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永遠のゼロ

書名:永遠のゼロ
著者:百田 尚樹
発行所:講談社
発行年月日:2009/7/15
ページ:589頁
定価:876 円+税

久々にベストセラーを8年後に読んだ。20代の若い姉弟が、自分の祖父のルーツを探るというストーリーで、今まで祖父は今いる祖父ひとりだと思っていたが、祖母は戦争中に一度結婚していて、この姉弟の母を産んだ。その良人は特攻隊員で命を落とし、その後現在の祖父と再婚したことが判った。見知らぬ祖父のルーツを追ってその生前の姿を、祖父と共に戦った人々を1人1人話を聞いて歩くというストーリー。

その中で祖父は凄腕の零戦搭乗員であるが、臆病者、卑怯者と罵られていたこと。そして「妻と娘の為に必ず生きて帰る」と言っていた。そして妻にも約束をしていた。そんな祖父が戦争が終わる8月の原爆投下後、最後の最後に特攻隊員として出撃する。そこには意外な事実が。祖父の生き様を追いながら、終戦から60年を経て明らかになってくる物語とは?
なかなか良く出来たフィクション。でも何となく違和感も?「零戦燃ゆ」「大空のサムライ」など戦後の戦記物の面白い所ばかりを要領よく纏めた物語構成。ちょっとありえない感じの物語という感じがする。でもこんな構成がベストセラーの条件か?