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京都保津川殺人事件

書名:京都保津川殺人事件
   旅行作家・茶屋次郎の事件簿
著者:梓 林太郎
発行所:祥伝社
発行年月日:2011/8/10
ページ:228頁
定価:838円+税

梓林太郎は山岳をテーマに殺人事件などの著作が多い。この本は京都嵯峨野、化野念仏寺、保津川、京都の奥座敷湯ノ花温泉などを舞台に殺人事件を扱ったミステリーです。著者に取っては京都を舞台とした作品は初めてとか?

主人公は旅行作家・茶屋次郎、ある夜、夕食を食べにとんかつ屋に向かう途中、自宅近くの火事に遭遇した。直後に白い顔の女が飛び出してきた。入れ替わりに茶屋は屋内に侵入して取り残された高齢者(男)を助けた。しかし気を失って気がついたときは病院のベット。警察は茶屋を放火犯と疑って警察に連行される。助けたはずの高齢者も助けられた記憶もなく、女もいなかったと証言。自らにかけられた放火犯の疑いを晴らすために、その男の故郷京都嵯峨野へ。その男の事を調べていくうちに保津川で死んだ男女3人の謎が出てきた。

話の展開を書いてしまうとミステリーにならないので読んでお楽しみということで。ただちょっと策士策に落ちるという感じのこじつけもちょっと見受けられる。謎解きに論理性がちょっと欠ける感じ、テレビ向きのネタかな。

京都嵯峨野、亀岡ひえ田野町、湯ノ花温泉、祇園、先斗町、八坂神社などが舞台になっている。亀岡のことが結構書かれているので興味をもって読んだ。しかし「稗田」とか「ひえた」とか漢字も読みも違っていたり、府道を県道と書いていたり、現地に行って取材していない。していてもかなりアバウトにという感じのところが随所にある。本と地図資料では読みはなかなか難しいとは思うが。

内田康夫なんかに比べるとちょっと事前調査がという気がした。