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斜め屋敷の犯罪

書名:斜め屋敷の犯罪
著者:島田 荘司
発行所:講談社
発行年月日:2008/2/7
ページ:309頁
定価:900円+税

70歳近いハマー・ディーゼル株式会社会長の浜本幸三郎は北海道の最北端、宗谷岬の高台に奇妙な「斜め屋敷」という西洋館を建てて暮らしていた。この館はピサの斜塔のように斜めに傾いて建っていた。この西洋館を「流氷館」と名付けられていた。1983年12月クリスマスから年始にかけて浜本幸三郎の付き合いのある人々を招いてクリスマス会を開くことになっていた。キクオカ・ベアリングの社長、菊岡栄吉とその愛人兼秘書の相倉クミ、重役の金井道男とその妻初江らが招かれ、日下瞬、戸飼正樹、浜本嘉彦ら将来有望な大学生も集められていた。この中の優秀なものを末娘英子の婿にしたいと考えていた。

クリスマースパーティを開いた夜、奇怪な密室殺人が起きる。ここは人里離れた一軒家、そしてその夜は猛吹雪。次の日にも警察官4人が捜査に来た。その夜警察官も泊まり込んでいるところで第二の殺人、それも密室殺人。3つの密室殺人事件の謎の解き明かす名探偵・御手洗潔の活躍。ちょっと頭が良すぎるサスペンス、緻密に考えられたミステリー、技巧がちょっとすぎる感もあるが、なかなか面白い
。話の途中に読者への挑戦状もある。事件を材料を出し切ったところで、御手洗潔の頭の中で謎解きを終えたところあたりで読者に、解決してみなさいという挑戦状です。ほかの作品でも同様の試みをしている。