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与楽の飯

書名:与楽の飯
   東大寺造仏所炊屋私記
著者:澤田 瞳子
発行所:光文社
発行年月日:2015/8/20
ページ:305頁
定価:1,600 円+税

東大寺の「奈良の大仏(毘盧遮那仏)」は、聖武天皇が発願し、752(天平勝宝4)年に開眼供養が行われた。この東大寺大仏建立事業にたずさわった名も残さぬ多くの若者達を描いた作品です。主人公は故郷から造仏所に徴発されてきた若者・真楯。この造仏所には炊屋という食事処があった。そこには炊男・宮麻呂という絶品の飯を作る男がいた。大仏建立という大事業を一膳の飯で支えている。『与楽の飯』は、この国家的大事業に関わった者として、大仏鋳造の現場で働き、実際に造った人々に光を当てる。

日々起こる事件、それを宮麻呂が解決していくミステリー仕立てになっている。行基なども出てくる。視点がなかなか面白い本です。

【書評】『与楽の飯 東大寺造仏所炊屋私記』澤田瞳子著
http://www.sankei.com/life/news/151004/lif1510040018-n1.html