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井沢式「日本史入門」講座 4 「怨霊鎮魂の日本史」の巻

書名:井沢式「日本史入門」講座 4 「怨霊鎮魂の日本史」の巻
著者:井沢 元彦
発行所:徳間書店
発行年月日:2008/2/29
ページ:317頁
定価:1500円+税

源氏物語は紫式部が書いたとされているが、どうも複数の作者によって書き換えられているような形跡がある。源氏物語54帖には話がつながらないところがある。「源氏物語の研究」武田宗俊氏によると原型の源氏物語があって、その後、いろいろな人達が自分たちの好みの場面を追加していったのではないか?武田宗俊氏の研究によれば①桐壺→⑤若葉→・・・藤裏葉(A列)、 ②帚木→⑥末摘花・・・真木柱(B列) のように分けて並べると矛盾なく読めるということ。でも学会では誰も認めない。問題にすらしていない。
原型の部分は紫式部が凋落してしまった源氏の鎮魂のために書いた。当時頂点を極めていた藤原道長もその紫式部を支援している。源氏物語は源氏の怨霊を鎮めるための鎮魂歌?という。竹取物語は藤原氏への批判の書。伊勢物語は紀氏への鎮魂と共に藤原氏の批判書。平家物語は、信濃前司行長(藤原行長多分下級貴族)なる人物が作者であり、生仏という盲目の僧に教えて語り手にしたとも言われている。この平家物語を書かせ、琵琶法師に語らせたのは慈円とも言われている。この平家物語を琵琶法師に語らせるという方法は画期的なもので日本の文盲率一気に下げたとい言われている。

この物語は平家への鎮魂のため。日本は昔から言霊を信仰していて、不幸に死んだ。恨みを以て死んだ。成仏していない霊によって祟りがある。それが怖いので国家行事としてその霊魂を鎮めるために祈祷、神社の設立などを行っている。有名なのが菅原道真、崇徳天皇(上皇)など。崇徳天皇は保元の乱の首謀者として讃岐に流される。讃岐で失意のうちに無くなってしまう。「天は民に、民は天にしてしまう」と言って亡くなったと。天皇の天下から幕府に政権が交代したのはこの崇徳天皇(上皇)の怨霊のせいと言われている。そこで幕末に明治天皇は慶応4年(1868年)8月18日に自らの即位の礼を執り行うに際して勅使を讃岐に遣わし、崇徳天皇の御霊を京都へ帰還させて白峯神宮を創建した。昭和天皇は崇徳天皇八百年祭に当たる昭和39年(1964年)に、香川県坂出市の崇徳天皇陵に勅使を遣わして式年祭を執り行わせている。

何故?日本には朝廷、幕府のように政権が交代しても前政権を滅ぼすことをしなかったのか?平安時代でも天皇家でなくても藤原氏が十分力持っていた。滅ぼす気になればいつでもできたはず、でも藤原氏は寄生する道を選んだ。荘園という脱税方式を徹底させて経済的圧倒的な優位を気付いた。その後の鎌倉幕府、室町幕府も江戸幕府もやっぱり朝廷を滅ぼすことは考えなかった。世界でも希有な国です。そこにも怨霊が影響していたのかもしれない。

3分で読む源氏物語/紫式部の平安文学54帖/光源氏の生涯のあらすじ
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