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神剣 人斬り彦斎

書名:神剣 人斬り彦斎
著者:葉室 麟
発行所:角川春樹事務所
発行年月日:2016/2/18
ページ:310頁
定価:1600 円+税

幕末に暗殺者が抜去した幕末の四大人斬りといわれる人が田中新兵衛「人斬り新兵衛」の異名、河上彦斎「人斬り彦斎」の異名明治維新後、高田源兵衛と名を改める、岡田以蔵「人斬り以蔵」の異名、中村半次郎「人斬り半次郎」の異名明治維新後、桐野利秋と改める。の4人。この作品は1864年8月12日、兵学者の佐久間象山を暗殺するなど。多数の暗殺を行った「人斬り彦斎」が主人公です。でも他の3人は知っていたが河上彦斎は余り知らなかった。佐久間象山の暗殺をした人までは知っていた。色白で背が小さく優男、イケメンだった河上彦斎。生涯に渡って「人斬り」として生きたエネルギーはどこにあったのか?

物語は九州、肥後の細川藩54万石、御花畑表御掃除坊主の彦斎は嘉永三(1850)年12月、師・宮部鼎蔵を訪ねるため、ひとり池部屋敷へおもむいた。そこで彦斎は、尊敬する吉田松陰と、生涯にわたって魅かれ合う女性・由衣と出会う。その後彦斎は日本を守るため剣の厳しい修行をし、尊攘派の志士として次々と自分の意志で佐幕派の者たちを喪っていく。しかし明治新政府が出来た後は、薩摩と長州の者たちを出世させ、この国を西洋に屈服(開明)させてしまう。河上彦斎は明治5年12月に処刑された。享年38歳だった。兵学者の佐久間象山を暗殺する前に勝海舟との談判はなかなか面白かった。勝海舟の妹が佐久間象山の妻、義理の関係だった。