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海賊と呼ばれた男

書名:海賊と呼ばれた男(上)
著者:百田 尚樹
発行所:講談社
発行年月日:2012/7/11
ページ:380頁
定価:1600円+税

書名:海賊と呼ばれた男(下)
著者:百田 尚樹
発行所:講談社
発行年月日:2012/7/11
ページ:362頁
定価:1600円+税

出光興産の創業者・出光佐三をモデルにした小説です。異端の石油会社「国岡商店」を率いる国岡鐵造の太平洋戦争が終わった終戦から書き始め、海外展開していた「国岡商店」では終戦直後海外に7割の社員がいた。そして財産も資産も全て無に帰した。残ったのは借金のみ、それでも社員の馘首は切らない。新たな仕事探しから戦後が始まった。GHQとの戦い、大手石油会社から排斥、石油業界に果敢に挑んでいく「国岡商店」の社員と国岡鐵造を描いている。評伝出光佐三を国岡鐵造に変えただけという感じもする。伝記は全く違うことはかけないので仕方がないかもしれないかな。出光佐三は出光美術館を作っていろいろな美術品も集めている。特に仙崖義梵が好きだったとか、仙崖 「指月布袋画賛」、布袋さんとかなかなか楽しい作品です。思わずほほえまずにはいられない。そんな一面もあったのかと思います。

出光佐三についてはバイブルと呼べる書「評伝出光佐三 士魂商才の軌跡」高倉秀二
出光興産のモットーである「人間尊重」「大家族主義」「黄金の奴隷たるなかれ」「生産者から消費者へ」「士魂商才」、すなわち、「志は高くともしっかりそろばん勘定もする」という姿勢も、「黄金の奴隷たる事勿れ」(1)クビ切りがない。(2)定年制がない。(3)出勤簿がない。(4)労働組合がない。という常識を破る「四無」主義、これを一生かけて貫いた出光佐三の生涯を描いている。

『海賊とよばれた男』に学ぶ、
http://toyokeizai.net/articles/-/13887