第十四話 キャッチホン事件


 父が念願の一戸建てを建て、引っ越すことになった。
 親戚一丸となって荷物、家具を運び込む。
 ちなみに、父は大工なので、この家の設計には私や父のアイディアが多数盛り込まれている。
 たとえば、私の部屋にパソコンデスク用の場所を一畳作ったりした。
 そんな中、電気屋さんたちが来て、テレビを接続したり、ストーブを設置したりした。

 そして、ある時、電話会社の人がきた。
 先に行っておくが、父は、引っ越しの再、電話をパルスからトーンに変えて契約したのだ。
 前の家にある二台のうち、先に持ってきた古い方の電話で仮に接続する。
 電話会社の人は、早速テストをする。
 正常につながっているようだ。
 次は、かけてみる。
 今までパルス式だったので、うまく作動しないようだ。
 パルスとトーンの切り換えスイッチを探す。
 「すいません。これ、パルス専用の押しボタン電話みたいですね。 切り替えスイッチが見あたらないんですよ。
 これだと、向こうからかかってきたのを受けることはできますが、こちらからかけることはできないんですよ。」
 なにー!
 しかし、まだこちらの家には運んできていないもう一台の電話には、確かに切り替えスイッチがあったので、 とりあえず、それで接続して、その後、正式に接続した。
 これで、今の電話は正常通り使用できるようになったのだが、古い方の電話は、 私のパソコンに接続することとなった。
 私の部屋から電話する場合、パソコンを起動し、98TEL/FAXを起動し、このソフトで番号入力を行い、 外付けの電話で話をするやってらんねぇ!
 しかし、電話のトラブルはトーンだけでは終わらなかった。
 父は、キャッチホンも契約したのだ!
 話を聞くと、私がよくインターネットを使っていて、電話をかけてきた人が「ずっと話し中だった」ということが、 よくあったからだという。・・・・?
 キャッチホンに入ってどうするの!
 そういうときは、キャッチホンじゃなくて、ISDNじゃないの?!
 ちなみに、その後どのような結果になったかというと、
 キャッチホンは通常、話し中にかかってきても、電話を受けられるのだが、 ネットに接続中にかかってきた場合、無条件で接続が切れる!その後、何事もなかったかのようにベルが鳴る。
 しかも、パソコンは接続が切れたことに気づかず、接続時間の表示は動き続ける。
 何かロードすると、「接続できません」というが、切れていることにはやっぱり気づかない
 現在、私は、パソコン本体内から聞こえる、接続・切断時の「カチッ」という小さな音を聞き取り、 切れたときは手動で接続し直している。やってらんねぇ!


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