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墓石の伝説

書名:墓石の伝説
著者:逢坂 剛
発行所:毎日新聞社
発行年月日:2004/11/30
ページ:527頁
定価:1900円+税

10年以上新しい映画を撮ったことがない70歳の老監督が、西部劇を新たに製作するという夢、その夢にみんなが集まって、段々具体化していく。そして「OK牧場の決闘」の真実に迫るミステリーを伏線に物語は展開する。現在70歳以上の人にとってはアメリカの西部劇、マカロニウェスタン(スパゲッティーウェスタン)は実際に映画館で見たこともあると思うが、それ以下の人にとっては全く見たことない。テレビ、DVDで見たことがあるぐらいの古い古い話題をテーマにマニアックな領域を描いた作品で若い人たちには書いてある内容を理解するにはちょっと難しい所もある。でも70歳以上の映画好きには応えられない本かもしれない。

「OK牧場の決闘」の一方の主役アープ兄弟(ワイアット・アープ他)の活躍した時期は1880年代、日本では明治初期の時期、その登場人物達の真実の歴史を追う取材、そして日本の老監督が西部劇の映画を作るという。そのシナリオを考えていく過程でいろいろな事実が浮上してくる。サスペンス風に物語が展開していく。淀川長治が懐かしい感じもする本です。