僕自身、これが４台目のウォークマンとなる。最初に使っていた、小ぶりなパナソニックのラジカセ（もって歩けない大きさではないが、もって歩くには若干大きい）を入れると、ポータブルステレオカセットは、５台になるか。他にはディスクマン（ソニー、ラジオシャック、パナソニックで３台）、ポータブルＭＤ２台、ポータブルＤＡＴ１台などがあるから、おそらく他の人に比べてかなり貢献しているとおもう。
カセットに話を戻すと、最初、1979年ころに登場したウォークマンは、電池食い虫で、相当短時間しか動かなかったみたい。僕が初めて買ったウォークマンは、１９８３年か８４年のモデルで、カセットテープサイズにまで小さくなった初代の機械であった。（つい数週間前、田園都市線の中で、その機械をまだ使っている女性を拝見した！）
この機械から単３一本で動くようになり、ウォークマンの省電力の歴史が始まったのではないだろうか？この頃はまだ充電池を使うのは一般的ではなかったので、電池がなくなるたびに駅の売店などでアルカリ電池を購入したものである。ボタン類も機械式で、電池が相当へばっても、回転が落ちながらも再生ができるのも良かった（苦笑）。まき戻し速度は今のウォークマンに比べる事もできないくらいに遅かったのだけど、機械式の良いところで、「ちょちょい」とまき戻す時のタッチが良く、実はテープからベースをコピーするときには随分活躍してくれたすぐれものだったのである。この機械は、確か１９９０年頃まで使用したが、晩年はディスクマン（ちなみにフル充電で２時間稼動）にその場所を奪われてはいた。まだ動く状態で引退させて、実は弟にあげてしまった。
そして、次に購入したのが、オートリバースが標準搭載になっていたころのモデル・・・９１年に購入したと思う。こいつは実はチューナー付きで、録音機能こそないもののガム型電池で動くようになっていた頃の物。実はこのあたりから韓国ポップスにはまってきていて、現地でラジオやらテープを聞いたりするのにも利用していた。ラジオは便利だったなぁ。その後、こいつは海を渡ってアメリカでも、たまーに使用していたのだが、９４年６月頃からロジックに故障が出て来て、９５年初夏に次のウォークマンを購入することになる。ちなみに、このウォークマン、一度洗濯したことがあったのだが、モーターを交換して、なんとか直ったというツワモノ。ロジックの故障さえなければ、実は今までで一番のお気に入りだった。ガム型電池で４時間位もったかな？
次に購入したのは、９５年の初夏・・・だから３年ちょっと前ということになる。この頃、ソニーさんは「スタミナ」という単語に取り憑かれていて、キャプスタンを省略したりして、長時間化を進めていた。オーディオの方では、各社がカセットから徐々に撤退してきていた時期ではあるが、ソニーさんは結構良いデッキを出していて、国内では超ハイエンドのナカミチを除けばほぼ無敵状態だった。ヘッド等の技術は、前代のオートリバースの時にほぼ完成していたと思うので、この機械からの音質の変化とは、省電力の賜物ではないかとおもえるのだ。確か、電池とガム電池をあわせて３０時間近い再生時間だったと思うが、なんせ、通勤は片道２０分なので、バッテリがなくなるまで使った事がない（苦笑）。
今回買ったものは、すでにオープン価格化しているもので、レコーディング機能つきも手伝ってか、アルカリ電池とガム電池併用で２５時間に満たない時間の再生。こちらの方がグレードとしては下という事になるのだろうが、これが、実は、９５年のものよりも低音が出て気持ちが良い。音質的には９１年と９５年の中間位に感じるけど・・・
省電力が進んだせいか、最近のウォークマンは、音に迫力とか、抜けとかがなくなっているように感じられてしかたない。これはウォークマンだけではなくて、ミニディスクにも同じ事を感じるのだ。フォーマット的には圧倒的に有利なＭＤだけど、どうも、違う。デジタルの音なんだけど、立ち上がりが甘くて、抜けが悪いというか・・・ベールの向こう側で演奏しているように感じてしまう。整った音なんだけど、何かが・・・
さすがにレコーディングウォークマン・プロまでを購入しようとは思わないが、再生専用でドルビーＳが使えるものが出たら、たとえ、ガム電池を４本使って４時間の再生時間だとしても、僕は一台欲しいと思う。ＭＤでも良いかもしれない。未だに据え置きデッキを持っていない僕にとっては、TC-KA7ESで録音した音の方が、粒立ちとかが、手持ちのポータブルＭＤよりも良いように感じる。省電力で、一時感度とか電波の飛びが悪くなった携帯の例もあるんだが、ここらで、適度な消費電力にもどして、もうちょっと音質を追求して欲しいと願うのは、マニアックな私だけなんだろうか？