記事一覧

本に出会う

草雲雀

書名:草雲雀
著者:葉室 麟
発行所:実業之日本社
発行年月日:2015/10/10
ページ:309頁
定価:1,600 円+税

山倉伊八郎、栗屋清吾の二人は若杉道場で師範代を勤めている。似たような境遇で伊八郎は勘定方百八十石山倉家の五男で部屋住みの身、また清吾は風采の上がらぬ三男坊。ある日、山倉伊八郎から自分の用心棒になるよう頼まれる。山倉伊八郎は藩の筆頭家老を務めていた国東武左衛門の隠し子で部下の子として育てられた。ところが国東武左衛門家では嫡男が病死(毒殺されたとも)されてしまい。急遽山倉伊八郎に跡継ぎとして白羽の矢がたった。藩内の有力者達の虚々実々の騒動に山倉伊八郎、栗屋清吾の二人は巻き込まれていく。

りり、りり、りり。草雲雀は一晩中、恋の歌を唄う。栗屋清吾は剣はめっぽう腕が立つ、また女中のみつと深い仲になり妻(兄からは側室としてと念を押されている)とする。山倉伊八郎は家老を目指し、家老になれれば栗屋清吾を剣術指南役に迎えると約束をして用心棒を頼まれた。ひとはひとりでは 生きていけませぬ――二人の向かう道にはなにがまっているのか?
なかなか面白い作品です。