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徳川盛世録

書名:徳川盛世録
著者:市岡 正一
発行所:博聞本社 長尾景弼
発行年月日:明治22年8月26日

書名:徳川盛世録
著者:市岡 正一
発行所:尾張徳川黎明会
発行年月日:1989/1/23
ページ:326頁
定価:3,672円

徳川幕府の典礼・儀式(武家故実)を可能な限り復元したいという意図を持って刊行された彩色絵入り本。著者市岡正一はかつて幕府に仕え、明治時代は民法編輯局の官吏だった。江戸時代には公事を叙述することが禁じられていたため材料がなく、わずかに残された旧記と自身の記憶によって書いた、と巻頭の例言に断りがある。

江戸時代の年中行事などを調べるとなかなか資料がないのですが、これは明治時代に書かれている(江戸時代は発行でない内容、吉良家のような高家が活躍する場があったのですね)が、武州金沢藩の日記を読んでいて正月の行事御規式(規式)を調べる必要から行き当たった本です。この本はあくまで将軍家の仕来りが基本です。武州金沢藩では違っていたかも知れませんが、推測することは可能かと思います。

でも江戸時代の儀式や行事礼服などいろいろ取り決めがあって一つの完成した成熟社会を営んでいたことがよくわかる本です。いま背広、スーツ、靴など生活各種に儀式の時の作法などこれほど事細かく決まっていませんね。

2018/1/10までサイトはアクセスできませんが、岡崎市立中央図書館デジタルアーカイブに「徳川盛世録第壱編巻之弐」が公開されています。

岡崎市立中央図書館
http://www.library.okazaki.aichi.jp/
徳川盛世録第壱編巻之弐
http://websv.library.okazaki.aichi.jp/digital/