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真田幸村 真田十勇士

書名:真田幸村 真田十勇士
著者:柴田 錬三郎
発行所:文藝春秋
発行年月日:2014/1/10
ページ:283頁
定価:560円+税

大正の頃大阪の講釈師なにがしが「立川文庫」をつくり猿飛佐助などを創作した。その立川文庫を発展させた柴田連三郎の「立川文庫」です。

「滅び行く者が、覇者に立ち向かう場合、その誇りとするところはおのが酷苦修練せし術を、死力を尽くして、発揮する一点にあり、真田幸村とその股肱十勇士が、人間ばなれしたる働きを為したる所以に、そこにあり」前説にあるように滅び行く者の悲哀、そして見事さを描いている。

家康を最も恐れさせた男、真田幸村、関ヶ原の戦いが終わってから大阪夏の陣までが舞台。真田幸村。彼の下には忍者・猿飛佐助や霧隠才蔵、石川五右衛門の一子・三好清海入道、穴山小助、由利鎌之助、為三入道、筧十蔵、高野小天狗、呉羽自然坊、真田大助幸綱ら十勇士がいた。忍術、知略、謀略、お色気、奇想天外の戦い方で徳川方を苦しめる。しかし豊臣家と共に滅びへ。狭い日本で徳川だ豊臣だと言って騒いでいなくても世界を見渡せば日本の国土程度なら何処にでも確保できるとシャムの山田長政の元へ秀頼を逃がす計画。奔放自在な柴田錬三郎節が聞こえてくる伝奇ロマン。なかなか面白い読み物です。