時間は前後するが これは新幹線の中で撮ったもの。 手前がNUTS。奥がたかぼー。 |
●まえがき
5月27日。 WonderSwan用の個人向け開発キット、 WonderWitch(ワンダーウィッチ)を制作している 有限会社キュートさんのところへ遊びに行きました。 今回キュートに訪問したのは3人。 まずは僕、Pulicker(プリッカー)。 次にプログラマー兼コンポーザー、Takabo(たかぼー)。 そして最後にプログラマー兼雑学王、NUTS(ナッツ)。 初めは僕一人だけが行く予定でしたが、 僕はコンピュータやプログラミングに特別詳しいわけでないため、 恐らく行っても何もできないし、キュートさんに迷惑をかけるだけだと思いました。 そこで、高校時代の友人に助っ人を頼みました。 それがたかぼーとNUTSなのです。 たかぼーの「Takabo Soft Network」 NUTSの「NUTS's Webpage」 是非行ってみてください。 |
●花時計に集まれ
集合場所は浜松駅前の花時計。 二人には「8時25分までに来てね」と言っておきました。 僕が花時計に着くと、高校生くらいの集団がたくさんいました。 どうやら遠足のようで、ちょうど花時計を集合場所にしていたようです。 よく見ると隅っこのほうでたかぼーが座って待っていました。 NUTSもその後すぐに来ました。 そして僕たちは浜松駅の中に入りました。 |
しばしば、待ち合わせの場所として 使われる通称「花時計」。 夜にはストリートミュージシャンや 恋人達が溢れる場所。 写真を撮り忘れたので また今度撮ってきます。 |
通称「夜のお菓子」と呼ばれる。 うなぎを粉にしたものや、 夜の調味料ガーリックが 入っているそうです。 他にも「真夜中のお菓子」という、 うなぎパイVSOPもあります。 |
●浜松駅出発
NUTSだけはまだ切符を買っていなかったために、大急ぎでみどりの窓口へ。 タイムリミットはあと15分だ。間に合うか? その間、キュートさんに何かお土産をということで 浜松駅で地元の名産品である「うなぎパイ」を買いました。 (もちろん僕の自腹で…。) それにしても、質問はいくつか用意してきたものの、 キュートについてから結局何をすることになるんだろう。 ウィッチの現物とか見せてもらえるのかな。 ページにも載ってるような説明だけだったりして…それは悲しいな。 うーん、何かオフレコな話とか聞けないかな。 スペシャルサンクスとかに名前載せてくれないかな。 あわよくばモニターなんかムフフフ… (↑完成してないのにそんな事があるわけない) …なーんてムシの良すぎる想像をたかぼーと二人でしていると、 NUTSが切符を買い終え走ってきました。 そして僕たち3人は新幹線へ乗り込んだのでした。 いざ、出発。 |
●こだま452号の中で
新幹線の中では、スワンやウィッチのことを余り知らない二人のために、 ウィッチの資料を見せたり、色々なゲームをプレイさせてみました。 ウィッチについては、予備知識は結構あったようで大きな驚きもなかったのですが、 ファイナルラップ2000の画面やスクロールには思わず声を上げていました。 やはり、スワン持ってない人にはファイナルラップは効果的です。 (GUNPEY→ファイナルラップの順で見せるとさらに良し) |
新幹線の中からとった風景。 当日はあいにくの曇りで 富士山も見えませんでした。 |
交番の前から大通りに向けて撮った。 この写真からは想像も付かないほど 実際はもっと混み合っている。 欲望と電波の渦巻く町、秋葉原。 |
●酸味のきいてる町「秋葉原」、そして
