両手両手首取り
呼吸崩し(上方)

一般的には「合氣上げ」、合気会では「座法正面両手首持ち呼吸力養成法」と言っています。

1.互いに正座で相手に両手首を両手で外側から握ってもらいます。この時の取り方がガシッと取ったりふわっと取ったり人により様々です。
2.手首を握られた所を支点に広背筋を使って脇を締めながら両手のひらを上に向けます。同時に大胸筋を使い両肘を身体前面に絞るようにします。身体全体が締まっている状態です。
3.手のひらが上面を向いている状態で腕の筋肉の力を抜きます。相手の手のひらに自分の腕の重みが載ることになります。接触点を相手の接触点に密着させる為に相手を押さないように微妙に押し付けます。(この事を「当てる」と言います。)
4.相手の握っている手のひらで一番強く相手の力を感じるところの接触点をえぐるようにして起こします。この時、自分の肘から先の腕と相手の腕の肘から先が一直線になる角度を保持しなければ力が正しく流れません。
5.少し身体を反らし気味にすると相手が浮き上がります。

身体を(広背筋と大胸筋で)締めて、腕の筋肉と接触点の力を抜くという相反する筋肉の使い方を訓練します。同時に接触点の微妙な感覚をいろいろな相手に対して認識・識別する訓練です。「握り方にその人の心が表れる」と言われる所以です。

この方法は外見的には固く感じますが身体操法の「楷書」です。肘・腕・接触点の動かし方・力の抜き方・相手との角度を分解して身につけます。各部所をゆっくりと動かしても相手が浮き上がるようになれば、動きを小さく・早く・軽く動かしても相手は浮き上がります。

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