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姫神

書名:姫神
著者:安部 龍太郎
発行所:文藝春秋
発行年月日:2015/8/10
ページ:261頁
定価:1400円+税

玄界灘の孤島、沖の島には遺跡から発掘された金製の指輪がある。この指輪から作者の創作が始まったのではないかと思われる。

時は推古天皇の時代、この後ろには大臣蘇我馬子がいる。馬子は朝鮮半島に兵を送って任那の回復、百済の復興を目指して、厩戸皇子の弟を将軍として朝鮮半島に行かせるが途中で死んでしまったりして旨くいかない。秀才の誉れの高い厩戸皇子(聖徳太子)は当初は大臣蘇我馬子の方針に従っていたが、仏教の教えを厚く信仰する厩戸皇子は朝鮮半島からやって来ている僧たちの言葉にも耳を傾け倭国、新羅、高句麗、百済の四ヶ国の争いに心を痛め、この四ヶ国が揃って隋に朝貢することを画策する。隋に朝貢することによって、四ヶ国は隋の庇護の下に安定した関係を築くという目標をもって小野妹子、朝鮮からの僧たち(円照ら)を動かす。

百済から倭への使者として遣わされた円照は途中百済の王とは反対派の花郎徒を中心とする勢力に、船中で襲われ命からがら海へ飛び込んだ。それを助けたのが沖の島に渡っていた宗像の豪族の娘で、祭祀を巫女として司る若い伽那だった。円照と厩戸皇子の構想に共感した伽那は周りの人々を動かして遣隋使支援に乗り出すが。なかなか面白い小説です。

遣隋使を壮大に描く海洋歴史小説 『姫神』 (安部龍太郎 著)
http://hon.bunshun.jp/articles/-/4046
祝世界遺産候補決定! 宗像・沖ノ島を舞台にした壮大な遣隋使の物語『姫神』(安部龍太郎 著)
http://hon.bunshun.jp/articles/-/3980