新幹線で東京駅に到着後、山手線で秋葉原へ向かいました。 Qute訪問が2時過ぎを予定していたので、 暇な午前中を使って行こうと当初から考えていたのです。 しかも3人とも秋葉原は初めてです。 山手線がどっちが内周りなのかとか、 サッパリわからずに適当に乗ったりしながらも (それで失敗が一度も無かったから助かったけど) なんとか秋葉原にたどり着きました。 町全体の感想を一言で述べると… こういうと失礼かな…いや、ごめんなさい、言わせてください。 「混みまくり&酸っぱい」という感じ。 人は見かけで判断してはいけないと言われますが、 判断せざるを得ないほど典型的なオ×クっぽい人もたくさんいました。 滞在時間は約1時間30分くらいだったのですが、 余りにもゴチャゴチャしていて目的地へなかなか辿りつけなかったりしてイライラ。 元々暑かったのが、人混みのせいで熱くなりました。 (あ、そういえばジャンクパーツショップを見て熱くなってる人もいましたねぇ…。) 結局収穫はこねこトロストラップひとつくらいでした。 (しかもこれ、どこでも買えるものだし) とにかく秋葉原はもう懲り懲り。 もう一度くらいは、探索に向かってもいいかなぁとは思うけど、 ひとりでは絶対いけない。恐ろしい。 そんな思いを胸に秘めながら、 いよいよ今日の本題であるキュートへ向かうことにしました。 |
●Qutemapを携えて
秋葉原から中央線快速とかいう電車で新宿へ向かい、 そこから小田急小田原線で町田へ向かいました。 秋葉原から結局40分くらいで町田へ到着。 町田からはキュートさんのページにあったQutemapを参考にしました。 手書きの地図ですが、これが意外にわかりやすかったです。 Qutemapを見ながら第一小学校を横目に歩き続け、 ついに僕たち3人はQuteさんのあるアイケーブリックへ辿りついたのです。 |
これが問題のQutemap。 図の中の青いルートは 僕たちの通った道です。 |
キュート内部の写真は、 もちろん撮っていないので、 イマジネーションでお楽しみ下さい。 これは小田急線の町田駅から 少し歩いたところです。 |
●キュート潜入
アイケーブリックの入り口の所にインターフォン(ていうのかな)がありました。 「うむむ…緊張するなぁ。」 僕がそう言ってる間にたかぼーが勝手に途中まで操作してしまったので、 躊躇している暇もなく、僕は続いて呼び出しボタンを押しました。 ほどなくして「はい、キュートです。」という声。 「今日訪問することになっていた××ですが。」 「はい、それじゃあ開けます。」 ガチャッ。 近くにあったドアの入り口のカギが外れました。 僕たちはそのドアから中に入り、エレベーターに乗り込み、 キュートのある階を指定し上に向かったのです。 すぐにキュートのある階へ着きました。 あっ…あった…「有限会社キュート」という表札。 「この向こう側はもうキュートなんだ…。」 はやる気持ちを抑えつつ僕はインターフォンを押しました。 するとすぐに… ガチャ!(うお、開いた!) 「どうぞ〜。」 僕たちは中へ通され、 「そこ座って良いよ」と言われ、 座布団のようなものに座りました。 どうやらデバッグの真っ最中らしく、 僕たちは挨拶もそこそこに、 緊張で身を固くして黙り込んでしまいました。 それを見かねた園田さんが立ち上がって冷蔵庫の所へ行き、 「日本茶と紅茶どっちがいい?」って聞いてきたので 僕は「あ、じゃあ日本茶のほうで」と答えました。 すると園田さんは驚いた様子で 「あ、なんだ。静岡から来たっていうから、 てっきりそんなちゃんとしてないお茶なんか飲めねぇって言うと思った。」 一同、爆笑。 その後、お菓子も出してくれました。 そこで初めて自分たちがまだお土産を渡してなかったことに気づきました。 よほど舞い上がってたということでしょう。 すぐに取り出し、渡しました。 佐藤さんも園田さんも、うなぎパイのことは知っていたようで、 「夜のお菓子」トークで盛り上がりました。 そんな感じで雑談しながら段々と緊張の糸もほぐれ、 話もそれなりに弾んできた(?)ところで、 いよいよ開発中のワンダーウィッチに触らせてもらえることになりました。 |
●ワンダー・ウィッチ・プロジェクト
「じゃ、そろそろ見せましょうか。」 スケルトンブルーとシルバーメタリックのスワンを僕とNUTSが受け取り、 (たかぼーは僕の後ろからのぞき込んだ。) 「じゃあ、起動してみて」と園田さん。 シュピーン!(起動音) 「うおおお…これ、見たことある。タイトル画面だー。」 「ぬおお。これがランチャ画面かー。」 画面が少しでも変わるごとに驚く僕たち…。 「恵梨沙フォントも綺麗だなぁ。8×8ドットなのに漢字がしっかり読める…。」 色々な感想を口にしながら、ウィッチについての説明を色々としてもらいました。 そしてそれから約2時間半に渡って、僕たちは作りかけのFAQを見せてもらえたり、 ウィッチに込められた熱い思いや、これはまだオフレコだろというようなお話を、 たっぷりと色々と聞くことができました。 |
