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ばんば憑き

書名:ばんば憑き
著者:宮部 みゆき
発行所:角川書店
発行年月日:2011/2/28
ページ:372頁
定価:1700円+税

「坊主の壺」「お文の影」「博打眼」「討債鬼」「ばんば憑き」「野槌の墓」全6話。 の江戸時代を忠心とした短編集です。科学的な視点で考えるとあり得ないことをこの宮部みゆきに掛かると怨念、恨み、などオカルトが自然におかしく感じないのは語り部としての作者の腕でしょうね。この種の小説は宮部みゆきの得意としているところであり、また面白いところでもある。

湯治旅を終えた若夫婦が、帰途、雨で足止めとなり老女との相部屋を引き受けた。老女が語り出す50年前の忌まわしい出来事とは。「〈ばんば〉とは恨みの念を抱いた亡者のこと・・・」。ぞくりと怖く、心騒がす「ばんば憑き」『日暮らし』の政五郎親分とおでこが謎を解き明かす「お文の影」

ある日、深考塾(利一郎が教えている寺子屋)に珍客があった。本所の紙問屋である大之字屋の番頭・久八だ。久八は、利一郎にとんでもない頼みごとをしてくる。大之字屋の主・宗吾郎は、息子の信太郎を深考塾に通わせていた。その信太郎を、利一郎に斬ってもらいたいというのだ。数日前、大之字屋の店頭に行然坊という旅の僧侶が現われた。その行然坊が、信太郎は〈討債鬼〉だと言ったのである。「討債鬼」

作り話と判りながらどんどん引き込まれていくおもしろさが格別の作品集。