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薬種御庭番 黄金の影、朝鮮人参を入手せよ

書名:薬種御庭番 黄金の影、朝鮮人参を入手せよ
著者:高田 在子
発行所:青松書院
発行年月日:2012/9/20
ページ:475頁
定価:2400円+税

「黄金の影」「朝鮮人参を入手せよ」という2つ作品が収録されています。小石川薬園に勤める薬種御庭番の玉置清之丞が薩摩に潜り込んで、黄金の花を咲かせる植物を手に入れるというストーリー。徳川吉宗が民のために小石川薬園、小石川養生所を作って、薬になる薬草を栽培するため、薬種御庭番を全国の藩に派遣して種、苗を入手してきて薬園で栽培化する。将軍といえどもどこの藩でも献上するわけではなく。秘密裏に盗んでこないといけないこともあった。特に薩摩は他藩の人達の出入りは非常に警戒していて薬種御庭番といえども容易には入ることができなかった。

薬種御庭番というのは表の顔は薬の採取、でも将軍直属の忍び(スパイ)という面もある。玉置清之丞は忍びの手も借りて薩摩へ潜入、そして黄金の花をさせる鳥兜の一種を手に入れてくる。この鳥兜を将軍吉宗の暗殺に使おうとしていた薩摩の陰謀を阻止した。という波瀾万丈の物語。作者は横浜市の出身の女性。まだ新人?
ちょっと荒削りのところもあるが、なかなか面白い作品です。ただ斬り合いの場面などよく分からないところもある。

もう一作は「朝鮮人参を入手せよ」対馬藩を通じて朝鮮から朝鮮人参の種子を手に入れるという物語。史実に基づいている。この時代(徳川吉宗)に朝鮮人参の種子を手に入れて最初に日光で栽培に成功、その後長野、出雲などに広まる。現在でも栽培されている高麗人参、朝鮮人参なと呼ばれているが同じもの。呼び方が違うだけ。


高田在子(ありこ)さん | 戸塚区 | タウンニュース
http://www.townnews.co.jp/0108/2012/10/11/160791.html