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そこは自分で考えてくれ

書名:そこは自分で考えてくれ
著者:池田清彦
発行所:角川学芸出版社
発行年月日:2009/3/15
定価:1400円+税

 地球温暖化などについても非常にユニーク(本当はあたりまえのこと)なことをいっている著者です。本当のことを言うと世界が凍り付いてしまう。だから誰も知っていても言わないのか?この著者は正直すぎるのか?仮に地球温暖化の原因がCO2の増大だとすれば、今、使っている化石燃料を即使わないようにするのが一番に必要なのに、排出権取引など全く別の所に議論がいってしまっている。温暖化問題はヨーロッパ(EU)が金儲けのネタとアメリカから主導権を取り戻すために仕組んだ陰謀。地球温暖化を騒いだ人にノーベル平和賞を準備したり、排出権取引を考えたり。したたかなEUの陰謀に何の疑いもなく大騒ぎしている脳天気な日本。そこは自分で考えてくれ

 子育て支援に6兆円の予算を使う。国家公務員の給料とほぼ同じ、それより先にやることは国民が生活できる仕事を与えること。準備すること。自立して子育てが出来る親を作ることが先。いっそのことならこのお金を使って国家公務員を倍にしたほうが良いのではないか。

 温暖化バッシング、喫煙バッシング、大麻バッシング、児童ポルノバッシング等の原理主義。いつも自分がマジョリティであるとは限らない。人の自由を邪魔する。バッシングする。これに快感を覚える人が多くなってくると民主主義は泥沼に陥る。自分の自由を侵されない、人の自由も侵さない。これが基本。でも実際は少数者に対して病的なバッシング。
少数者をバッシングする楽しみに目覚めた人は鵜の目鷹の目でターゲットを探している。日本は最近つとに下品な国になりつつある。と。

本書から
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ルールとマニュアルさえ決めれば、システムは作動すると信じているらしいことだ。人間は生物だからルール通りには動かない。これはほとんど生物の定義である。とくに生身の人間を相手にする教育や医療では、ルールはどんぶりでいいから状況に応じて適当に判断するのが最も正しいやり方なのだ。欺瞞に充ちた世の中だけどマジになる奴が10人いれば世界は変わるはずだ。

「賞味期限」の制度は、腐ったものとそうでないものの見分けもつかない。自己責任で判断する能力を持たない。人間力の低い人間を作り出すことで、「食の安全」どころか、根底から「食を脅かす」作用を果たしているように、私には見える
(団まりなより)

「喫煙者いじめ」が政治的に正しい意見として通るのは、喫煙者が少数者に転落し、社会的影響力を失ったからである。理由はそれだけである。ある社会集団の数が多いうちは黙認し、ひとたび少数者となったら叩く。それが当今の良識らしい。
(内田樹)