前ページに戻る
G1-安田記念の反省


時間の都合上簡単にさせていただきます。
コンゴウリキシオーがレコードを出す勢いで逃げるという速い流れとなった。1000通過が57秒台ではあったが、マイルを32秒台で走るのであれば、57秒台で通過しないと無理なので、ハイペースというよりは、レコードを出すための平均ペースと言うべきである。私が予想の中で言った「速いワンペース」がこれである。こうなると追い込み馬は一気に苦しくなる。後ろの馬も息を入れられないので、33秒台の上がりなんてそうは出せないものである。そういう意味では私の予想の方向性は間違ってはいなかったとは思う。でも穴狙いに行ってしまったために、コンゴウリキシオーを敢えて消すという判断をしてしまったのが痛かった。香港馬がいなければボックスから消すことはなかったと思うが、香港馬を軽視するわけにもいかなしい、国際レースの予想はこのあたりが難しいのである。でもまあ、強い馬が強い競馬をして勝ったのだから良いレースだったと評価していいと思う。久々に堅い決着となったが、たまにはこういう競馬を見せてもらわないと、競馬がつまらなくなってしまう。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G1-安田記念の予想
結論

◎ダイワメジャー
○ザデューク
▲ジョイフルウイナー
×グッドババ
☆ディアデラノビア
△マイネルスケルツィ

買い目(馬連)合計1,500円
  BOX−2,4,6,9,11,14(各100円)

にへいの見解
 今回は時間がないので簡単にさせていただきます。
 本命◎はダイワメジャーである
 昨年は天皇賞秋、マイルCSを連勝して、日本のマイル界のエースとなった。積極的なレース運びで早めに抜け出し、そのまま押し切るというレーススタイルでもあり、この馬の強さは半端ではない。安藤勝騎手もこの馬の特徴をよくつかんでおり、この馬の得意のパターンに持っていくだろう。さらに、コンゴウリキシオーが出走してくる以上は、スローペースはあり得ない。この馬としては、上がりだけの瞬発力勝負だけは避けたいところなので、コンゴウリキシオーが引っ張ってくれるというのは非常にありがたいことである。ただ、ドバイ遠征帰りで2ヶ月の休養明けというのが気になるところなので、絶対的な信用は置きづらいというのも確かであり、オッズも考えれば、この馬からの流しで勝負するのもどうかとは思った。この馬に強い競馬を見せてほしいという気持ちがある反面、けっこう混戦なので穴狙いもしてみたいという気持ちもあり、それで最終的にはボックス馬券で勝負することにした。やはり香港馬も侮れないものだし、単純に香港馬3頭、日本馬3頭のボックスとした。
 対抗○はザデュークである
 香港馬4頭の中で最も人気がないようだが、昨年の香港マイルを勝っている実績は忘れてはいけない。前走は3着に負けているようだが、スローからの瞬発力勝負が苦手なのではないか、と勝手に解釈して、速い流れなら強いのではないか、と判断した。
 単穴▲はジョイフルウイナーである
 昨年の3着馬だから当然に怖い存在である。前走は2着に負けているが、スローの展開だったことを考えればよく追い込んでいる。やはり香港馬の中ではこの馬が最も好走する確率が高いと考えるべきなのだろう。
 4番手×はグッドババである
 前走のチャンピオンズマイルでは1人気に推された馬である。結局は5着に敗れたが、スローの展開にやられたというところだろう。今回は速い流れになるだろうから、巻き返しがあっても不思議はないと判断した。
 5番手☆はディアデラノビアである
 日本馬の方はいろいろと悩みました。人気になっている馬の方が確率的には高いとは思いましたが、不安要素も小さくはなかったので、それであればできるだけ人気のない馬を選ぶ方がいいかなと考えました。選択基準としては、極端な追い込み馬ではないということと、それなりに実績のある騎手が騎乗していることとしました。流れが速いのであれば追い込み馬が有利ではないか?ということはあるとは思います。しかし、レコードに近いタイムが予想される中でのハイペースはどちらかというと平均ペースというか、いわゆるワンペースになりがちです。レコードタイムというのは速いワンペースの中で叩き出されることが多いものです。コンゴウリキシオーとダイワメジャーはそういうペースを作り出すはずです。そうなると、追い込み馬もそんなには脚を貯められないので極端な上がりタイムは出せないし、先行馬もワンペースで走りきれるペースで走っているので、それほど失速しないものです。となれば、少なくても中団の位置にはいないといけません。さらに、こういうペースだとスタミナもけっこう必要です。となれば1800m以上のレースで実績のある馬を選択したくなるものです。そういう観点から考えていくと、この馬が面白いのではないか、と考えたわけです。ちょっと牡馬混合G1では力不足かなとは思いましたが、穴狙いと割り切ってこの馬を選択しました。
