書名:ウェブはバカと暇人のもの 現場からのネット敗北宣言
著者:中川 淳一郎
発行所:光文社
発行年月日:2009/4/20
ページ:245頁
定価:760円+税
著者は仕事としてネット漬けの日々を送っている。そんな毎日の中から出会った出来事、経験したことからネット社会を斜めに見つめている。情報革命などと大げさに騒がれたインターネットの発展、利用状態、活用の方法など。そのメリットとデメリットを比べながら政治と一緒で大衆が大勢参加してくると、賢い大衆も「愚衆」となってしまう。そしてネットで大騒ぎとテレビで報道されてはいるが、ネットの大騒ぎは普通の人は殆ど知らない。興味もないこと。それを取り上げて報道することで火に油を注いでいる。
ネットがなかったら出会うことがなかった人々がさも特殊で、良いことのように言われているが、本当は違うのではないか?ネットがあってもなかっても出会える人は出会えるし、出会えない人には出会えない。また余計な人、迷惑な人との出会いも多くなってくる。ネットがあってもなかっても実社会は殆ど変わらない。でも著者はその世界にどんぶりと浸かっている。そんな心境を語っている。
マスコミの悪口を言って喜んでみたり、他人に「死ね」「ゴミ」「クズ」と罵倒しまくる人、とかく揚げ足取りばかりの投稿、ミクシィの「今日のランチはカルボナーラ」みたいなどうでもいい書き込みも気持ち悪いと。
「普通の人」「バカ」がインターネットをどう利用しているのか?リアルな現実のレポートです。
なかなか面白い本です。インターネット元年と呼ばれた1995年((Windows95」が発売された年)から20年、ネットを考えるきっかけになるのでは?そういえば「インターネットは空っぽの洞窟」という本もありましたね。