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書名:原発と戦争を推し進める愚かな国日本

書名:原発と戦争を推し進める愚かな国日本
著者:小出裕章
発行所:毎日新聞出版
発行年月日:2015/9/15
ページ:238頁
定価:1400円+税

2011年3月11日、東京電力福島第一原子力発電所の事故が発生。大量の放射性物質が環境に放出され始め、その日のうちに原子力緊急事態宣言が発せられた。事故から4年半(5年)たった今も、この緊急事態宣言は解除されていない。

小出氏は、国が発表している汚染地図をもとに、東北地方・関東地方にまで広がる広範囲なエリアで、1㎡あたり3~6万ベクレル、または6万ベクレル以上のセシウムが降り積もったと指摘する。
「本当のことを言えば、福島県の東半分を中心にして、東北地方と関東地方の広大なところを『放射線管理区域』にしなければいけないほど汚れたのです」

この原発事故で10万人を越える人達の生活が根こそぎ破壊され、コミュニティは完全に崩壊、もう元には戻らない。事故は全く収束していない。原子力緊急事態宣言の名の下に、今までの法令は無視して政府の都合の良い政策を進め『放射線管理区域』に帰還しろと強制している。住民の事は全くやっかいもの扱い。自分たちの政治のことしか頭にない。住民のことなど何も考えていない。

被災者などは全く見捨てている。「誰も責任を取らない」「取らなくて良い」ということに対して誰も厳しく追及しない国民、何処か間違った方向に世の中が進んでいる。情報を隠し、情報統制、弱者を放り出し、差別の拡大、体勢に叛旗を翻す人は村八分。段々戦後生まれの世代が実は平成の世では戦前世代になりつつあるのではないか?

都合の悪いことは話題にしない。報道しない。見せない、聞かせない、言わせないという目に見えない圧力がどんどん強くなっている。明日は今日より良い世がみえていた戦後世代、晩年は明日は今日より悪い世しかみえなくなってきた。もっと若者は大変だ。悪い世、悪い奴ばかり見て育っている。

大人の無責任だらしなさを見ている。染みついている。こんな日本の将来は暗い。未曾有の大事故を起こした原発事故をそっちのけで経済、経済、オリンピックと騒いでいるこんなことはやっぱりおかしい。誰もが言わないそれほど日本に人はいないのか?「のど元過ぎれば」後はすっかり忘れてしまう。5年前の出来事はもう意識にない。口だけで忘れてはいけないと言っていれば良いのではない。

人間はどう生きたいのか?経済が大切?小出氏の40年以上に渡る反原発の一貫した活動、負けてばかりいても信念を変えない生き方。今の出世主義のエリート?とは全く違った生き方。本当はお金よりも自由に幸せに生きたいだけ、誰も競争して勝つために生きているのではないと思う。この本は原発事故を扱っているが、この国のあり方、人の生き方などを深く考えさせられる。弱者の視点に立って書かれている。

第1章 原子力緊急事態は今も続いている
第2章 福島第一原子力発電所は今、どうなっているか
第3章 日本は原発廃炉の時代に突入した
第4章 不都合な事実を黙殺する日本メディア
第5章 原子力マフィアの復権を許してはいけない
第6章 原発・戦争国家へと突き進む政府の暴走を食い止める

原発と戦争を推し進める愚かな国、日本 | 毎日新聞出版
http://mainichibooks.com/books/social/post-98.html
小出裕章氏「原発と戦争を推し進める愚かな国、日本」出版記念講演会
https://www.youtube.com/watch?v=kFpf1W-n7Vk
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