 6番手△はマイネルスケルツィである
 追い込み馬は切り捨てという趣旨からすれば、やはり先行馬を狙いたいものである。コンゴウリキシオーが引っ張ってくれるのであれば、この馬は3番手くらいから競馬ができるはずで、この馬の良さが生きる展開になると考えた。切れ味がない馬だから、ワンペースとなるのは願ったり叶ったりであるし、昨年のマイルCSで4着というG1実績もあるわけだし、ここで2着ということは十分にあると思う。左回りで実績がないというのはかなり気になるところではあるが、まあだから人気がいまいちなのだろうし、それで人気がないのなら敢えて狙ってしまおうということである。人気を考えれば面白いところだと思う。
 日本馬については、敢えて人気のないところを選んだので自信度はそれほど高くはない。人気になっている日本馬がやっぱり好走するということもあるとは思うが、1400mがベストっぽい馬だったり、追い込み脚質だったりするので、敢えて軽視したということもある。人気どころで決まったら諦めるしかない。あと最悪なのは、香港馬で唯一消してしまったエイブルワンが好走することである。香港馬4頭ともボックスに入れようかとも考えたが、さすがに多すぎということで消してしまった。なのでエイブルワンが好走するというのが一番困る。来年以降は外国馬は3頭までにしてほしい(^_^;

G1-安田記念
(簡単バージョン)
ダイワメジャー
(牡6・安藤勝58)
H18天皇賞秋1着、H18マイルCS1着、H16皐月賞1着など。 なんといっても昨年の秋に毎日王冠、天皇賞秋、マイルCSと3連勝しているがとにかく凄い。このあと、2500mの有馬記念に果敢に挑戦し、ここでも3着してポテンシャルの高さを見せた。さらに、今年はドバイ遠征を決行して3着という結果を残しているし、今の日本の中距離のエースの座を確固たるものとしている。能力を出し切ることができる状態であれば、当然に勝ち負けということになる。問題は、実力を出し切れる状態にあるかどうかである。ドバイ遠征のあとだけに調整はけっこう難しかったと思われる。人の目には万全に見えても、隠れた疲労が残っているとか、調子が上がり切れていないということもあるかもしれない。やはり、2ヶ月以上レースを使っていないというのは不安なものである。あとは脚質である。基本的に先行して押し切るというレースを得意としており、切れる脚質ではないので、超スローの展開での瞬発力勝負になると厳しくなる。安藤勝騎手はこの馬の特徴を掴んでいるから、そういう展開にならないような騎乗をするとは思うが、だからといって逃げるといった大胆な作戦はとれないだろうし、展開で負けるということもあるかもしれない。
スズカフェニックス
(牡4・武豊58)
H19高松宮記念1着、H19東京新聞杯1着など。 前走の高松宮記念では初めての1200mだったにもかかわらず完勝してG1タイトルを見事にゲットした。前々走の東京新聞杯を勝っているようにもともとはマイル戦で活躍していた馬だから、距離延長は特に問題ないだろう。もちろん東京コースの実績もあるわけだし、追い込み脚質のこの馬にとっては直線の長いコースというのは大きなプラスと言っていいだろう。でも、1200mのG1に出たら勝ってしまったということからすれば、スプリンターとしての資質の方が高いということも考えられる。これまでの実績からマイルは守備範囲であることは間違いないだろうが、ベスト距離ではないということは十分に考えられる。東京マイルはスタミナもかなり必要ということもあって、このレースは、マイルがベストという馬か、マイルよりも長い距離で実績がある馬が好走するケースが多いだけに、最高実績が1200mという馬が好走するのは難しいという考え方は十分にできる。
マイネルスケルツィ
(牡4・柴田善58)
H19京都金杯1着、H18NZT1着など
