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潮鳴り

書名:潮鳴り
著者:葉室 麟
発行所:祥伝社
発行年月日:2013/11/10
ページ:323頁
定価:1,600 円+税

人は何度でも立ち上がることができる。 折れた心も再び燃やすことができる。決して諦めることはないのだ。 一度落ちた花でもまた咲ける。豊後・羽根藩(うねはん)の伊吹櫂蔵(いぶきかいぞう)は俊英といわれて藩のお役目につくが、融通が利かない唐変木で、役目をしくじりお役御免。その後弟に家督を譲り、伊吹櫂蔵は浜のぼろぼろの漁師小屋で、家から届けられるお金で細々と暮らしている。お金が出来ると酒、賭博ですぐに無くなってしまう。今や〈襤褸蔵〉(ぼろぞう)と呼ばれている。

ある日弟が切腹。前の日に家屋敷を整理したといって3両のお金を持ってきた弟。それを無下に追い返し、その3両も酒と賭博で消えてしまっていた。弟の遺書を読んで借銀を巡る藩の裏切りが原因と知る。何故か藩から新田開発奉行並として出仕を促された櫂蔵は?再起をテーマの物語です。