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小夜しぐれ みおつくし料理帖

書名:小夜しぐれ みおつくし料理帖
著者:高田 郁
発行所:角川春樹事務所
発行年月日:2011/3/18
ページ:290頁
定価:590 円+税

江戸時代の小説で売れる条件とは
1.武州豊島郡江戸市中が舞台であること
2.捕り物などのミステリー性があること
3.剣豪物であること
と言われていますが、このみおつくし料理帖シリーズはこれらの3条件の内1部しか満たしていない。でも好評なシリーズです。時たま大坂を舞台。料理も上方、江戸のものなどの違いを紹介しながら工夫していく。
最近このシリーズは全10巻ということを知った。2009年に第1作を発表し2014年刊行の第10作で完結した。この本は第五弾です。

大坂生まれの澪、野江の二人が水害で両親を亡くし、それぞれ苦労しながら江戸に、澪はつる家の料理人、野江は吉原の花魁あさひ太夫。澪が料理人として毎回工夫して新しい料理を考案しながらつる屋を繁昌させていく。しかし毎回これでもかこれでもかという困難に遭遇する。そんな健気な生き方を描いている。

日本橋伊勢屋の美緒が思いを寄せている医師、源斉との縁談ではなく伊勢屋の主・九兵衛が美緒に使用人を婿にとらせるという話他