。今年は中山記念で久々に重賞を制覇しており、まだまだ元気なところを見せている。とはいえ、すでに8歳という年齢の衰えは隠せない。徐々に実績が落ちているように、以前のようなパワフルな走りを期待するのは厳しい感じがする。1600〜1800mで実績のある馬なので2200mもいかにも長い。以前に3着という実績はあるが、展開に恵まれただけなのでそれを裏付けにするのは危険である。前走のマイラーズCでは惨敗しているように安定度も期待できないし、ここで生涯一の走りを期待するのはあまりに酷である。マイペースで逃げることができれば、もしかしたら粘りきるということもあるかもしれないので、まったくのノーチャンスではないとは思うが、他にも先行馬がいるわけだし、ここで一発を期待するのは厳しいように思われる。

前ページに戻る