書名:福島原発事故被災者支援政策の欺瞞
著者:日野 行介
発行所:岩波書店
発行年月日:2014/9/19
ページ:225頁
定価:780 円+税
福島第一原発事故の時、年間20ミリシーベルト以上の地域の人々は避難を強制された。避難地域に指定された住民には支援の手も差し伸べられているが、それ以外の地域の人達で自主避難した人達。そして避難を解除して復帰を政府は住民の意思とは別に強引に進めている。
そして鳴り物入りで超党派の議員立法で作られた「子ども被災者生活支援法」はどんどん骨抜きにされて、人々を棄民している。
いまでは福島の事故はなかったもの、いやなものは見たくない。報道してはいけないのも。そして何事もなかったにして住民は棄民として扱われいる。犯罪者である東京電力、政府が支援する。原告が賠償も支援も担当しているこの矛盾?賠償にしても支援策にしても犯罪者が音頭をとっている。そして本当は被害者の声は封じ込められいる。
放射能の正しい理解などと100ミリシーベルト以下は大丈夫、安心と。煙草よりも害がない。御用学者、マスコミなどを総動員して福島の事故はたいしたことがなかったと。でも原因を作ったのは東京電力、政府では。被害者の誰しも好んで放射を浴びたい訳でない。1ミリシーベルト以下が法律で決まっていた。それも骨抜きにされる。帰還の条件に数値が決められない。放射のまみれになったものだから後知恵で盛んに屁理屈をつけて放射能の問題ないことを宣伝する。勿論被害者からはそっぽを向かれる。
読んでいると段々腹が立ってくる本です。主役は誰?誰のための法律?主役を脇に置いて犯罪者が言い訳を言い立ている構図が見えてくる。
「子ども被災者生活支援法」詳しくは
東京電力原子力事故により被災した子供をはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する政策の推進に関する法律(平成24年6月27日法律第48号)
本書より
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誰が、何のために?
311から3年半。いまだ多くの避難者と、母子避難を中心とする自主避難者が、さまざまな不安を抱えながら不自由さと先の見えなさのなかで暮らす。それらの人びと一人ひとりの選択を―帰還か、移住かを問わず―重んじようと議員立法で作られたのが「子ども被災者生活支援法」であった。しかし、それぞれの選択を尊重しようとした立法意思は、大きく旋回していく。なぜ、支援法は骨抜きになってしまったのか。誰が、どのようにして骨抜きにしたのか。本書は、その欺瞞を調査報道によってえぐった1冊である。『福島原発事故 県民健康管理調査の闇』につづく、待望の第2弾!
『福島原発事故 被災者支援政策の欺瞞』著者/日野行介さんインタビュー
http://www.cataloghouse.co.jp/yomimono/genpatsu/hino2/?sid=top_main