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本に出会う

若冲

書名:若冲
著者:辻 惟雄
発行所:講談社
発行年月日:2015/10/9
ページ:349頁
定価:1500円+税

 伊藤若冲という画家は生前は人気ともに知名度を持っていたが、明治以降一般には知られない時代もあって忘れられた存在になっていた。大正15年、秋山光夫によって本格的な研究が着手され、昭和45年(1970年)に辻惟雄の『奇想の系譜』が出版されて注目を浴びるようになった。また1990年代後半以降、アメリカ人収集家ジョー・プライスのコレクションにより飛躍的にその知名度と人気を高めている現在人気ある画家です。先日紫雲山・くろ谷 「金戒光明寺」で若冲の作品に出会ったので、この本を読んでみた。写真家と見間違う鮮麗な着色密画。唸ってしまう。この若冲を再び世に出した辻惟雄の著書です。一度本物を見たら好きになってしまう作品が多い感じがする若冲、その若冲の全貌が判る本です。

1.伝記と画歴(第一期―画風形成時代;第二期―画風昂揚時代;第三期―画風円熟時代;第四期―画風晩成時代);
2 若冲画小論(若冲と明清画;若冲と写生;若冲と「奇」);
3 印譜解説;
4 若冲派について
「動植綵絵」など有名作品を網羅した図版150点以上。伝記、画歴、画論、好きにならずにいられない作品解説まで!

主な作品
「糸瓜群虫図(へちまぐんちゅうず)」細見美術館所蔵
「鼠婚礼図(ねずみのこんれいず)」細見美術館蔵
「風竹図(ふうちくず)」細見美術館蔵
「群鶏図障壁画(ぐんけいず しょうへきが)」京都国立博物館蔵
「石灯籠図屏風(いしどうろうず びょうぶ)」京都国立博物館蔵
「果蔬涅槃図(かそ ねはんず)」京都国立博物館蔵
「雪梅雄鶏図(せつばい ゆうけいず)」建仁寺両足院蔵
重要文化財「鹿苑寺大書院障壁画(ろくおんじ だいしょいん しょうへきが)」鹿苑寺蔵、承天閣美術館保管
「釈迦三尊図(しゃかさんぞんず)」相国寺蔵
「群鶏図押絵貼屏風(ぐんけいず おしえばり びょうぶ)」金戒光明寺蔵