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物語 京都の歴史 花の都の二千年

書名:物語 京都の歴史 花の都の二千年
著者:脇田 修・晴子
発行所:中央公論社
発行年月日:2008/1/25
ページ:317頁
定価:940円+税

京都の歴史は知ればしるほど新たなことが出てくる。益々興味を持つようになってしまいます。よく安土桃山時代という時代区分、ちょっとおかしい。飛鳥時代、奈良時代、平安時代、鎌倉時代、室町時代、(安土桃山時代)、江戸時代と。その中でなんで桃山?伏見の地に桃が植えられて桃山と呼ばれたのは江戸時代になってから。地名で付けられた時代区分の中に異質の桃山が入っている。本来ならば安土・大坂時代では?

著者(夫婦)は能にも堪能で、京都の各地が能の舞台になっている場所を能のシーンととともに紹介している。一般的に有名なところはあまり採用していない。知られない歴史を何気なく書いている。室町時代日本の文化の原点といったものが、芽生えてくるが、それは平安貴族、公家文化への反発から、賤民の人々から生まれた能、猿楽、築庭などを足利義教は世阿弥、観阿弥など重用していった。公家への対抗からだと言う。特殊な職業集団が後に部落解放というながれに。

宇治の平等院の西に、大きな湖が昭和初期まであった。平等院の極楽浄土、西に沈む太陽がその湖に映った夕日、が西方浄土を現していたのでしょう。この湖は巨椋池という大きな湖。京都の歴史の中で忘れてはいけない場所。桂川、賀茂川、宇治川の合流地点にあった巨椋池、今は干拓で残っていない。

庶民、商工業者、学問文化の興隆など興味あるテーマで面白く纏めてある。巻頭に京都の年代別の地図が掲載されている。