記事一覧

本に出会う

星籠の海

書名:星籠の海(上)
著者:島田 荘司
発行所:講談社
発行年月日:2013/10/3
ページ:443頁
定価:1800円+税

書名:星籠の海(下)
著者:島田 荘司
発行所:講談社
発行年月日:2013/10/3
ページ:423頁
定価:1800円+税

瀬戸内海を舞台にしたミステリー、松山沖の興居島のある湾に、続けて死体が流れ着く、この島に住む巡査の娘の依頼で、奇妙な事件の調査に御手洗潔は、石岡和己とともに瀬戸内に。瀬戸内海の海の流れをシミュレーションして死体の投げ込まれた地点を探り当てる。対岸の福山市の鞆の浦沖2kmの地点が上がってくる。鞆の浦は古代(遣隋使、遣唐使の頃)から潮待ちの湊として繁栄していた港。

また室町幕府最後の将軍足利義昭が織田信長に追われて毛利の庇護に移り住んだところ。また内陸部の福山は江戸時代九州、中国地方の押さえとして福山城が築かれたところ。幕末に阿部正弘が出たところ。複数の死体遺棄事件の背後に見え隠れする。鞆で活動するある宗教団体の存在が影を落とす。幕末に老中首座を務めた福山藩主阿部正弘と、かつて瀬戸内を制した水軍の秘密を探っていくことで事件の謎を解明していく。話の展開が早く、御手洗潔の解明の手際の良さ、そして歴史の謎といろいろな題材が盛り込まれて主題のピントがぼけているところもあるが、なかなか面白い作品です。どちらかというとテレビ番組、映画向きか?

玉木さんら「映画楽しみに」 福山舞台、「星籠の海」撮影で会見 広島
http://www.sankei.com/region/news/150509/rgn1505090051-n1.html