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江戸は心意気

書名:江戸は心意気
著者:山本 一力
発行所:朝日新聞社
発行年月日:2007/6/30
ページ:242頁
定価:1200円+税

江戸時代をテーマにした歴史エッセイ集です。「『元禄バブル』で財を成した豪商・紀伊国屋文左衛門」紀州から蜜柑を運んで財をなしたという物語、本当!当時の百石船で持って来ても400両程度、利益は100両も上がれば良いところ。でも何故か紀伊国屋文左衛門をいうと蜜柑船、でも上野寛永寺の普請を請け負った。

材木商で財をなしたのが本当のところ、そして稼業が隆盛であったとき、きっぱりと商売を辞める。江戸期の貨幣経済金、銀、銭それぞれの貨幣単位そしてそれぞれに相場があって、米1石=1両が基本であるが、金、銀、銭それぞれの相場を庶民は計算して理解していた。これって結構凄いこと。円、ドル、ユーロで毎日暮らしていくと今の人間でもついて行けない人がいるのでは?
江戸時代の庶民はそんなこともこなしていた。また江戸名所図会などにも文字が書いてある。それも結構難しい文字も、でもそれが読まれていたということは結構読み書きできる人がいたのでは。「陽を浴びた朝つゆ」「猫もいる」「閻魔堂の虹」などを収録されている。なかなか面白い本です。