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いつか白球は海へ

書名:いつか白球は海へ
著者:堂場 瞬一
発行所:集英社
発行年月日:2004/4/10
ページ:236頁
定価:1700円+税

東北の港町・潮灘市にある社会人野球チーム「間島水産」かつては社会人野球で全国優勝した名門チーム、でも今は全国大会にも出場も出来ない弱小チームに落ちぶれている。間島水産の社長が直接口説かれ、社長の熱心な勧誘と、全国制覇を遂げた名門チームへの憧れが心を動かしてプロの誘いを断って入社した六大学野球で活躍した海藤敏。
海藤敏は甲子園に出場し、東京6大学では首位打者を獲得したスラッガーだ。海藤は小学生だった12年前、父とともに後楽園球場のスタンドで間島水産の劇的な全国制覇優勝シーンを目撃し、サヨナラアーチの4番打者にあこがれて野球に打ち込むようになった。

入社の日に社長の急死を知らされる。最初の仕事が社長の葬式の手伝い。実弟の新社長は野球部を年内で手放し、引き受け先を探すことを宣言する。
やがて潮灘セメントという会社が受け入れを申し出るが、出された条件は全国大会出場だった。グラウンドは荒れ放題で練習には主砲もエースも顔を見せない。監督もまったくやる気なし。そんな中、海藤敏の孤軍奮闘の戦いが始まる。チーム内で孤立し、衝突しながら全国大会出場へ向けて立て直しに奮闘する姿を描いている。なかなか読み応えのある本です。