前ページに戻る
G1-ヴィクトリアマイルの反省


時間の都合上簡単にさせていただきます。
勝ったのはエイジアンウインズだった。前哨戦の阪神牝馬Sに続き、2連勝で一気にG1を制覇したことになる。牝馬は実績よりも体調が大事だとよく言われるが、そのとおりに勢いのある馬が実績馬を退けたという格好となった。しかも、直線まで中団に控えて、勝負どころで一気に抜け出し、そのまま押し切ったのだから内容としても強かった。完璧なレースだったといえる。これだけの競馬をするのだから、今後も牝馬戦線では当然に主役ということになるだろう。今回の内容であれば、牡馬相手でも勝負になるかもしれない。
ウォッカは2着に敗れた。敗因はいろいろ考えられるが、基本的には体調が万全ではなかったということになるとは思う。とはいえ、ダービーを勝つほど能力が抜けていれば、ちょっと体調が悪いくらいは何とかしてほしい気もするので、ダービーは勝ったけど、抜けて強いというほではない、ということなのかもしれない。それと気になったのは武豊の騎乗である。直線でぎりぎりまで追い出しを我慢していたが、あの判断はどうだったのだろうか。スローの展開でほとんど上がりだけの勝負だったということは、相手も上がり33秒台では普通に走れてしまう。いくらウォッカでも上がり33秒台で他が走っている中で、ぎりぎりまで我慢してから追い出されても追いつくのは難しいというものだろう。スローの展開では早めにスパートしてしまうのが当然のことだと思う。武豊は「ウォッカなら」と思ったのかもしれないが、さすがにこの上がりでは厳しすぎたのだと思う。さらに、道中の位置取りであるが、スタートは完璧だったのに、敢えて後方に下げたように見えた。私には少し掛かっていたようにも見えたし、なぜあの位置取りだったのか理解できない。スローの展開だったことを考えれば、もっと前の位置取りで良かったと思う。「ウォッカなら」と武豊は思ったのかもしれないが、さすがに横綱相撲に徹しすぎたという印象が強い。絶好調のウォッカなら今回の武豊の騎乗でも勝っていたのかもしれないが、ドバイ帰りで体調に不安がある状況だったのだからもっと無難な乗り方をしてほしかったと私は思った。

参考
G1-ヴィクトリアマイルの予想
結論

 ◎ウォッカ
  ○ジョリーダンス
   ▲ローブデコルテ
   △ニシノマナムスメ
買い目

(馬単)9→4(1,000円)
(馬単)9→3,13(各500円)
(合計)2,000円
にへいの見解
私の本命◎はウォッカである。牝馬でダービーを勝つという偉業を成し遂げた馬なのだから、歴史的にみてもそのポテンシャルは最上級である。ダービー後は確かに1勝もしていないが、基本的に牡馬の1流どころと戦ってきたのだから、そのことで評価を下げる必要はないと思う。ダイワスカーレットには完敗というレースもあったので、ダイワスカーレットがいれば、さすがに絶対的とは言えなかったが、ダイワスカーレットがいない牝馬限定戦であれば、私の中では絶対的存在である。有利不利のない東京コースで、宿敵ダイワスカーレットがいなければ、牝馬相手に負けることは考えづらい。ドバイ遠征したことで万全の状態ではないということは十分に考えられるが、私は9分の仕上がりでも勝てると思っている。オッズを確認すると、馬単も馬連も配当に差がないので、無難に馬連を買うのが得策だとは思ったが、「ウォッカは絶対に勝つ!」と思っている以上は、馬単で勝負しないと理屈が合わない。
相手はジョリーダンスである。昨年の安田記念で3着という実績を考えても、東京マイルでのポテンシャルは(ウォッカを除いて)この馬が1番だと思う。上がり32秒台もたたき出せる末脚はかなり強烈であり、東京コースでこそ真価を発揮する。鞍上が安藤勝騎手ということもあるし、ここはきっちりと2着にきてくれると私は信じている。
押さえとしては2頭である。昨年のオークスを強烈な末脚で差し切ったローブデコルテ。この馬も東京コースの適性が高い馬だと思う。2400mよりもマイルの方が距離適性は高いと私は思っているし、東京コースであればポテンシャルはかなり高いと思う。もう1頭はニシノマナムスメである。前走マイラーズCで2着という実績はやはり無視できない。牝馬は勢いということもあるし、さすがにはずせない1頭である。私としてはここまでで十分だと思っているが、牝馬だからもちろん何が起きるか分からない。でも、それを言ってしまうと、めちゃくちゃ広く買わなければいけなくなるし、ウォッカで勝負する以上は少ない点数で決めたいところである。

