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緋の天空

書名:緋の天空
著者:葉室 麟
発行所:集英社
発行年月日:2014/8/30
ページ:339頁
定価:1600円+税

時は奈良時代、藤原不比等の娘として生まれた光明子の生涯を描く一大絵巻。物語の始まりは大仏開眼供養から始まる。朝廷の権力争い、相次ぐ災害や疫病。夫・聖武天皇を支えて国と民を照らす大仏の建立を目指す。時の権力者である父・不比等からは「闇を払う光となれ」と光明子と名づけられ、母からは「この世を鎮め、穏やかならしめるのは女人の力」であり、その務めを果たすようにと育てられた。
天武天皇以来朝廷の中では常に権力争いが起こっている。この光明子の時代も長屋王の変、そして長屋王の怨霊によるされた藤原4兄弟の死。そんな中を女帝(孝謙天皇・光明皇后の娘)の後ろ盾となって政治に邁進する。そんな物語。