管楽器奏者の歯のためのページ
口のまわりの筋機能療法 (MFT:ORAL MYOFUNCTIONAL THERAPY)
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筋機能療法の本来の目的 口のまわりの筋肉が弱くバランスが悪いと、舌で前歯が押され、開咬(前歯が開いている)や上顎前突(いわゆる出っ歯)あるいは反対咬合(受け口)といった不正咬合を引き起こすことがあります。また、このような舌の癖があると、矯正治療が順調に進まなかったり、矯正治療後に後戻りすることがあります。 矯正装置をつけなくとも筋機能療法のみで不正咬合がある程度改善することもありますし、矯正治療が成功するために筋機能療法の併用が必要な場合も多いのです。 また、歯ぐきや歯を支える骨が弱ったとき舌の癖があると歯並びが崩れたり、逆に舌の癖によって歯ぐきや歯を支える骨が弱る可能性もあります。 具体的には、普段舌は上顎についていて口唇は楽に閉じ、正しい嚥下、発音ができるようにするのが、筋機能療法の目標です。
チェックしてみましょう (鏡と水をいれたコップを用意してチェックしてください)
1.普段の舌の位置は歯と歯の間から出ているあるいは下の前歯を押している。 2.舌の脇に歯形のようなへこみがある。 3.口唇を閉じて鼻だけでしばらく呼吸をすると苦しい。 4.普段口唇を開けている。 5.口唇を閉じると筋肉が緊張し、オトガイ部(下顎の先)にシワができる。 6.口唇を閉じるとヘの字になる。 7.水を飲むとき舌が歯と歯の間から出てコップを迎えにいく。 8.水を飲み込むとき前歯で舌を咬む。 9.水を飲み込むとき口唇に力が入る。 10.サ行やタ行を発音するとき歯と歯の間から舌が出る("th"になる)。
1あるいは2にチェックがある人は「低位舌」 4〜6にチェックのある人は口唇が弱い 7〜9にチェックがある人は異常嚥下癖(正しい飲み込みができない) 10にチェックがある人は発音に問題あり
1から10のどれかに該当する人は、ぜひ筋機能療法をやってみてください。
どれにも該当しない、舌の癖はないぞという人でも、バテないように口唇や顔面の筋肉を鍛えてたいとか、舌を鍛えてタンギングのキレをよくしたい....という人にはお勧めです。
鼻で呼吸ができないとうまくいきません。3にチェックのある人は、耳鼻科医を受診した方がよいでしょう。 まだ指しゃぶりをしている人もうまくいきません。まだやっている小中学生は早くやめましょう。 舌の下の紐(舌小帯)が短い人は切ったほうがいいです(舌を出すと先がへこむ)。 また、単に歯が出ているために口唇を楽に閉じられないこともありますし、咬み合わせによっては矯正治療してから筋機能療法をやった方がよいこともあります。
筋機能療法はどのように行われているか 通常、矯正歯科医院でセラピストとしてトレーニングされた歯科医師あるいは歯科衛生士が行います。アメリカでは専門のセラピストが自分のオフィスを持ち、矯正医からの依頼で筋機能療法を行っているそうです。 レッスン1からレッスン10まであり、一回のレッスンに約10分かかります。これを1日2回(2時間以上間隔をあける)毎日行い、2週間行ったら次のレッスンに進みます。本当はセラピストの指導を受けて行うのが望ましいですが、ここでは具体的な注意点をできるだけのせるようにしますから良く読んで頑張ってください。
なお、筋機能療法のプログラムにはいろいろあるのですが、ここではZickefoose氏のテキストを参考にしました。
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