キュートさんのHPに載っている 開発中の画面です。 僕たちが見てきた画面と 大きくは変わっていません。 この外観に隠された本質を アナタは見抜けますか? |
帰りの新幹線の中で撮りました。 FANTAVISIONじゃないです(笑) でもこれ、何の花火だったんだろ。 |
●あとがき(感想とまとめ)
多分、もっとパソコンやプログラムに詳しい人がいたら、 もっとトンでもない話を聞けたかも知れません。 でも僕らは今回の訪問は凄く満足しています。 なぜなら佐藤さんも園田さんもこのウィッチは片手間で作っているわけではなく 本気で、情熱を持って作られているというのが確信できたからです。 個人的に感じたのは、佐藤さんも園田さんも、 「それは違うんじゃない?」とか言われるかもしれないけど、 凄くロックだなぁと思いました。 なんて言うか、凄くカッコよかった。 NUTSは「インディーズバンドみたいだ」とも言っていました。 原点回帰。 ウィッチの話を聞いているときに最初に浮かんだ言葉です。 それは、単に昔のパソコンゲームを移植できるとかいう単純な話ではありません。 もっと、ホビープログラミングの原点、ゲームの原点、 そして、コンピューターの原点へ帰る事を意味します。 詳しくは言えませんが、ワンダーウィッチは凄いです。 製品版でマニュアルと共に明らかになるでしょう。 とにかく凄いなんて言葉で片づけれないほど革命的です。 本当に手作りというか、ユーザーの事を考えて作られています。 出回っている市販のソフトでは意外とできていないことが、ウィッチではできます。 それが嬉しかったし、とても興奮しました。 確実に言えることは、ウィッチはとてつもない自由度と可能性を秘めています。 ウィッチの中で当たり前のようにできている便利な機能などは、 実は革命的な方法で大変な労力と苦労の末にできあがっています。 それが全てできあがった状態で製品化されるわけですから 僕たちユーザーはそれらに気づくことができません。 そして、わかろう、気づこうとする人はほとんどいないでしょう。 ウィッチを買ったらそういう細かい所ひとつひとつに 感謝の気持ちを持って接していきたいと僕は思いました。 ワンダーウィッチは今のゲーム業界に対するひとつのテーゼだと思います。 これが発売されたら、一体どうなるんだろう…とワクワクします。 佐藤さんも園田さんも「早く発売したい」と言っていました。 発売日や価格は、じきにバンダイのほうから明らかになるということです。 佐藤さんや園田さんはこうも言っていました。 「ワンダースワンは良いハードだよ。」と。 この小さなハードに秘められた無限の可能性や底力を感じ僕は嬉しくなりました。 とにかく佐藤さんも園田さんも凄く気さくな方たちで、 終始笑いが絶えなかったとまでは言いませんが (僕らが余りにも緊張していたのがいけないんだけど) 和やかな雰囲気で凄く良かったです。 僕は今回の訪問を通して、 ゲームやプログラミングやコンピュータに対する考え方が変わりました。 「企業の力じゃなくてさ、ユーザー同士で輪を広げていけたらいいよね」 ワンダーウィッチが盛り上がるかどうかは僕たちユーザーにかかっています。 今、これを書いている現在。 ウィッチによってスワンはまた新たなステージへと向かう。 そしてゲームボーイとは完全に違う道を歩んでいく。 そんな奇妙な確信が感覚としてあります。 「ぶっ飛んだ事をして、俺達を驚かせて欲しい。 これ使ってどんな事をしてくるか、俺達はそれが楽しみなんだ。」 そう語るお二人がとても楽しそうだったのが印象的でした。 さぁ、みんなでド肝抜いてやりましょう! 今回、快く訪問を承諾して下さった有限会社キュート様。 そして、貴重なお話をして下さった佐藤さん、園田さん、 本当に、本当に、ありがとうございました。 ワンダーウィッチが無事発売されるのを心から祈っております。 |