書名:武士の娘
著者:杉本 鉞子
訳者:大岩 美代
発行所:筑摩書房
発行年月日:1994/1/24
ページ:384頁
定価:950円+税
著者の杉本鉞子(えつこ)は1873年(明治の初め)に長岡藩家老・稲垣平助の六女としれ生まれた。武士の娘として厳格に育てられた。そして結婚により夫の仕事の関係でアメリカに住むようになる。明治時代にアメリカに住んだ珍しい存在。アメリカでの生活はすべてが珍しく、目新しい暮らしの中で「武士の娘」として身に付けた事を失うこともなく、「武士の娘」の視点でアメリカを見つめながら、アメリカ社会で自立した考えを身に付けて生きた。
夫の事業の失敗(倒産)とともに日本に帰国、帰国の船で夫の死亡。二人の娘をつれて戻る。二人の娘の教育のため再び渡米、彼女が英語で執筆した“A Daughter of the Samurai (武士の娘)”はアメリカでベストセラーとなり、7ヶ国語に翻訳された。その本を晩年の杉本鉞子と大岩美代が翻訳したのが本書です。武士道は古いという風潮が強まっていた明治期においても、侍の精神を疑うことなく守り続けていた稲垣家で厳格に育てられた鉞子の物語は、子々孫々と受け継がれてきた日本の倫理観、美意識、そして叡智に溢れている。
明治の動乱期の中を生きた一人の女の半生を綴った興味ある本です。時代の変わり目のことを実際に体験した人の言葉は重い。
黒人の召使いが足袋をはいた姿ばかり見ていたので日本人は足が2つに割れていると思っていたが、生まれた娘の足をみて5本の指があることをみて安心していた。反対に鉞子は革靴を履いたアメリカ人の足は指がないと思っていた。
「ヴェニスの商人」のオペラを見たとき、こんな下品なものは考えられない。下品なドタバタ劇だ。とか今では考えられないようなエピソードも
杉本鉞子の『武士の娘』
http://www.kamit.jp/15_kosho/28_etsu/etsu.htm
武士の娘~杉本鉞子
http://ameblo.jp/yamatogusa/entry-11398128197.html