全出走馬の好材料と不安材料
馬名等 良馬or悪馬 好材料と不安材料
ウォッカ
(牝4・武豊55)
当日7:22
現在
1人気
H19ダービー1着、H19桜花賞2着など。
なんといっても昨年のダービーを勝っていることがとんでもない。牝馬がダービーを勝つなんて現代競馬ではあり得ないと思っていたが、実際に勝ってしまったのだから、この馬のポテンシャルは歴史的にみてもとんでもないということになる。その後は秋華賞、ジャパンC、有馬記念、京都記念を敗れ続けているが、ジャパンC4着、ドバイ4着など、牡馬相手に高いレベルの走りをしていることに変わりはない。牝馬限定で、かつダイワスカーレットがいないメンバー構成であれば、負けることは許されないということになる。とはいえ、気まぐれな牝馬だけに、なぜだか分からないが走らなかったというのがけっこう怖い。ドバイから帰国しての疲れが残っていることもあるかもしれないし、精神的に立ち直っていないということも考えられる。ずっと2000m以上を走っていたので、マイルに対応できないということもあるかもしれない。
ニシノマナムスメ
(牝4・吉田隼55)
2人気 前走マイラーズC2着は、牡馬相手だっただけにけっこう凄い。ただ、その前は牝馬限定戦で勝ち切れていないのだから、前走はたまたま条件が揃っただけかもしれない。
ベッラレイラ
(牝4・秋山55)
3人気
悪馬
オークス2着、秋華賞4着とG1で好走しているのでポテンシャルは通用するはず。ただ、今回は休み明けがどうか。距離も少し短いかも。
ブルーメンブラッド
(牝5・後藤55)
4人気 阪神C3着、京都牝馬S4着、阪神牝馬S2着と、重賞で好走を続けているのでチャンスは十分とは言えるだろうが、勝ち切れていないというのが微妙なところである。G1では通用しないということも十分に考えられる。
エイジアンウインズ
(牝4・藤田55)
5人気
悪馬
前哨戦の阪神牝馬Sを勝ったのだから今回も当然にチャンスということになる。連勝中で勢いもあるし、牝馬はこういう馬が怖いのである。ただ、この馬は1600mの経験がないというのがかなり痛い。マイルでは未知数ということになる。もちろん、マイルの方が強い競馬をするということだってあり得るわけだから判断が難しい。
ジョリーダンス
(牝7・安藤勝55)
6人気
良馬
安田記念3着、阪神C2着と牡馬相手でも互角に戦っている実績はここでも高い評価が必要である。ただ、前走の阪神牝馬Sで5着に負けているというのは、ちょっと物足りない感じは否めない。調子がいまいちということであり、牝馬は調子に大きく左右されることが多いだけに、巻き返しはどうだろうか。
ローブデコルテ
(牝4・福永55)
7人気
良馬
なんといってもオークスを勝っていることが凄い。東京コースでの適性が高いということだろうし、G1馬は大一番での勝負強さがある。巻き返しは十分に考えられるはずだ。とはいえ、前走の阪神牝馬Sで6着というのは微妙な負け方である。本番前のレースだったことを考えれば、物足りない結果だったと言わざる得ない。
トウカイオスカー
(牝4・横山典55)
8人気 東京マイルで2勝しているのが大きな魅力である。しかし、前走の福島牝馬Sで6着に負けていることからすれば、まだ重賞で戦えるだけの力はないような気もする。ただ、鞍上が横山典というのは不気味。
ピンクカメオ
(牝4・内田博55)
9人気 昨年のNHKマイルCを勝っていることを忘れてはいけない。しかも、今回と同じ東京マイルである。そのときも17人気からの巻き返しだったが、今回もそういうことがあるかもしれない。とはいえ、NHKマイルC以降の戦績を見てしまうと、古馬のG1での好走は難しい感じもする。
レインダンス
(牝3・武幸55)
10人気 秋華賞で2着という実績を持ち、このときウォッカに先着していることを忘れてはいけない。とはいえ、ここ2戦が2桁着順なので、勢いはほとんど感じられないだけに、巻き返しは厳しい感じがしてしまう。距離も少し短いのでは。
マイネカンナ
(牝4・岩田55)
11人気 前走の福島牝馬Sを勝っているので勢いは感じる。岩田騎手というのもかなり怖い。とはいえ、G1級との対戦が乏しいので、この相手でどこまで戦えるかだろう。試金石の一戦といえる。
パーフェクトジョイ
(牝5・池添55)
12人気 前走の阪神牝馬Sで3着しているので、巻き返しが可能なところにいるとは思う。上がり馬らしい勢いも感じる。とはいえ、オープン入りしてから9着3着3着という実績なので、今回はG1ということを考えるとやはり物足りないものを感じてしまう。
ヤマニンメルベイユ
(牝6・柴山55)
13人気 今年は中山牝馬Sを勝っているようにうまく先行できればけっこうしぶといタイプである。単騎で逃げて、他が追いかけてこないという展開になればチャンスは出てくるかもしれない。でもまあ、東京マイルだとそう簡単に逃げ切れるものではない。この馬の決め手で押し切るのは厳しい感じもする。
タニノハイクレア
(牝4・的場55)
14人気 スプリント戦でしか実績がないし、前走11着ということを考えれば、ここでの好走は難しいと思う。
テンイムホウ
(牝6・柄崎55)
15人気 オープンに入ってからは尾張Sで3着はあるものの、その後は惨敗ばかりなので、ここでの好走は難しいと思う。
タイキマドレーヌ
(牝5・北村友55)
16人気 府中牝馬Sと前走の福島牝馬Sで5着という実績があるので、まったく通用しないレベルではないとは思うが、G1で好走するための裏付けとしてはあまりに弱すぎる。
アルコセニョーラ
(牝4・田中勝55)
17人気 いちおう福島記念を勝っている実績を持っている。重賞ウイナーなのだから今回好走してもそんなに驚かなくてもいいということにはなる。とはいえ、ここ2戦では惨敗を喫しているだけに、G1で巻き返すのはさすがに厳しそうだ。
ベルモントプロテア
(牝3・小野55)
18人気 前走勝っているので勢いはあるのだろうが、準オープン戦でしかもダートだったことを考えれば、芝のG1でも好走できるとは考えづらい。

前ページに戻る