Current News 21 Dec,2003
みかえりすまいる South

「砂の戦士たち」を終え、2003年の締めくくり「Winter Rose」の稽古中の吉野圭吾さんにお話を伺いました。

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−「砂の戦士たち」のご感想を。
圭吾:よく動いた!ひさしぶりに、こう…苦しいまでに踊った(笑)。 メンバーが良かったよ。男ばっかりっていうのはすごく面白い。みんな上手だし、すごいわ。
そしてカポエィラと出会えたのが面白かった。 たまに今の稽古場でも「カポエィラ!」とか言ってやってます(笑)。「レ・ミゼラブル」の歌も歌ったりするんだけど、そうすると「革命に行っちゃうの?」とか言われる(笑)。
−特に好きなシーンはありますか?
圭吾:好きなシーンか…一番初めのところ、好きだよ。オープニングから、「ポルケ!」の終わりまで。「何故」というところだけど。「アモール…」も好きだ。「愛してぇー!!」って(笑)。
−盗んだ指輪を自慢する曲も楽しそうでしたね。
圭吾:でもさー…みんながちょっかい出してくるんだよ。いい気分で歌ってんのにちょっかい出されたり、チューしてやろうと思ったら(ドーラに)突き飛ばされたり(笑)。
−ある意味ガトも悲しい目に遭ってますね。
圭吾:そうそう。だからおかしくなっちゃうんだよ(笑)。
−一幕ラストですね。
圭吾:台本に「ひゃっほっほ」って書いてあるんだもの。 「痛ってー、参ったなあ、ひゃっほっほ」って書いてある(笑)。
−髪をほどく所も含めて、すごい迫力でしたね。
圭吾:うん。一幕これで最後だし、二幕につなげて行かなきゃいけないところなので。しっかり幕を閉めないといけないからね!がんばったよ(笑)。
−周りのメンバーが歌っている曲の一部を、暴れながら叫んでいることがありましたが。
圭吾:ああ「ビータ・テッラ?」。「ビータ・テッラ、ペルド・レッダ・ドーザ…」ってみんなが歌ってるから、俺は勝手に叫んでるんだけど。「これからどうなる?」とか「さあ、どうなるんだ!」みたいな意味なのかな。 「ビータ・テッラ!」…ホントは最後までちゃんと言いたいんだけど、途中で言いたいことがよくわからなくなってきちゃって「まあいいかここまでで」(笑)。 あんまりやりすぎると、その後の動きがわからなくなっちゃうからさ(笑)。
−棒を振り回したり頭突きをしたりという部分は、殺陣が決まっているのでしょうか?
圭吾:そうそう。全部決まってます。ちゃんと決めないと危ないから。

−井坂の役作りはどのように?
圭吾:昔、劇団にいたころの自分みたいな感じが近いのかなあ(笑)。やっぱり、ずっと劇団にいて、 「これでいいのかなあ?」って思って「外に行ってみたいな」なんて考えた時期だから。それを思い返して、っていう感じかな。やっぱりああいう頃はあったからね。
−井坂は振付師なんですよね。
圭吾:いちおう。別に振付してるシーンはないんだけど。トレーニングはあった。…あれは「女豹腕立て」で、トレーニングだから。女豹の振付じゃないからね(笑)。 …いつからやりだしたんだろう女豹なんて(笑)。稽古の時に謝先生が「(次の場面までが長いので)みんなが着替えて入ってくるのをもうちょっと早く」って指示しようとしてくれたんだけど「いや先生、僕はいくらでも考えてますから!ね、ハジメさん!」とか申し出て(笑)。「大丈夫ですよね、運動になりますもんね!」(笑)。
−抱えていたのは本物のパソコンでしょうか?
圭吾:ホントのパソコン。重かった重かった。重いしなかなか開かないし。 稽古場でもいろいろネタはあったの。 (睦田に)「振付考えてたんですか?」って言われて、 「そうそう、わん・とぅー・すりー・ふぉー・えんたー・えんたー、くりっく・えんたー…バカ!」っていう感じ(笑)。

