書名:平成三十年(上)
何もしなかった日本
著者:堺屋 太一
発行所:朝日新聞社
発行年月日:2002/7/1
ページ:381頁
定価:1600 円+税
書名:平成三十年(下)
天下分け目の「改革合戦」
著者:堺屋 太一
発行所:朝日新聞社
発行年月日:2002/7/1
ページ:400頁
定価:1600 円+税
『平成三十年』は堺屋太一の得意な未来予測小説で、著者は現在から未来を予測するときそうなって欲しくない未来。考えられる最悪のシナリオを描いて書いていると言っている。
この本はキャリアの国家公務員の木下和夫の視点、生活、仕事場を通して物語が進行する。舞台は平成二十九年~三十年の日本。木下の勤務する産業情報省は今世紀初頭に誕生した総務省情報通信部局と経済産業省が合併した組織。その産業情報省の大臣織田信介、織田が豊富な資金力と無党派層の支持をバックに改革派勢力を着々と拡げ、反主流派でありながら大臣ポストを掴んだ男。
この男が今まで改革、改革とスローガンだけで終わっていた本当の改革政権を目指して動き出す。2002年当時に20年後を見据えた経済予測、国政予測など参考になる指標も見える。また違っていることも、未来を考える上でのシミュレーションに良い本かもしれない。発売されて時間がたっていることも良いかもしれない。