Last Up Date / Dec.2.1998

photo by Motohisa Goto

 サウスダコタ州とネブラスカ州の州境に近い、オグララという町で8月の第一週に「POW-WOW」というネイティブアメリカンのお祭りが開かれる。ラコタの居留区の中だ。カラカラに乾いた赤土の広場を円形に櫓が囲っている。その下にイスや敷物で場所取りをする。お年寄りが一番いい席に座っている。孫や曾孫がまとわりついている。
 この広場でダンスやパウワウソングのコンテストが開かれる。ネイティブの屋台では「インディアンタコ」というタコスのトルティーヤが揚げパンに変わったような物が売られ、華やかな衣装を飾るビーズや貝細工、銀の飾りなどを売る屋台もでる。もう一つの広場には移動遊園地やロディオも来ていた。
 ダンスが行われる広場に行くとなんだかとても懐かしい感じがする。着ている物は派手だし、言葉は通じない。でも、懐かしい。ふっと横を見ると自分と同じような顔をした青年が立っていた。後ろには親戚のおじさんとおばさん。顔が何となく似ているのだ。さすが 同じ系列の人々。そういえば日本人らしい家族に通りすがりに「こんにちは」と挨拶したら「えっ」と驚かれたことがあった。ネイティブと間違われたのだ。ネイティブのおじさんに「なに族だ」と聞かれたこともある。基本的に彼らが似ているのではなく私が似ているらしい。
 ダンスの広場ではトラディショナルダンサーが朝から晩まで1日中踊っている。
優勝賞金は200ドルとか600ドルとか聞いた。みんな必死になる。24〜5才くらいの若者は賞金稼ぎで一夏を過ごす。ここ以外の処でも同じダンサーをみたことがある。
スタージスの酒場のテントでダンスを披露してチップを稼いでいるのも見たことがある。
ここでは真剣なダンスバトルが見られる。名誉と賞金がかかっているのだから。