書名:毛利元就の人間学 家康が学んだ遅咲き人生
著者:中江 克己
発行所:ぴいぷる社
発行年月日:1997/4/30
ページ:263頁
定価:1600円+税
毛利元就は五十歳を過ぎてから歴史の表舞台に登場した遅咲きの知将、少し生まれたのが早かったのか戦国時代のその後から見ると、後の武将達と比べても卓越した人物。斬新的にことを進め、決して焦らず、粘りに粘る忍耐強さ70歳で中国地方の覇者となった。なるべく戦闘はせずに被害を最小限にする戦さを常として、時には卑怯だとそしられても己の信念を貫いている。家康も手本としている。
生きる時代や舞台は違っても死ぬまで夢を描き続ける元就の生きたかに感動すら覚えてる。彼は生涯において合戦ではあまり負けていない。負ける戦はなるべく避けている。晩年の陶晴賢による謀反、厳島の合戦によって大飛躍を遂げた。それには用意周到な根回し、裏工作によるところも多い。このあたりの機敏は現在にも通じる示唆を与えてくれる。そんな元就を描いている読み応えのある本です。