書名:若冲
著者:澤田 瞳子
発行所:文藝春秋
発行年月日:2015/4/25
ページ:358頁
定価:1600円+税
漸く順番が回ってきた6ヶ月位待ったかな。とても人気で図書館ではなかなか借りるのが大変です。伊藤若冲は最近知る人が多くなってきたが20年ほど前には殆ど知られていない画人。でも当時は人気絵師だった。したがって贋作も多い。伊藤若冲の生涯はあまり知られていない。
この本は著者の創作(フィクション)です。京都の野菜問屋の長男に産まれながら、商売には全く見向きもせず、絵に没頭する。この物語では若い頃近江の方から嫁を迎える。しかし嫁は自殺してしまう。そして嫁の弟が生涯つきまとう。そして若冲は嫁への哀悼の気持ちから益々絵に没頭していく。そして弟は若冲に挑戦するように贋作を次々作る。そして決して姿は見せない。そんな構成で物語が進む。底知れぬ悩みを抱え、姿を見せぬ好敵手を憎みながら描き続けた。登場人物には池大雅、円山応挙、与謝蕪村、谷文晁、市川君圭などが配置されている。
実際若冲の絵をみれば、この創作が少しピント外れのような気がするが、何しろ生涯のことがが良く分からない若冲、こんなストリーもありかなというような気もする。
【著者に訊け】澤田瞳子氏 天才画人の生涯描く小説『若冲』
http://www.news-postseven.com/archives/20150521_323152.html
【書評】『若冲』 澤田瞳子著 第153回直木賞候補作品
http://www.idayu.jp/entry/book-review-sawada-toko-jaykutyu
若冲は生涯独身じゃなかった? 作家・澤田瞳子の大胆な仮説
http://dot.asahi.com/aera/2015102000043.html