昨年のマイルCSで4着という実績を持つ。3歳時に古馬G1で馬券圏内の一歩手前という走りをしたのだから高い評価が必要である。重賞2勝はいずれもマイル戦ということからも距離適性は問題ない。好位から早めに抜け出してそのまま押し切るというレースを得意としているが、そういう戦法だから安定度もかなり高い。前走の京王杯も早めに抜け出してそのまま押し切るかという走りで見せ場はたっぷりだった。充実の4歳ということもあり成長もかなり期待できる。ここで念願のG1制覇ということは十分に考えられる。とはいえ、イメージとして、好走はするがなかなか勝ちきれないレースが多いように感じる。早めに抜け出して粘るという戦法からも瞬発力がいまいちで決め手に欠けるということが、最後の最後で差される要因になっているのではないか。左回りがいまいちなのか東京コースで実績がないというのも気になる。距離も1400mくらいの方が合っている感じもするし、東京マイルではスタミナ不足という感じもする。
アドマイヤキッス
(牝4・川田56)
H18愛知杯1着、H18ローズS1着、H18チューリップ賞1着、H18桜花賞2着
重賞を3勝していることはそれなりに評価しないといけない。桜花賞2着でG1連対経験もあるということも忘れてはいけない。ローズSやチューリップ賞では完勝といえる強い勝ち方をしているだけに、ポテンシャルは高いはずなのである。実際、桜花賞、オークス、秋華賞とすべて1人気になっている。これまでG1で結果を出せなかったのは、能力が足りないのではなくて、能力を出し切れなかっただけと考えるべきではないか。今回こそは実力を出し切ってくれるかもしれないわけだし、そういう意味での一発は期待していいと思う。でもまあ、実際に桜花賞以外のG1では結果を残せていないということからすれば、やっぱり実力不足というのが正解ということも十分にあり得る。能力を出し切れていないにしても、今回は出し切れるという保証もない。前走、牝馬限定戦で7着に負けていることからすれば、牡馬混合のG1で巻き返すというのはなおさら厳しい。
キストゥヘヴン
(牝4・横山典56)
H18桜花賞1着など。
なんといっても昨年の桜花賞馬である。牝馬では最も名誉あると言われているレースを勝っているのだからポテンシャルが高いのは間違いない。オークスや秋華賞では好走できなかったが、たぶん距離が長かったということだと思われる。つまり、この馬のベスト距離はマイルということなのだろう。前走のヴィクトリアマイルでも4着に好走しているから勢いとしてもそれなりに感じるし、4着なら巻き返しの範囲内だろう。前走は好位からの競馬で伸びきれなかったが、もともとは一瞬の切れ味で勝負するタイプなので、流れが速くなる方がこの馬には合っている感じもするので、前走とまったく違う展開になれば変わってくると思う。ただ、桜花賞を勝って以降はこれといった結果を残していないというのはかなり気になる。成長がいまいちという感じもするし、底を見せてしまったという感じもする。前走も牝馬限定で4着だったわけだし、牡馬混合戦でさらに上を目指すというのは厳しいのではないか。
エアシェイディ
(牡6・横山典58)
H19東京新聞杯2着、H19中山記念2着など。
オープン特別は4勝もしているのに、重賞ではなぜか2着どまりで、なんと5回もある。未だに重賞未勝利ということを考えれば、G1級の器はないという考え方もできるとは思うが、これだけの実績を残しているのだから弱い馬ではないことは確かである。以前は2000m前後のレースを使っていたが、最近はマイル戦を使うようになって以前より内容のある走りをするようになったようにも感じる。何せ決め手に欠けると言われた馬が、上がり33秒台の末脚を繰り出すのだからマイル適性が高いということなのだろう。特に東京マイルでの好走が目立っているだけに、今回もチャンスはあると思われる。でも、前走のマイラーズCで11着に負けているというのはかなり気になる。馬体重もかなり減っていたし、ここにきて調子を落としているということではないか。けっこう期間があったのできっちりと立て直したということもあるとは思うが、それも走らせてみないと分からない。とにかく重賞未勝利である以上は大きな期待はかけづらいものである。
エイシンドーバー
(牡5・福永58)
H19京王杯SC1着、H19阪急杯1着、H19京都金杯2着など。
