が,やはり,メーカーが違うとどれだけ写りが違うかというのは興味があるところで,実際に同じ被写体をほぼ同時に撮影して比較してみようと思い立った。
比較対象は
50mmの比較:
かたや20年前の設計・コーティングのレンズ,もう一方はキヤノンが90年代に入ってからようやく出した
f/1.4の「標準レンズ」で,一体どれだけの差が出るもんなんだろう?一応スペックが同じなので,この二つの比較が一番「フェア」なんだろうとは思う。
まず,SMCP-M50の方はサイズで無理をしているせいか,やはり開放から2段は周辺減光が気になるところ。f/2.8まで絞るとようやく目立たなくなる。周辺減光についてはEF50/1.4はチェックしていないが,ペンタほどでは無いように感じる。
背景のボケ方だが,ペンタの方がボケが太いというか柔らかいような感じはある。
・・・が問題(?)は発色と実際の明るさなのである。色乗りはキヤノンの方が良い・・・というか,同じ〜1/6段の差の設定で写して,キヤノンの方が常に暗い,というか,ペンタの方が若干明るく(比較してはっきりとわかるレベルなので,1/2段近く違うような雰囲気)空の色なども飛び勝ち。あと,コーティングの所為か,キヤノンの方が若干赤みを帯びている感じの発色となっている。これに関しては,50mmだけでなく他のレンズでも同様。
解像度については,4倍ルーペでスリーブ袋越しに見たのでは大きく違っては見えないと思う。
ペンタの方がどちらかというとコントラスト・・・というか,暗いところがつぶれ勝ちに写っているか?
35mmの比較:
キヤノンの方は98年暮れに出た「L」レンズで,開放が1.4で定価20万。ペンタの方は20年前に2万円。それを考えるとペンタはがんばっていると思う。無限遠のフォーカスが甘い気はする(ペンタ)。
ペンタの側の開放絞り(2.8)で比較すると,これはもうキヤノンにかなわない。2段絞っているので。ペンタのこのレンズは,暗部がつぶれると某所で読んだが,いやどうしてなかなか。若干明るく写るおかげでキヤノンでつぶれているところがペンタでは微かに見えたりしているが,これは上記の明るさの差であろうと思われる。だとすると,暗部の描写にそれほど差はないのかも?
発色はやはりキヤノンの方が僕は好き。こってりと乗っているというのか・・・それを考えると,ペンタのレンズはたとえばRVPなんかが良いのかもしれない。1/3段ほど実効感度も低いし,派手目の発色にしてやる方が僕の好みに近いかもしれない。
35mmの比較はこちら→(1)
その後,ペンタのレンズの絞りが正常に動いていないことが判明したので,比較作例はペンタのレンズの開放値F2.8のみ。なので,ペンタの側は周辺減光がかなりきついのはやむなし。
135mmの比較:
ボケにかんしてはキヤノンの方が好き。無限遠の背景で比較すると大きな差はないといえるけど,近い背景だとペンタは2線ボケっぽい気がする。
f3.5で比較すると,これはやはりキヤノンの方が高いだけのことはある。が,f5.6程度まで絞ると結構ペンタもがんばっているなという感じに,解像度があがる。
驚いたのは逆光時で,これが・・・プロテクトフィルターもついてない(ペンタ)せいもあろうが,ペンタの方が綺麗だったが,光線の関係が違うのかも?
ペンタにはHAMAのラバーフードを装着。
それにしてもペンタの方が明らかに明るい。これはキヤノンのレンズ+ボディの味付けのせいなんだろう,多分。
ということで,ペンタは若干暗めに,色飽和度が高いフィルムで撮る方が似合いそうである・・・もっとも,LXが来たらそれも使って撮り比べせねばなるまいが。それにしてもキヤノンの暗さは,実際にこうやって比較すると,雑誌などで「暗い」といわれるのがはっきりわかるほど。まぁ,僕はそれで良いのだけど。