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新約聖書を知っていますか

書名:新約聖書を知っていますか
著者:阿刀田 高
発行所:新潮社
発行年月日:1993/11/15
ページ:265頁
定価:1359円+税

阿刀田高氏の「知っていますか」シリーズ第二弾新約聖書の超入門編です。「欧米の文化に触れるとき聖書の知識は欠かせない」と云われていますが、聖書を読み切った人も少ないのでは?、これを読むのは容易ではない。また読んでもよく分からない。

新約聖書の冒頭にはマリアの夫ヨセフの系図が長々と書かれている。マリアは処女懐胎(受胎告知)でイエスを生んだことになっている。夫のヨセフの血筋とは無関係のイエス。ここにイエスが「神の子」になった秘密がある。聖書の中にマリアが何人登場するか?ヨハネは何人登場するか?新約聖書を読者の代わりに読んで、分析して判りやすく内容を教えてくれる。また新約聖書への興味を持たせてくれる。そんな本です。

イエスは有名であるけれど、戒律などほとんど云っていない。「自分がして欲しいことを隣人にもしなさい」位。それ以外は旧約聖書(ユダヤ教)の戒律。そしてイエスは伝道者ではなく、「神の子であることと、神の子であると固く信ずることと」を主張した人、イエスの死後12人の弟子達がユダヤ人社会だけではなく、ローマ帝国へも布教したことによって大きな宗教集団となった。

聖書では殆ど出番のないマリアが何故か、奇蹟とともに登場する。イエスは公の場所に登場するのは30歳前後に2年半、磔で亡くなってしまう。イエスの生涯は殆ど知られていない。もう一つのキーワード「復活」死後「復活」したことを12人の弟子が大宣伝をする。ちょっと堅い感じもしますが、新約聖書の概要を知るには良い本ではないでしょうか?

聖書は隠れたベストセラー、世界で一番多く出版された本とか、日本のキリスト教信者数は100万人、人口の0.7%程、それにしてはキリスト教系の学校の多いのは何故?