前走の京王杯SCを勝ったというのは大きい。前哨戦を勝ったのだから今回も当然にチャンスは大きいということになる。これまではG3とかローカル戦で堅実に走るという印象があったが、前走はかなりの切れ味を見せていたし、別定G2を勝ちきったのだから完全に本格化したと判断していいかもしれない。そういう意味での勢いは非常に感じる。こういう成長著しい馬は勢いでG1まで勝ってしまうこともあるだけに、今回もかなりチャンスということになる。ただ、阪急杯も1400mだったように、この馬のベストは1400mということは十分に考えられる。つまり、マイルは微妙に長いかもしれないということである。前走の京王杯もG1前哨戦にしてはメンバーがいまいちだったという感じもするし、G1の裏付けになるほどのレベルではなかったという考え方もできる。G2で好走したのは前走だけなので、G2がこの馬の限界という感じもするというか、G1でも好走できそうな大物感みたいなものがいまいちという感じもする。前々走マイラーズCで7着に負けているので安定度もいまいちかもしれない。
オレハマッテルゼ
(牡7・後藤58)
H18高松宮記念1着、H18京王杯SC1着など
昨年は、高松宮記念でG1制覇を成し遂げ、続く京王杯も連勝して、1人気で安田記念に臨んだわけであるが、結果は10着と大きく負けてしまった。1200mのG1を勝っていることを考えれば、マイルはこの馬には距離が長いと考えるべきかもしれない。以前は確かにマイルでも好走していたが、年齢とともに距離適性が変わるということはよくある。それに今年は高松宮記念、京王杯ともに好走はしているが、負けている。そういう意味でも昨年ほどの勢いが感じられない。年齢的にみても昨年がピークだったということかもしれない。でもそうは言っても、G1を勝った馬というのは底力があるものである。ブラックホークが忘れられた頃にこのレースを勝ったということが現にあったではないか。そういう意味ではこの馬を軽視しすぎるのもどうだろうか。前走3着というのも巻き返せる守備範囲内とはいえるし、体調自体も徐々に上がってきているという考え方もできる。G1馬を甘くみていると痛い目にあうかもしれない。
コンゴウリキシオー
(牡5・藤田58)
H18金鯱賞1着、H19マイラーズC1着
前走のマイラーズCで逃げ切り勝ちを演じた。1000m58.2という遅いとは言えない流れを自ら作って2着スイープトウショウに1馬身以上の差をつけたのだから完勝と言っていい。昨年の金鯱賞も同じような競馬で3馬身差圧勝という競馬をしているから、この馬は速い流れを自ら作って単騎で逃げるという競馬ができれば、半端でない強さを発揮するということなのだろう。であれば、今回も同じような競馬ができれば、かなりチャンスは大きいということになる。問題はそういう競馬を他馬がさせてくれるかどうかだろう。楽に逃がしたらしぶといことは分かっているわけだから、この馬にプレッシャーをかけてくる競馬をしてくるのではないか。特に今回はダイワメジャーという強力な先行馬がいるというのがこの馬にはきついのではないか。ダイワメジャーも速い流れで引っ張ってくれる馬がいた方がありがたいはずだから、この馬がダイワメジャーの格好のペースメーカーになってしまうかもしれない。まあ、とにかく逃げ馬はというのは、そういう諸刃の剣を持っているということである。
サクラメガワンダー
(牡4・鮫島58)
H17ラジオたんぱ杯1着、H18鳴尾記念1着。
クラシックの登竜門と言われるラジオたんぱ杯を勝って一躍クラシックの有力候補となった馬である。クラシック戦線では結局これといった結果を残せなかったが、1800mの鳴尾記念で超スローの展開を先行して上がり33.4という切れ味を見せて、逃げるマルカシェンクをきっちりと捕まえた。続く京都記念でも3着と好走したのだから、この馬は2000m以上の距離は長いということであり、マイル前後が良いということだと思う。前走のマイラーズCでも休み明けで5着しているし、やっぱりマイルくらいが合っているということだと思う。一叩きされた上積みはあるだろうし、G1でも通用しそうな雰囲気があるというか、そこそこの大物感がある馬ではある。とはいえ、重賞2勝はG3であるし、G2以上の実績がいまいちなだけに、G1級の能力はないということかもしれない。ベストは1800mという感じもするので、マイルという距離も少し短い感じがする。G1を戦うことを考えれば、実績がもう一つと言わざる得ない。
ジョリーダンス
(牝6・秋山56)
前走のヴィクトリアマイルで5着に敗れたものの、上がり32秒台というとんでもない末脚をみせた。最後の伸びは1頭だけ際だっていただけに、ある意味では最も強い競馬をしたともいえる。そういう意味では、もし追い込み馬が有利な展開になるようであれば、この馬が一気に伸びてくるということは十分にあり得る。そういう期待はしていいと思う。でもまあ、5着に負けたことも事実であるし、牡馬混合戦で相手はさらに強くなることを考えれば、さすがに巻き返しは厳しいと考えるべきなのかもしれない。追い込み馬が有利な展開になるかどうかも分からないということもある。
