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黒南風の海

書名:黒南風の海
   加藤清正「文禄・慶長の役」異聞
著者:伊東 潤
発行所:PHP研究所
発行年月日:2011/7/22
ページ:341頁
定価:1700円+税

豊臣秀吉の晩年行われた「明」征伐を意図した「文禄・慶長の役」を舞台に、日本人でありながら敵方に寝返った沙也可(さやか)という人物と全く逆の立場に置かれた人物が金宦(キムグワン)の二人を主役として描いています。ただ、読んでいて退屈感と嫌悪感が一杯の作品。やっぱり素性の悪い素材はどんな名人もやっぱり三流小説に堕落してしまうのか?
朝鮮半島を加藤清正が小西行長と競争しながら戦いを重ねていくが、この戦を描き方は読んでもすっと入ってこない。どんな戦闘場面か良く分からない。文章がこなれていない。そんな不満を感じる文章です。また構成も沙也可と金宦という人物を描くにしては舞台が広すぎる。もう少し焦点を絞って欲しい。

歴史作家伊東潤のブログ【仍如件(よってくだんのごとし)2】 『黒南風(くろはえ)の海』文庫版、本日発売開始!
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