第十三話 No system files事件


 とある日。
 ごくわずかのメモリを最大限活用してフリーソフトで遊んだりして、いつものようにパソコンで楽しんでいた。
 すると突然、(パッ!)
 停電・・・。
 今まで、パソコン使用中に停電になったことがなかったので、大ショック!
 「消えてないよな・・・。
 そうだよ、電源コンセントを抜いたってデータは消えないんだ。
 だいたい、停電で消えるのなら、今頃苦情が殺到しているはずだ。
 いや、でも、もしかすると・・・。
 待て、落ち着け、落ち着くんだ。
 もし消えていたとしたら、まずあの絵、それからフリーソフト、それから・・・、
 いや、絶対消えてるわけないじゃないか!
 大丈夫、絶対大丈夫だ・・・。」

 (パッ!)明かりがつく。
 おそるおそる電源を入れる。
 ・
 ・
 ・
 ・・・・・。
 「ピー」
 No system files
 (グサァッ。)
 ・
 ・
 ・
 ・・・・・。
 (脳内純白)
 (顔面蒼白)
 (神経麻痺)
 (感情無心)
 (派派羅派)
 (瞳孔全開)
 (時間停止)
 (夢界迷入)

 24時間後、時間が止まっていたので実際には数秒後
 フロッピーディスクドライブに目をやる。
 何か入っている。
 (パアァ・・・)
 ・
 ・
 ・
 ・・・・・。
 (脳内花園)
 (顔面爽快)
 (神経柔和)
 (感情最幸)
 (不弐不弐)
 (瞳孔不定)
 (時間再生)
 (世界平和)

 フロッピーを取り出し、リセットを押す。
 通常通り起動。
 涙が止まらなかった。


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