−作品を通して、思い出深かったところはどんなところでしょうか?
圭吾:なんかホントに毎日、男ばっかりで合宿してるみたいだったよ。芝居のまんまっていうか。あのワールドは、あのワールドですごく好きだったな。一人一人がしっかり責任持って、バトルしてる感じがすごくよかったよ。
−再演希望の声が上がっていますが。
圭吾:そうだね。でも「先生、やるんなら早くしてくださいね、早くしないと年くっちゃって…」とみんなで言ってました(笑)

-「Winter Rose」はどんな作品になるのでしょうか?
圭吾:簡単に言えば、一人の女の話です。幕開きがドラマみたいなんですよ。「トレンディードラマ始まります」みたいな感じで爽やかに始まって、柔らかーい感じなんだけど、蓋を開けたらドロドロなの(笑)。 ドロドロだし「はてな」がいっぱいだし(笑)。
−起承転結というより、場面場面の印象を追う感じでしょうか?
圭吾:ああ、そうだね。そうだな…美術館に行ったみたいな感じ、そんな気がする。美術館の絵で紙芝居をしました、みたいな。 こっちは話をわかった上でのあやふやさなんかも計算してやっていこうと思うんだけど、観る側はどう取ってもらってもいい。一つの絵を見たときに、それぞれ印象が違うように、それぐらい「強制的ではない」ドラマを目指したいなと。だから、その一枚一枚の絵を、できるだけ印象的にお届けできたらいいな。あとは、この「Winter Rose」っていうタイトルから来るイメージを、すごく大事にやっていきたいなと。

−クリスマスシーズンの公演ということで。
圭吾:そうだよ、ちょうどイブ・イブだし(笑)。いいんじゃないかなあ。そういう感じなんだよ…ずっと同じセットで、同じ役者で、同じ衣装でやるんだけど、そこが海辺とかいろいろな景色になったり、そういうことが表現できたらいいな。それをどこまで想像してもらえるかだね。 衣装はまだデザイン画みただけなんだけど、色が綺麗らしいんだ。それもちょっと楽しみだなと。

−「砂の戦士たち」のようなダンスとはかなり違った踊りになる思うのですが。
圭吾:うん、違う。すごく繊細。自分ひとりの呼吸じゃ駄目で、ともに呼吸していかないと、踊れないような踊りだね。
−タンゴもあるとのことですが、調子は如何でしょうか。
圭吾:なんかね、絶好調(笑)。「おお…!俺…!俺にも…できるのか!」みたいな感じ?「なるほどな」って。…なんだろう、前よりすごく理解できる。相手と踊っていく中で、どうすれば相手が行きやすいとか、そういうことが学べてる。「あーそっかそっかそっか、俺はこうしてあげるとこうなって…こういうことだったのか!」みたいな。今までできなかったことや、釈然としなかったことがすごく明確になってきた。
−楽しそうですね。
圭吾:楽しい。今楽しいもん。踊るだけじゃなくて台詞もあるんだけど、その喋りがまた面白い。こう、ふつうにお喋りしているリアルな会話ではない会話っていうのも多くて。 荻田さんいわく、「吉野君の印象は『リトルプリンス』のヘビだ」って。「あぁー…そういう役回りですかぁ。あぁー…そういう…喋りかぁ!」って(笑)。
「こんーばんーわ。…サバです。」みたいな感じで(笑)。ちょっと楽しいんだよ。
メンバーもまだ会ったばっかりだけど、すごくいい。前向きで向上心のあるメンバーで(笑)…ホントに前向きすぎるくらい(笑)。
ヘビはこうは言いません。

−まずは12月23日、神戸ですね。
圭吾:うん。絶対観てもらいたい!繊細な部分で表現していくところ、それを見てもらいたいです。けっこう俺の、好きな部分。好きなジャンルというか、すごく表現したいっていうか。
「Winter Rose」。今の段階ではまだ始まったばかりだからなんとも言えないんだけど、俺はすごくこれを、長く続けていける気がする。続けていきたいって思うんだよ。振付も、演出も、キャストもホントにいい。なんかもう、すっごい、素敵な予感がするんだよね。ぜひ、神戸に来てください。 関西地方のみなさま。ぜひいらしてください。…東京の人も。九州の人も。北海道の人も。四国の人も…本州の人もみんな来てください(笑)。
2003年末を飾る素敵な予感ということで(^^)いよいよ来週は一日だけの神戸「Winter Rose」です。2月には東京公演もありますが、真冬の神戸での開幕に、どうかみなさんが参加できますように。
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