シンボリエスケープ
(牡6・蛯名58)
前走の京王杯SCで2着に突っ込んできており、調子の良さは感じることができる。でも、この馬はいかにも1400mがベストという感じがするだけに、マイルでは不安が大きいと言わざる得ない。でもまあ、別定G2で連対したことは事実であり、それ相応のポテンシャルは認めないといけない。勢いで好走してしまうということもあるわけだし、ここにきて本格化したということもあるかもしれない。まったく通用しないというレベルではないとは思う。
スーパーホーネット
(牡4・藤岡58)
前走の都大路Sを勝つなどオープン特別ではけっこう勝っている馬である。でも重賞となるとどうしても好走できないというのが、この馬の能力の限界という感じがしてしまう。そういう意味ではさすがにG1では厳しいと判断するのが一般的だとは思う。でも、一発屋というところもあるので、こういう大舞台で一発かましそうな感じがしないでもない。前走勝っているということは調子は良いということなのだろうし、勢いで好走してしまうということもあるかもしれない。
ディアデラノビア
(牝5・岩田58)
G1で3着するのに、G2G3でも勝ちきれないなど、つかみ所がないのがこの馬の特徴といえる。京都牝馬Sで久々に重賞を勝って、やっと本格化したと思ったら、圧倒的1人気となった阪神牝馬Sで3着に負けたりと相変わらずである。こういうタイプは決め手のない場合が多いのであるが、この馬の場合は、決め手もかなりあるだけに不思議なのである。逆に言えば、そういう馬だから何をしでかすか分からないといえる。そういう意味では一発を期待しても良いということになる。東京マイルはこの馬には合っていると思うし、流れ次第ではチャンスはあるのではないか。前走ヴィクトリアマイル6着からの巻き返しはさすがに厳しいというのが一般的な見解だろうが、そういう常識から逸脱している馬のような気はする。
エイブルワン
(騙5・キャロウ58)
香港の国際G1であるチャンピオンズマイルを勝っているのだから格としては上位ということになる。スローに逃げることができたということで、展開に恵まれただけという見解が多く、あまり評価されていないようであるが、いくら展開に助けられたといっても国際G1を勝ったのだからポテンシャルも認めるべきだろう。これでこの馬が今回も勝ってしまえば本物ということになるだろうが、レース後にそれを知ってももう遅い。侮ってはいけない馬だとは思う。もちろん、スローで逃げてこその馬で今回は惨敗と考えるのが一般的という感じはする。
グッドババ
(騙5・サンマル58)
チャンピオンズマイルでは5着に負けているが、1人気に推されたように実力はある馬なのである。チャンピオンズマイルはスローの展開だったことで持ち味を発揮できなかったとすれば、今回はその強さを見せてくれるのではないか。香港からの遠征なので、東京コースの適性とか環境の変化とか、いろんなことが未知数なので、走らせてみないと分からないということにはなるが、少なくても勝ってしまっても不思議はないとは言っていいと思う。
ザデューク
(騙8・フラッド58)
昨年の香港マイルを勝っていることを忘れてはいけない。国際G1を勝ったのだからポテンシャルはかなり高いはずである。今回の4頭の中でも最も期待されていないようではあるが、実績としては十分なんだから勝ってしまっても不思議ないとはいえる。前走のチャンピオンズマイルとは全く違う流れになることも考えれば、巻き返しがあっても良いとは思う。でもまあ、こういうのは勢いとかも関係するものだし、調子がいまいちということなのかもしれない。
ジョイフルウイナー
(騙7・モッセ58)
昨年の3着馬であり、東京コースの経験があるというのは大きい。チャンピオンズマイル2着もスローの展開で先行馬が有利になった流れを追い込んできたのだから最も強い競馬をしたともいえる。そういう意味では今回の香港馬の中では最も期待できる存在といえる。ただ、だからといって香港馬の中で抜けた存在とも言えないだけに、あまり大きく期待するのもどうだろうか。地の利がある日本馬相手にどうかということもあるし、昨年よりは歳を1つ取っているのだから昨年以上の結果を求めるのも酷という考え方もできる。

前ページに戻る